イェリッチが偉業
現地2018年9月17日のMLBですが、激しいペナント争いの最中、素晴らしい記録が生まれました。
ブルワーズのクリスチャン・イェリッチ(Christian Yelich)がシーズン2度めのサイクル安打を達成しました! Congratulations!
イェリッチの活躍はシーズンMVP候補へ名前を連ねる大きなインパクトを残しています!
地元ミラー・パークでのレッズ戦に臨んだブルワーズはカブスとの直接対決が終了。残り12試合となった今、1試合1試合が非常に大事な負けられない戦いです。そんな中、クリスチャン・イェリッチは2番LFで出場。レッズの先発は今季7勝の右腕、アンソニー・デスカルフィー二。
サイクル安打
イェリッチは第一打席にCF前クリーンヒットを放ち、まずはシングルを達成。
3回の第二打席には1塁ライン際を抜く2塁打。これでダブルも達成で「おや!」というざわついた状況になります。同時にこの2塁打は先制点のきっかけをつくりました。
5回裏の第三打席ではライトへ大きな2ランHRを放ち、これでホームランも達成。この回は先頭のドミンゴ・サンタナにもHRが出ており、ブルワーズは4−0とゲームを優位に進めます。
6回裏、ブルワーズはオーランド・アルシアの2塁打をきっかけにチャンスメイク。ワイルド・ピッチとフィルダース・チョイスで1点を奪ったあと、1番のカーティス・グランダーソンが四球で出塁。そして、クリスチャン・イェリッチが打席に。
イェリッチは4球目のチェンジアップを強振。これが右中間を破る3塁打となり、見事シーズン2度めのサイクル安打を達成したのでした!
イチロー選手の技術も入ってますよね!
イチロー選手のことが大好きなクリスチャン・イェリッチ。マリナーズ時代のイチロー選手のユニフォームをサイン入りで持っているくらいです。自身も日本人の血が1/4入っておられます。母方の祖父が日本人です。
なぜイチロー選手のことを書いたかと言いますと、このシーズン2度目のサイクル達成に、イチロー選手の技術をうまく自身の中で消化した姿を見たように思ったからです。
特に1打席目のシングル、2打席目の1塁横を抜く2塁打のバットコントロールはなにかイチロー選手の打席を彷彿とさせるものがありました。
3塁打のときの走塁なども、どこかイチロー選手に似ていないでしょうか。イェリッチの方がストライドは大きいのは確かですが、きれいなフォームは似ていると思うんですね。
ちなみにイェリッチのスピードに関してですが、イェリッチが2015年のマーリンズ時代(23才時)に記録したホームから三塁までのタイムは10.95秒でした。Statcastの計測が開始された2015年以降、現ブルワーズのメンバーでこれより速かったのはキーオン・ブロクストンが2016年6月30日に記録した10.89秒のみ。ブルワーズで2番めに足が速いと思っていいかと思います。
セットされていたような運も
以上のような打撃、走塁の実力でサイクルを達成したクリスチャン・イェリッチですが、今回の達成は運の要素も大きかったと思うんです。そもそもゲーム中盤の6回にしかも4打席ですんなり決めたところも驚くべきことです。しかも4打席目に一番むずかしい3塁打が残っていて、それをあっさりと決めたのですから驚きでした。そのほかにもよい運だったなと思う要素がありました。
1つ目は2塁打となった1塁横の当たりです。ベースに当たる角度が悪ければ二塁打にはなっていなかったと思います。
2つ目は、三塁打の打席についてですが、直前のC・グランダーソンが四球を選んでいたこと。最後の3塁打はその打球方向、速さ、レッズのCFがビリー・ハミルトンであることを考えれば通常は2塁打コースです。しかし、グランディーがランナーに出ていて1塁から長駆ホームインをしたことで返球がホームに向かいました。これがもし3塁への返球ならタイミング的にどうだったかと思います。
データづくしの今回のサイクル達成
今回のシーズン2度めのサイクル安打達成は色々なデータがでてきました。
- 1シーズンで2度のサイクル安打達成は史上5人目。(直近は2012年のDバックスのアーロン・ヒル。そのほかの3名は戦前の達成です)
- 1シーズンで2度のサイクル安打を同じ対戦相手から達成したのは史上初
- MLBで1908年以来、キャリア2度の達成は25人目。現役ではTEXのA・ベルトレ、元MILで現TBのカルロス・ゴメスがいる。
- ブルワーズ内でキャリア2度のサイクル達成はクリスチャン・イェリッチのみ。※フランチャイズ史上では9度の達成。
などなど色々とありました。
少年にお礼
3打席目のHRボールを「大事な記録だから」と返却しに来たブルワーズ・ファンの少年。選手にとっても気持ちがありがたいですね。イェリッチは返却のお礼に、サイン入りのバットをプレゼントしました。いいお話です。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
コメント