エンカーナシオンの2020契約情報
現地2019年10月31日、ワールドシリーズが終了したことに伴い、各クラブは契約の一区切りとなります。そして2020年に向けての更新がスタート。実務的には回答出来る選手のオプションに応えたり、マイナーへアウトライト(マイナー契約にする)、あるいはトレードが始まります。
ヤンキース、クラブオプションを行使せず
大物の情報もいくつも入っており、中でも注目に値するエドウィン・エンカーナシオンとヤンキースの契約が早くも判明。ヤンキースはエンカーナシオンと交わしていた2020年のクラブオプションのサラリー$20M(2千万ドル)の行使を拒絶しました。
エンカーナシオンはFAとなり、契約通りバイアウトとして$5M(5百万ドル)が支払われます。
もともとの契約
エドウィン・エンカーナシオンがヤンキースに移籍したのはトレードデッドラインの1ヶ月前の現地2019年6月15日。もともと2018年12月に三角トレードでインディアンスからマリナーズに移籍。2019年はマリナーズからスタート。日本開幕戦にも参加し、イチロー選手の引退ゲームにも出場していたのは記憶に新しいところです。
マリナーズから移籍したときに当然ヤンキースは契約を引き継いだ訳ですが、2019 年のサラリーである1年$25M(2千5百万ドル)は移籍成立後から発生した分を支払ったとして、 2020年はクラブオプションという条件がついていました。
クラブオプションは、翌年の契約更新をクラブ側が決める条項で、もしも翌年もお願いしたい場合は $20M(2千万ドル)のサラリーとなるよう予め設定されていました。そして断る場合は途中解除費用としてのバイアウトというのが設定されており、それが$5M(5百万ドル)でした。今回はお断りしたというケースです。
エンカーナシオンの2019シーズン
ホームランキングペースだった
エドウィン・エンカーナシオンは2020年1月に37才の誕生日を迎えます。
2019シーズンはヤンキースへのトレード前に21HRを放ち、ア・リーグHRキングを独走。現地2019年6月9日のエンゼルス戦では通算400号HRも放っていました(Game Score)。
このまま突っ走ってくれたらと願っていたのですが、ケガ人多数で大変な状況に陥っていたヤンキースが彼を素早く獲得。その瞬間、出場機会が減るという点でホームランキングの道は無くなったのでした。
骨折と腹斜筋痛
そして8月3日のレッドソックス戦において怪我。ジョシュ・スミスのスライダーを右手首に受け骨折。1ヶ月間、戦列を離れざるを得なくなりました。
1ヶ月後の9月3日、レンジャーズ戦で復帰。以降はチームのポストシーズンをかけた戦いもあり毎試合ゲームに出ていたものの無理がたたったのか、9月12日のダブルヘッダーGame1で腹斜筋を傷め、そのままシーズンエンド。
【エンカーナシオンの2019年シーズン成績】
G | AB | H | HR | RBI | BA | OBP | SLG | OPS | |
SEA | 65 | 241 | 58 | 21 | 49 | .241 | .356 | .531 | .888 |
NYY | 44 | 177 | 44 | 13 | 37 | .249 | .325 | .531 | .856 |
TTL | 109 | 418 | 102 | 34 | 86 | .244 | .344 | .531 | .875 |
ポストシーズンの出場が危ぶまれましたが、なんとか間に合いしました。ALDSではDHとして活躍しましたが、ALCSでは大ブレーキに。また腹斜筋を傷めていたのかは定かではありませんが、とにかく本調子ではありませんでした。
【エンカーナシオンの2019年PS成績】
G | AB | H | HR | RBI | BA | OBP | SLG | OPS | |
ALDS | 3 | 13 | 4 | 0 | 2 | .308 | .357 | .462 | .819 |
ALCS | 5 | 18 | 1 | 0 | 0 | .056 | .227 | .111 | .338 |
そもそも、ヤンキースは6月時点でジャッジもジャンカルロもいない状況でしたから、エンカーナシオンの加入はあくまでけが人の穴を埋めるという目的での補強でもありました。
2020年のヤンキースのバッター
ヒックスがTJ手術で夏まで離脱
2020シーズン、ヤンキースはOFのアーロン・ヒックスがトミージョン手術でおりません。8から10ヶ月かかりますから、復帰は早くてオールスター直前でしょうか。ちょうどディディ・グレゴリアスが復帰した時期と同じくらいかちょっと遅れた時期になりそうです。アーロン・ヒックスは 30才。2019年は59試合で打率.235、OBP .325、SLG .443 、12 HR、RBI 36。
ヒックスの穴を埋める層は厚い
確かにこの穴を埋めたいところではありますが、ヤンキースにはすでにジャンカルロ・スタントン、アーロン・ジャッジ、マイク・フォード、マイク・トークマン、クリント・フレイジャーがおり、層は分厚いです。
そしてFAとなったブレット・ガードナーの再契約という手もあります。ガードナーは2019年、1年 $7.5Mで契約。エンカーナシオンの半分以下ですね。
よって、エンカーナシオンの場合、そもそもけが人のヘルプという役割を担っていたということと、オプション行使せずとも戦力は豊富ということで今回FAとなったのでした。
次の所属先
2019年のトレード・デッドライン前まではレイズはエンカーナシオンに興味津津でしたが、果たして動くのか。サラリーがガードナー並になれば需要は高いとは思いますが、$20Mのままだとかなり厳しいオフになるかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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