2022 WS Game2 (PHI 2-5 HOU)
現地2022年10月29日、ワールドシリーズGame2が行われました。前日に5点差を跳ね返したフィリーズ。このゲームもまたしてもアストロズが5点をリードする展開に。またあるか!?という期待とは裏腹にこの日はフランバー・バルデスがフィリーズ打線の前に立ちはだかり、ことごとくチャンスの芽を摘んで行きました。
【YOUTUBE】Valdez and Bregman lead Astros to Game 2 victory | Top of the Order
アストロズ、4球で3ダブル!
先発はザック・ウィーラーとフランバー・バルデス。非常に興味深い顔合わせとなったのですが、ゲームが動いたのは初回。しかも、アストロズが電光石火のごとく、ザック・ウィーラーを攻め立てました。
1回裏、先頭のホセ・アルトゥーベがウィーラーの初球の96.4mphのシンカーをLFへラインドライブで弾き返し、2塁打で出塁。つづく、ジェレミー・ペーニャも初球からしかけ、82.2mphのハンギング・カーブを捉え、2塁打。これでアルトゥーベが還り、アストロズが1点を奪います。
さらに、ヨルダン・アルバレスも初球から手を出し、これはファウルになったものの、2球目もスライダーが甘く入ったところを左中間に二塁打。これでペーニャが生還し、アストロズはたった4球で2点を奪ったのでした。
フィリーズ、守備のミス1つめ
アレックス・ブレグマンをSSゴロに抑え、1アウト奪ったウィーラーはようやく落ち着きを取り戻します。
つづくカイル・タッカーをCFフライに打ち取り2アウト。フィリーズはここで1つ目の守備のミスが出ます。
この日のCFはマット・ベアリング。左腕のフランバー・バルデスが登板ということで右打者のベアリングが出場し、左打者のブランドン・マーシュはベンチ・スタートでした。そのベアリングがCFフライを獲った場所はほぼ定位置。カイル・タッカーのCFフライがかなり高く上がったこともあり、ベアリングは捕球に集中してしまいます。浅い打球にもかかわらず、ヨルダン・アルバレスは3Bへタッチアップ。助走なしに投げたベアリングの送球は浮き上がってしまい、ランナーと交錯し、バックアップに入っていたウィーラーのグラブに。
これはアウトに出来る捕球位置だっただけにベアリングのミスと言っていいと思います。
フィリーズ、2つ目の守備のミス
2アウト3塁となり、つづくユリ・グリエルはSSゴロを放ったのですが、これをこの日SSとして先発したエドゥムンド・ソーサが1塁へショートバウンドのスローイング・エラー。これで3Bランナーが還り、アストロズが3点目を上げます。
1Bがフレディー・フリーマンなら余裕ですくい上げていたでしょうが、リース・ホスキンスですので、それは厳しい注文かもしれません。記録はSSのスローイング・エラーです。
フィリーズは今シーズン、チーム・ディフェンスでMLB最下位近くにランクされ、FanGraphsによるディフェンス値では25位(-20.3)。ポストシーズンでかなり我慢していたのですが、このゲームでは細かいところで出てしまいましたね。
ウィーラーは3ダブルの2失点以降はなんとか冷静な投球をしていただけにもったいない1失点でした。
ウィーラー、球速が落ちる!
ザック・ウィーラーのこの日の初回のファスト・ボールの平均は96.2マイル(約153キロ)。それ以前のポストシーズンでの先発では、初回に平均98.3mphをマークしていました。パドレスとのNLCSでは2試合に投げ、初回に97mph以上を27球も投げています。
この日のMAXが96.8mphでしたから、シーズン平均と比較しても低下していました。
なお、古傷の右肘も左膝も今のところは特に故障はしていません。3連続ダブルもその影響が大きいと言えるでしょう。96mph でも十分に速いのですが、特にNLCSがえげつなかったので、ギャップを感じた方も多かったのではないかと思います。
ブレグマンが2ランHR
堪えていたウィーラーでしたが、5回裏にヨルダン・アルバレスを1塁に置いて、アレックス・ブレグマンに中押しとなる2ランHRを打たれてしまいます。
これでアストロズは5-0とフィリーズをリード。
前日と似た展開では!?と多くの人が思ったと思いますが、そうは簡単に点を与えなかったのが、フランバー・バルデスです。
なお、ザック・ウィーラーは5回で降板。69球で被安打6、失点5、自適点4、BB3、SO3、HR1という成績でした。
フィリーズ、F・バルデスに苦戦
やはりというか、フィリーズ打線であってもフランバー・バルデスは打てませんでしたね。
テイクバックが小さく、腕のスイングが速いフランバー・バルデスはおそらくボールが急に出てくるのだと思います。しかもシンカーとスライダーの見分けがつきにくく、途中までどちらが来るのかわからないほどの腕のスイングです。ALの打者と同様にフィリーズも大苦戦しました。
バルデスが不調なときはボールが暴れる時なのですが、そのような兆候は一切なく、ノーチャンスというくらいにバルデスの投球は良かったです。
中盤でDPを連発
フィリーズはチャンスも作っていました。5回表には先頭のジーン・セグラが出塁。しかし、つづくマット・ベアリングがダブルプレーでチャンスを潰し、さらに6回表にはノーアウトでランナー1、2塁の大チャンスを作ったにもかかわらず、リアルミュートが三振に倒れて1アウト、つづくブライス・ハーパーがダブルプレーに倒れ、またしても得点ならず。
ここはフランバー・バルデスの見せ所でもありましたね。
フランバー・バルデスは6.1イニングで104球を投げ、被安打4、失点1、BB3、SO9という成績。ナイスピッチングでした。
F・バルデス、ペドロと並ぶ!
フランバー・バルデスは、7回1アウトで降板した際、42,926名の大観衆から大きな拍手を受けました。スタンドには両親も見に来ていたようです。このゲームでバルデスはポストシーズン通算6勝目を上げたのですが、これはHOF入りした元レッドソックスのペドロ・マルティネスと並ぶ数字で、ドミニカ人投手としてのポストシーズン最多勝でもあります。
シュワーバー、あと数センチ!
ゲームが盛り上がりを見せたのは8回表。この時点でスコアは5−1でアストロズがリード。
フィリーズはブライソン・ストットが0-2から12球も粘って、ラファエル・モンテロから四球をもぎ取り、ノーアウトで出塁しチャンスメイク。ここでバッターはカイル・シュワーバー。
シュワーバーは2-2カウント後の5球目のインコースの難しいボールを強打。これが大飛球となり、線審も一度はホームランコールをしました。ところがVTRレビューとなり、その結果、わずかにファウル。
打ち直しとなったシュワーバーは7球目の4シームも捉えましたが、これがフェンス直前でカイル・タッカーのグラブに納まり、惜しくも2ラン・ホームランにならず。差し込まれた分だけわずかに届きませんでした。シュワーバーが1打席で2度も惜しい当たりを放つも、このイニングでの追い上げはならず。
9回表はアレク・ボームが2塁打を放ち、ブランドン・マーシュの1塁への強打でユリ・グリエルのエラーを誘い、1点を追加するも、追い上げもここまで。
5-2でアストロズがGame2を獲りました。
Game3はフィラデルフィアでの開催。またしても大応援団がお目見えとなります。
先発は、ノア・シンダーガードとランス・マッカラーズ・Jr.です。
ノア・シンダーガードの調子が良いだけにフィリーズとしてはものにしたい一戦ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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