人材の宝庫、モンカダとも延長へ
現地2020年3月6日、エクステンションの話題が入ってきました。シカゴ・ホワイトソックスはメジャー5シーズン目を迎える大型内野手、ヨアン・モンカダ( Yoán Moncada )との契約延長に合意。
多数のプロスペクトを誇るホワイトソックスにおいて、デビュー済みの人材を囲い込みに入りました。
延長内容
ホワイトソックスとヨアン・モンカダが合意した内容は、5年/$70M(2020-2024)。かなり付随的な内容がついており、豪華です。
- $4Mサイニングボーナス(2020-23年の11月15日に$1Mずつ)
- 2020:$1M、 2021:$6M、 2022:$13M、 2023:$17M、 2024:$24M、 2025:$25M クラブオプション ($5Mバイアウト)
- 2025年のクラブオプションは2020-24年にMVPを獲得すればベースサラリーに$2.5Mアップ、 またMVP2位もしくは3位ならば$1.5Mアップ。
- アウォードボーナス
- ワールドシリーズMVP:$100,000
- ALCS MVP:$0.75M
- TSN オールスター出場:$0.5M (TSNはオールスター中継のメディア=The Sports Network。カナダの会社でもある)
- ゴールドグラブ賞、オールスター選出、シルバースラッガー賞それぞれ獲得の場合:$0.25M
- MVP 投票 1位:$0.1M、2位:$0.09M、 3位:$0.08M、 4位:$0.07M、5位:$0.06M
MLSは2.106
デビュー5シーズン目となるヨアン・モンカダですが、デビューイヤーの2016年はレッドソックスで8試合、2年目はホワイトソックスで54試合、本格的な出場は2017年からです。よって、MLSは2020年1月の時点でまだ2.106。FAまであと4シーズンというところでしたから、今回の契約で当初のFAより1年多くコントロール下に置くことになりました。
また3年から5年の3年間は調停を避けて契約したでしょうから、それを行ったとしてもこのくらいにはなったかもしれませんね。
2019年のサラリーはM未満
調停資格もなかったモンカダは2019年のサラリーは$0.575M。ほぼメジャー最低額の水準でした。この契約がなかったとしたら、2020年は$0.7Mほどだったかもしれませんので、$1M超えを果たし、本人も喜んでいる模様です。
贅沢税上はM
なおモンカダの贅沢税上のサラリーは2020年から$14M扱いになります。これは贅沢税がAAV(Annual Average)で算出するためです。また、実際にAward ボーナスが発動となると、年平均の単価はもう少し上がります。
モンカダ、CWS以外に行きたくない
この契約後、ヨアン・モンカダはホワイトソックスにずっといるのがゴールであるとも発言。非常にやりやすいのでしょうね。それにはキューバの先輩、ホセ・アブレイユの存在も大きいかもしれません。ホセ・アブレイユはグランド内外で陰日向がなく、クラブに好影響を与え続けるナイスガイです。
キューバ多し!
ホセ・アブレイユだけでなく、ホワイトソックス内ではキューバ出身者が多く、今季から正捕手として迎え入れられたヤズマニ・グランダールもそうです。
そして今季活躍が期待されるルイス・ロバートもそうですね。数ではドミニカ共和国出身の選手の方が多いですが、キューバの逸材がこれほど頑張っているクラブもそうないでしょう。
2019はWAR 4.6
大型契約を結んだヨアン・モンカダは2018年、2019年と149試合、132試合に出場。2018年の方が出場試合は多かったものの、ただこのシーズンは三振の数が217。これは2位のジャンカルロ・スタントンの211を抜いてMLB NO.1でした。
2018年は打率.235、OBP .315、SLG .400。確実性が問われたシーズンでもありました。ほぼフルシーズンの1年目ですからこういうこともあるでしょう。
ところが、2019シーズンに変身。
2018年にNo.1だった三振数は154へと激減。打率.315、OBP .367、SLG .548という数字に。確実性の向上はたとえば安打数が前年よりも約100打席ほど少ない559 PAにもかかわらず、30安打アップの161安打にも表れていますし、3割オーバーでも明らかです。
そして、ジュースド・ボールの影響もあったものの、HR数も17本から25本へとアップしています。まさにこれからさらに進化しようという段階の選手ですね。
WAR 4.6はMLBトップのドジャースのコディ・ベリンジャーの9.0には及ばないものの、AL10位のアストロズのジョージ・スプリンガーの6.2の背中も見えている状態ですね。
ホワイトソックスの複数年契約
これを見るだけでもホワイトソックスの人材の宝庫ぶりがよくわかるのですが、長期契約を交わしている選手のリストがこれです。
- C ヤズマニ・グランダール: 4年/$73M (2020-23)
- LHP ダラス・カイケル: 3 年/$55.5M (2020-22)+2023 option
- 1B ホセ・アブレイユ: 3年/$50M (2020-22)
- 3B ヨアン・モンカダ : 5年/$70M (2020-24)+ 2025 option
- CF ルイス・ロバート: 6年/$50M (2020-25) + 2026-27 options
- LHP アーロン・バマー: 5年/$16M (2020-24) + 2025-26 options
- LF イーロイ・ヒメネス: 6年/$43M (2019-24)+ 2025-26 options
- SS ティム・アンダーソン: 6年/$25M (2017-22)+2023, 2024 options
この他に、ルーカス・ジオリト、マイケル・コペックの両右腕も近いうちに長期契約をオファーするのではないかと見られています。
若い人材を揃えているので、これだけのタレントを抱えておきながら、2020年の贅沢税上のサラリーは$161.250M(現地2020年3月6日時点)。
これから、モンカダやヒメネスらが育ってくればやがて贅沢税上を圧迫し始めますので、それまでにワールドシリーズチャンプを獲りたいところでしょうね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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