ヤンキース、登板3名がメジャーデビュー
現地2021年8月3日、ちょっと驚くような投手を目にしました。それがピンストライプのジャージを着ていたのがやや悔しいところなのですが、ヤンキースのルイス・ヒールです。
この日、ヤンキー・スタジアムで行われたオリオールズ戦で、ヤンキースは13-1で快勝。打線も機能したと同時に、オリオールズのセドリック・マリンズの送球が2塁ベースに当たって、余計なランナーまで還してしまうという珍プレーもありました。
Action-packed night at the ballpark. #SquadUp pic.twitter.com/uiQBbKQDSQ
— New York Yankees (@Yankees) August 4, 2021
そんな中、リズムを作ったのは投手陣。この日、マウンドに上がったのはルイス・ヒール、スティーブン・リディングス、ブロディー・コーナーの3人。なんとこの3人はいずれもこの日がメジャー・デビュー。1試合で3名の投手がメジャーデビューしたのは、クラブ史上初とのことです。
衝撃的だったルイス・ヒール
スラッとした長身の佇まい、ちょっと抱えるように見えるテイクバック、重心が高めでスピードのある腕のスイング。一瞬、ペドロの兄のラモン・マルチネスが記憶から蘇ってきたような投手。それがルイス・ヒール(Luis Gil)の投球を見た第一印象。
テイク・バックは現タイガースのホセ・ウリーナに似ているとも言えますが、スイングのかっこよさはルイス・ヒールが上です。
97-98mphを連発
そのルイス・ヒールはトリプル・ディジッツが出るとも言われていましたが、このデビュー戦はそこまでは行きませんでしたが、かなり気合が入っていて、初回は97-98mphを連発。これがなかなか伸びのあるファストボールで、衝撃的でした。この日のMAXは初回に出した98.5mph。
Throwin' 99 for his first Major League strikeout 🔥
— New York Yankees (@Yankees) August 3, 2021
Congrats Luis Gil 🙌 pic.twitter.com/vVKXiDVApW
スライダーが84-5mph、チェンジアップが91-93mph。緩急差もありました。
この日は6イニングを投げて、被安打4、失点0、与四球1、奪三振6。88ピッチで、ストライクが62。コントロールもなかなか良いです。
ルイス・ヒールとは
ルイス・ヒール(Luis Gil)は1998年6月3日生まれの23才。ドミニカ共和国の出身で、もともとは2015年2月に、ミネソタ・ツインズとマイナー契約を結び、プロ入りした投手。
2018年3月にツインズが、CFのジェイク・ケイブ(Jake Cave)を獲得したトレードでヤンキースへ移籍。2019年はクラスAとクラスAプラスの2つのレベルで登板。96.0イニングを投げ、ERA 2.72。SO 9は11.5、BB 9は4.4。
2020-21年はドミニカ・ウィンター・リーグでプレー。
2021年の開幕はダブルA。7試合30.2イニングを投げ、ERAは2.64。トリプルAにも昇格。8試合、30.1イニングを投げ、ERAは5.64でした。
初登板は中盤にベロシティーが落ちる
この日の初登板ですが、初回にかなりのちからを使ったため、中盤にはファストボールがmid-90mphまで落ちました。これは致し方ないところで、またペース配分も学ぶでしょう。
また、ランナーを背負ったセットからの投球では十分に体重が乗っていないケースが多かったですが、これもそのうち修正してくるでしょう。
なかなかのいい投手でした。
スティーブン・リディングスは100mph超え
ルイス・ヒールはいい投手だったなと思ったのもつかの間。今度は2番手で100mphを超える投手が出てきました。
それがスティーブン・リディングス(Stephen Ridings)。この日は7回の1イニングに登板し、被安1、失点0、与四球0、奪三振3。メジャー・デビューの初球が100.9mph。この日は100mph超えを2球出しました。もう勢いそのままにファストボールは97-99mphレベルのファストボールを投げこんでいました。変化球は88−89mphのカーブを2球のみ。
3 Ks for Stephen Ridings in his 1st inning in the Bigs.
— New York Yankees (@Yankees) August 4, 2021
Congrats, @ridings17 👊 pic.twitter.com/5R6zDo3TJk
スティーブン・リディングスとは
スティーブン・リディングス(Stephen Ridings)は1995年8月14日生まれの25才。まもなく26才になります。
2016年ドラフトのカブスの8巡目指名でプロ入り。2019年3月に、ロイヤルズにトレード。ロイヤルズからカブスにはCFのドニー・デウィースが動きました。
2020年11月にロイヤルズのマイナーからリリースされたところをヤンキースがマイナー契約で獲得。2021年はダブルAからスタート。19.0 イニングでERAは0.95。トリプルAに昇格し、10イニングでERAが2.70。メジャー・デビューとなりました。
ブロディー・コーナー
3番手で8回、9回の2イニングに登板したのが、ブロディー・コーナー(Brody Koerner)。こちらは2イニングを被安打2、失点1、与四球1、奪三振0。横の変化球が主体の右腕で、ベロシティーは80mph後半。
ブロディー・コーナーは1993年10月17日生まれの27才。2015年のヤンキースの17巡目指名。2018年からトリプルA、ダブルAで投げていて、ようやくMLBでのチャンスを掴んだところ。三振が奪えないので、ゲーム後半は厳しいかもしれません。
ILの影響
彼らが昇格したのはILの影響で、ドミンゴ・ヘルマンが右肩の炎症で8月1日付けで10 Day IL、さらにゲリット・コールはCOVID-19でテスト・ポジティブが出たからという背景があります。
ヤンキースも優勝争いをしているなら、このような起用はしていないと思います。今だからこそですが、3人ともこのチャンスを把持できるかどうか。注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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