ヤンキースが6年で争奪戦に勝利
現地2021年1月15日、今オフのFA資格の内野手で最も動向が注目されていたD.J. ルメイヒュー(DJ LeMahieu)のディールが決定。ヤンキースと6年$90Mのディールで同意した模様です。
内容は現地2021年1月15日時点ではオフィシャルではありません。
契約詳細
現時点では6年総額$90Mのディールで合意というところまでしかわかっていません。こちらは詳細が判明し次第、追記いたします。
追記
現地2021年1月27日、正式な内容が出来ましたので、記載したいと思います。
- 6 年/$90M (2021-26)
- 支払い:$15M/年x6
- フル・ノートレード・プロテクション(2021-2022)
- ノートレードの一部解除(2023-26)/5クラブとはノートレード(詳細は明かさず)
- 2023シーズンの後にはMLB通算10年、同一クラブ通算5年以上となり、通称、10-5ルールの適用となり、全トレードをブロック出来る權利を得る
38才のシーズンまで
ヤンキースの今オフのトップ・プライオリティーに設定されていたD.J. ルメイヒューとのディール。
当初、D.J. ルメイヒューは5年$100Mレンジを求めているという噂が出ていました。
1988年7月13日生まれのD.J. ルメイヒューは、2021年4月1日の開幕時点で32才。ヤンキースは36才のシーズンまでを想定して4年でのディールを考えていたとも言われており、ここにギャップがあり、ディールの話がすすんでいませんでした。
そのうち、2Bスポットでキケ・ヘルナンデス(彼はユーティリティーでもありますが)をFAで欠くドジャースという強力なライバルが表れました。また、ブルージェイズも積極的に参戦したとも言われています。
合意した総額は当初のディールより少なくなっていますが、贅沢税の関係や本人の長期契約の希望などの落としどころで、ヤンキースが6年のオファーで手打ちしたという流れのようです。
AAVでM
6年総額$90Mのディールということで、贅沢税の算出の基礎となるAAV(Annual Average Value)が出ました。$15Mです。
ヤンキースはゲリット・コールとジャンカルロ・スタントンのトップ2が破格過ぎて金銭価格が狂いそうになりますが、現時点の高額選手はご覧の通りです。ルメイヒューをAAVで$20M以下に抑えることが出来たのは、贅沢税の点ではよかったのかもしれません。
【2021ヤンキース AAV】
- ゲリット・コール:$36M
- ジャンカルロ・スタントン: $29M
- アロルディス・チャップマン: $16M
- D.J. ルメイヒュー: $15M
- ザック・ブリットン: $13M
- コーリー・クルーバー: $11M (他記事にて詳細を記載します)
- アーロン・ヒックス: $10.785M
- ルイス・セベリーノ: $10.75M
2021年の贅沢税の基準額は0M
ヤンキースの2021年の贅沢税の状況ですが、上記の高額選手の分だけで$128M以上。40manロスターの総額で現時点での概算は$199M強。2021年の贅沢税の基準額は$210Mですから、あと$10M強のスペースが残りました。これはルメイヒューの合意報道の後に飛び出したコーリー・クルーバーのディールも含めた金額です。
残り$10Mでどうするのか?は注目ですね。
なお、ヤンキースの2020年の贅沢税は基準額$208Mに対して$265.2M。$57.2Mもオーバーしています。超過2年目です。
2019年は基準額超え1年目で$206Mに対して、$234.5Mで$28.5Mオーバー。$20%のレートが適用され、$6.7Mの支払いが発生していました。中堅選手一人、$1M規模の選手を6人キープ出来る金額です。
ルメイヒューは2年連続でMVP候補
2019年にヤンキースに加入したD.J. ルメイヒュー。
この2年間の活躍は素晴らしく、2019年はMVP投票で4位、2020年は3位に入りました。
- 2019: 145試合、打率.327、OBP .375、SLG .518、HR 26、RBI 102、二塁打 33
- 2020: 50試合(60試合中)、打率.364、OBP .421、SLG .590、HR 10、RBI 27、二塁打 10
特に2019年の価値は計り知れないものがあったと思います。なぜならけが人が続出する中で、リードオフとして最後まで出場し続け、上記のような成績をマークしたからです。ポストシーズンでも活躍しましたね。
D.J. ルメイヒューとは
ルメイヒューはもともと2009年ドラフトでカブス2巡目指名の選手です。
MLBデビューはカブス時代の2011年。ルーキーイヤーは37試合に出場し、打率.250、HR 0。
その年のオフの2011年12月にカブスがイアン・スチュアート(3B/2014がMLBラストシーズン)を獲得したトレードで、他の選手とともにロッキーズへ移籍。
ロッキーズ移籍1年めの2012年から81試合に出場。というのもちょうどこの年、トロイ・トゥロウィツキーが5月に鼠径部(そけいぶ)を傷め、IL入りとなったのです。これでチャンスを得たD.J. ルメイヒューは上記の通り、81試合に出場できたのです。トゥロウィツキーの怪我がなければここまでの選手になっていたかどうかわかりません。結局、トゥロウィツキーはこの年、47試合の出場にとどまりました。
なお、トレバー・ストリーが出てくるのは2016年になってからです。
スタッツとアウォード
キャリアを通じてのスタッツとアウォードはご覧の通りです。
- オールスター出場: 3度 (2015、 2017、 2019)
- NL ゴールドグラブ賞受賞:3度 (2014、 2017、 2018)
- AL シルバースラッガー賞受賞:2度 (2019、2020)
- 打率 1位:2度 (2016/NL:.348、2020/AL: .364) 史上初の両リーグでのバッティングタイトル!
- AL OBP 1位:1度 (2020)
- AL OPS 1位:1度(2020)
- NL最多安打: 1度 (2016: 192)
- 20HR以上: 1度 (2019)
- 100 RBI以上: 1度 (2019)
- 100 Runs Scored : 2度 (2016、2019)
守備はもともとロッキーズ時代にGG賞を受賞していた通り素晴らしく、打撃もロッキーズ時代からよかったです。また直近2年の活躍ぶりが素晴らしいですね。
2016年の成績が特に輝いたのは、上記のトレバー・ストーリーのメジャー・デビューの影響も多々あったと思います。
ルメイヒューは味方が苦しんでいる時に、風穴を空ける1本を打つケースが多く、チャンスメイクするのが特に素晴らしいと思っています。流れを変えることの出来る選手です。
ルメイヒューが残り、ヤンキースはまたしてもALイーストをリードする勢いですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント