GG賞受賞→まさかのノンテンダーFA
現地2020年1月31日の情報です。今オフ、MLBファンを驚かせたニュースの1つとして数えられても良いのが、ホワイトソックスによるヨルマー・サンチェス(Yolmer Sanchez) へのノンテンダーでしたが、そのヨルマー・サンチェスのディールが決まりました。しかし、あまりニュースにもならず、こっそり決まっております。
SFGとマイナーディール
ヨルマー・サンチェスはリビルド中のジャイアンツとのディールで合意。ただし、マイナー契約です。
2019年ゴールドグラブ賞受賞者なのにこの扱い。
マイナー契約ですのでメジャー契約となってからサラリーのお話になります。もっともマイナー契約でも事前にメジャーに上がった場合はいくらという契約でサインする選手はたくさんおりますが、ヨルマー・サンチェスの場合、まだ細かい数字は出ておりません。
2019年のサラリーは調停を避け$4.625Mでしたから、大幅ダウンですね。税金が払えるか心配になるレベル。
ヨルマー・サンチェスとは
ヨルマー・サンチェスは1992年6月22日生まれの27才。シーズン途中で28才になります。ベネズエラ出身で2009年5月、16才の時にホワイトソックスとサイン。2014年(22才の時)にメジャーデビュー。
打撃で苦労する
2年目の2015年には120試合に出場し、打率.224、OBP .268、SLG .326、HR 5、RBI 31とまあまあの数字を残すも、2016シーズンは打撃が悪化。5月から1ヶ月間トリプルAで再調整。トリプルAでは打率.344をマーク。再びメジャーに上がりました。ただこのシーズンは年間を通して打率.208。
本格的に軌道に乗り始めたのは2017シーズンから。もうレギュラーとして3年連続で140試合以上に出場するようになりました。
2017年は打率が.267にまで伸びたもののここ2年は.242、.252とまた停滞している様相でした。
2019年にGG賞
打撃ではもう一皮むけたいところですが、守備は着実に実力をつけ、ついに2019年にはゴールドグラブ賞を受賞するほどになりました。センスのいい2Bばかりいる中での受賞は並大抵のことではできません。
華々しく台頭するCWSのトッププロスペクト達
ホワイトソックスが言ってみれば手塩にかけて育てたヨルマー・サンチェスを放出した大きな要因はやはり台頭するプロスペクトの存在があります。
まず内外野を区別せず、2020シーズンに台頭する野手のプロスペクトをピックすると、以下の3名ですね。
- ルイス・ロバート(L. Robert):OF /22才/右投げ右打ち
- アンドリュー・ボーン(Andrew Vaughn):1B /21才/右投げ右打ち/ 2019ドラフト1巡目
- ニック・マドリガル(Nick Madrigal ): 2B/ 22才/ 右投げ右打ち/ 2018ドラフト1巡目
ニック・マドリガルはNRI
ヨルマー・サンチェスの代わりに起用しようとしているのがニック・マドリガル。上記の通り、2018アマチュアドラフト1巡目指名の2Bです。現地2020年2月1日時点でニック・マドリガルは40manロスターには入っていません。
現時点で考えられているのはレウリー・ガルシア(L. Garcia)、ダニー・メンディック(D. Mendick)、アンドリュー・ロマイン(A. Romine)の3名。この3名はSSも3Bも出来ますのでベンチとしては非常に起用しやすい人たち。
ニック・マドリガルはFA資格の関係もあり、カブスがクリス・ブライアントに行ったようなMLSが172日以上にならないようにホワイトソックスはコールアップすると思われ、開幕ロスターからは外れるはずです。
よって上記の3名の誰かが開幕を守り、のりにマドリガルが上がる。それには固定のレギュラーであったヨルマー・サンチェスに新しい機会を与える、そのような目論見で放出となったと思います。
マドリガルはこのスプリングトレーニングではNRI(招待選手)としてメジャーキャンプに参加することが決まっています。
ゾクゾクするCWSのポジションプレーヤー達
それにしてもホワイトソックスの野手はゾクゾクします。1Bは延長契約をオファーされたホセ・アブレイユで固定かと思いきや、DHがあるとは言えエドウィン・エンカーナシオンを獲得しました。
2Bは上記の通り、マドリガルの台頭が期待出来ます。3Bはこれから超一流への道を歩むであろうヨアン・モンカダ。そして外野にはきれいなフォームのイーロイ・ヒメネスがおり、CFにはプロスペクトのルイス・ロバート、RFにはレンジャーズから獲得したマザーラとすごいメンバーが揃っています。
ヨルマー・サンチェスのお話からややそれましたが、ジャイアンツの2Bは、マウリシオ・デュボン(M. Dubon)、ドノバン・ソラーノ(D. Solano)、キーン・ウォン(K. Wong)がおります。25才という年齢などからマウリシオ・デュボンが1番手として考えられるとは思いますが、いずれの選手も決め手にかける印象があります。まだヨルマー・サンチェスの打撃の方が頼りになりそうな感じです。
この機会をヨルマー・サンチェスが奪うのか、注目したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント