WS Gm5: LAD 7 @ 6 NYY (LAD 4-1でWSチャンプ)
現地2024年10月30日、ワールドシリーズGm5でドジャースが5点差を跳ね返して見事にワールドシリーズを制覇。 2020年以来、通算8度目のチャンプに輝きました。
ワールドシリーズの過去の実績では3連敗を跳ね返してチャンプに輝いたことはなく、この点から言ってもドジャースが優勢なのは間違いないところでした。Gm4でドジャースは大敗しましたが、あくまでローテーションの谷間のゲーム。Gm5ではともにGm1に先発したジャック・フラハーティーとゲリット・コールのマッチアップとなり、果たしてドジャースが決めてしまうのか?あるいはロスでの決戦に持ち越れるのか?注目でしたが、ドジャースは勝利の女神の招待を無下に断ることなく、攻めて勝利をもぎ取りました。
展開
先にGm5の展開をまとめてみたいと思います。
- 1回裏ヤンキース (3-0)
- アーロン・ジャッジが2ランHR(WS 1本目)
- ジャズ・チザム・Jr.がソロHR
- 2回裏ヤンキース(4-0)
- アレックス・ベルドゥーゴのタイムリーシングルで追加点
- 3回裏ヤンキース(5-0)
- ジャンカルロ・スタントンがソロHR(WS 2本目)
- 5回表ドジャース(5-5) ヤンキース
- 1アウトから1塁でジャッジがCFライナーをエラー
- 2アウト満塁からムーキーがタイムリー1B内野安打(=エラー)(1-5)
- フレディー・フリーマンがCFへ2点タイムリー・シングル(3-5)
- テオスカー・ヘルナンデスがCFへ2点タイムリー・ダブル(5-5)
- 6回裏ヤンキース(6-5) ドジャース
- ジャンカルロ・スタントンが1アウト1、3塁で犠牲フライ
- 8回表ドジャース(7-6) ヤンキース
- ギャビン・ラックスがノーアウト満塁から犠牲フライを放ち同点(6-6)
- ムーキー・ベッツが1アウト満塁で犠牲フライを放ち、勝ち越し(7-6)
- 9回裏ウォーカー・ビューラーが登板
- 三者凡退に抑え、ゲームセット。
ジャック・フラハーティーが捕まる
ドジャース先発のジャック・フラハーティーはVTRを見てもそれほど悪いとは思いませんでした。確かにアーロン・ジャッジに打たれた2ランHRとジャズ・チザム・Jr.に打たれたソロHRのボールは若干甘いところでしたが、それほど悪いボールではなかったように思いました。なぜ打たれたのか不思議なくらい。何かクセでも掴まれていたのか?という投球でした。
結果、ジャック・フラハーティーは2回持たず、1.1イニングで降板。被安打4、失点4、自責点4、BB 1、SO 1、HR2。
ドジャースは先発が崩れた場合、負けパターンになりこれで投入するブルペンのメンバーもビハインドのメンバーを出すのか?と思いきや、彼らは前日のブルペンゲームでフル稼働だったこともあり、ここからどんどん勝ちパターンのメンバーを投入していきます。
序盤3回で0-5
ジャック・フラハーティー降板後、アンソニー・バンダが四球を連発して大崩しそうなドジャースでしたが、バンダはなんとか持ちこたえ、追加点を与えません。ところが、3回から登板したライアン・ブレイジャーが代わりばなの初球をジャンカルロ・スタントンにソロHRを打たれ、追加点を許します。ブレイジャーはHRボールの失投を結構投げるのですよね(レッドソックス時代から)。しかし、この後、うるさい下位打線をしっかり抑えたので被害は1失点のみ。
ドジャース、5回に同点に
HR攻勢で序盤に5失点のドジャース。さすがにしんどい展開で、しかも相手はゲリット・コール。序盤3イニングは四球による出塁のみでピシャっと抑えられました。
4回表、四球で出たムーキー・ベッツを1塁に置いて、フレディー・フリーマンが右中間へあわやHRという打球をライナーで放つも、これをジャッジに好捕され得点ならず。通常なら、相手のいいところばかり出ている展開はそのまま相手の流れになるところですが、むしろフリーマンのこの当たりはドジャースに希望を与えたと思います。ゲリット・コールは行けると。
ジャッジがエラー
そんなドジャースは運も得ました。5回表、先頭のキケ・ヘルナンデスが「本当にキケ?」というくらいにゲリット・コールの4シームを引っ張らずに素直にRFへ弾き返すシングルヒットを放ち出塁。いいヒットでしたね。
次打者のトミー・エドマンはすぐに追い込まれ、チェンジアップに体勢を崩されてCFへ当たりの弱いライナーを放ちます。これでランナーを進められず1アウトを与えたかと思ったのですが、アーロン・ジャッジがこれをエラー。ランナーのキケを見ていたので、飛び出したところを1塁でアウトにしようと思ったのでしょう。目線が外れました。
思わぬチャンスをもらったドジャースはつづくウィル・スミスもSSのアンソニー・ボルピーのエラーで出塁。ドジャースはノーアウト満塁の大チャンスを迎えます。
ここでゲリット・コールのギアが上がります。ギャビン・ラックスはうまい配球もあって4球で三振に。そして打席には大谷選手。大谷選手には強いボールを先に見せて最後はナックルカーブでタイミングをずらして三振。ここまではさすがにゲリット・コールという投球でした。
ベースカバーがいない
ここでこのゲームの大きな敗因の1つのプレーが出ます。ゲリット・コールはムーキー・ベッツもアウトコースへの変化球でタイミングをずらしきっちり1塁へのゴロを打たせます。ドジャースはこれで万事休すか?と思われましたが、ボールを処理したリッゾが1塁にトスしようとしたときにベースカバーがおらず、ヤンキースは手痛いミスで得点をプレゼント。ゲリット・コールのカバーでしたね。
勝利の女神はヤンキースへ渡そうとしたチケットを急遽、ドジャースに振り直したようです。
その後、フレディー・フリーマンがキッチリ2点タイムリーシングルを放ち、さらにテオスカー・ヘルナンデスも2点タイムリー・ダブル。ドジャースがついに5-5に追いつきました。
ドジャース、勝ち越し
それでもヤンキースは6回裏にブラスダー・グラテロルからジャンカルロ・スタントンが犠牲フライを放ち、抵抗を試みます。ブラスダー・グラテロルは珍しく制球が定まらず、このイニング3BB。ドジャースは2アウトからなんとクローザー・ロールのブレイク・トライネンを投入しました。
8回表、ドジャースは再びチャンス到来。このイニングから登板のトミー・ケインリーから2連続シングルで出塁。もうチェンジアップしか投げないんですから、絞りきってきましたね。そしてウィル・スミスも四球で歩き、ノーアウト満塁のチャンス。
ここでヤンキースはルーク・ウィーバーを投入。ドジャースは前の打席で満塁で三振したギャビン・ラックス。ラックスは6球目の甘い4シームをCFへ弾き返し、これで犠牲フライで1得点。ラックスは次の大谷選手も考え、非常に慎重にボールを見極めましたが、追い込まれてもいたので対応しました。
1アウト1、3塁で大谷選手の打席でさすがに敬遠するかと思いましたが、勝負に行きました。ただ、大谷選手は捕手の打撃妨害で1塁へ。これも敬遠気味の打撃妨害でしたね。
そして1アウト満塁でムーキー・ベッツがCFへ犠牲フライを放ち、ドジャースがついに勝ち越し。
必勝リレー
ブレイク・トライネンを6回2アウトから投入したロバーツ監督でしたが、8回、9回をどうするのか?と思いましたが、トライネンを8回まで引っ張り、2.1イニングを投げさせました。そしてブルペンでウォーカー・ビューラーが投球練習。
9回裏、そのウォーカー・ビューラーが登板。2014年のWSではジャイアンツが最後にマディソン・バンガーナーを起用し、2018年のWSではレッドソックスが最後にクリス・セールを投入したのと同じ図式ですね。ウォーカー・ビューラーは今季は絶対的エースではありませんでしたが、それでも万が一を考え、Gm6の山本投手を温存する必要からビューラーという選択肢になったと思います。
そのビューラーは下位打線3人を三者凡退に斬って取り、ゲームセット。ドジャースが7-6でGm5で来ました。おめでとうございます!
MVPはフレディー・フリーマン
そしてMVPはフレディー・フリーマンが受賞。当然ですね。ワールドシリーズはGm4まで4試合連続HRを放ち、WSトータルで20打数6安打、HR 4、トリプル1、RBI 12、BB 2、そしてSOがたったの1。.300/.364/ 1.000、OPS 1.364でした。
これで2024シーズンが終了しました。大谷選手も移籍1年目でWSチャンプを達成。移籍して良かったですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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