2022 WS Game5 (HOU 3-2 PHI)
この熱狂的なフィラデルフィアでのゲームを見るのがこのシリーズではこれが最後かと思うと、非常に切ない気分になってきます。
現地2022年11月3日、アストロズ@フィリーズのGame5はアストロズの強さがじわじわと伝わるゲームでした。投手力、守備力にといわゆる負けないゲームを絶賛展開中という具合に。
アルトゥーベ、早打ちで結果は吉に
とにかく早打ちなのが、アストロズのリード・オフのホセ・アルトゥーベ。Game3では、レンジャー・スアレスの立ち上がりに、ジェレミー・ペーニャと合わせてたった2球で2アウトを献上しましたが、それは凶と出た場合のパターン。
この日、フィリーズのマウンドにはALDS Game4で素晴らしい投球を見せたノア・シンダーガードが上がりましたが、この日もアルトゥーベの早打ちは健在。言い方を変えるとファースト・ストライクを狙っていると言った方が正しいかもしれませんが、第1打席では2球で勝負をかけてきました。結果は、CFへの2塁打。
さらにジェレミー・ペーニャも2球目をCFへ打ち返し、アストロズがたった4球で電光石火で先制点を上げます。この日は吉と出たので勢いをもたらす結果となりました。リスクを恐れずというところでしょうか。
前日のNO-NOは1人目でブレイク
アストロズ先発はMLBの現役レジェンドのジャスティン・バーランダー。このゲーム前まではポストシーズン34試合に登板し、33試合に先発。通算15勝11敗と偉大な結果を残しながら、ワールドシリーズだけは未勝利。この日がキャリア通算9度目のワールドシリーズでの登板。
気になったのは前日にノーヒット・ノーランを食らったフィリーズ打線。ただ、このようなことがあっても翌日は案外引きずらないのがメジャー・リーグの通例。この日も例にもれずに、なんと1人めでブレイクしました。
1回裏、1点を先制されたフィリーズはリード・オフを務めるカイル・シュワーバーがバーランダーの2球目のアウトハイの4シームを痛烈に弾き返し、RFスタンドに弾丸ライナーで入るHRを放ち、1-1の同点に。スタンドは大熱狂でしたね。
幸先よく追いついたフィリーズでしたが、この日はアストロズに苦しめられることになりました。
フィリーズ、6イニングでチャンスを作るも、ホームは遠く
アストロズは4回表に、ジェレミー・ペーニャにHRが出て2-1とリード。
フィリーズが勝ち越し点を許した背景には散々チャンスを潰してきた攻撃がありました。
2回裏:ホスキンス、JVのスライダーにやられる
2アウトからジーン・セグラがシングルで出塁。マーシュ、シュワーバーが連続四球で出塁して満塁となり、勝ち越しのチャンス。しかし、リース・ホスキンスは空振り三振に倒れて無得点。バーランダーはホスキンスには5球中4球もスライダーを投じました。しかも、いずれも抜群のキレで。
3回裏:ランナー2人も得点ならず
1アウトからハーパーが四球で出塁。つづくカステヤーノスがしっかりと捉えるも、SSのジェレミー・ペーニャの正面のライナーとなって2アウト。しかし、アレク・ボームがLF前シングルを放ち、2アウトながら、1、2塁とチャンスを拡げます。ここでブライソン・ストットでしたが、初球のインコースのボール球をRFへ打ち上げて無得点。粘れるバッターなのであっさり行ったのが残念でした。
5回裏:カステヤーノス、JVに勝てず
4回表に2-1と勝ち越されてから初めてのチャンス。
2アウトからハーパーがRFへラインドライブの二塁打を放ち、チャンスメイク。これはいい長打でした。つづく、カステヤーノスはボール球にも手を出していたものの、バーランダーのあらゆるボールに食らいついて抵抗。10球も粘りましたが、最後は伝家の宝刀、スライダーでタイミングを外され、LFへの平凡なフライに終わり、またしても無得点。
6回裏:シュワーバーで得点ならず
アストロズのマウンドには2番手のヘクター・ネリスが上がりました。その代わりばな、アレク・ボームがRF前へきれいなシングルを放ちます。その後、2アウトとなり、投手が3番手のブライアン・アブレイユにスイッチ。代わった直後、マーシュはひっかかったスライダーを膝に受けて死球で出塁。フィリーズは2アウトながら、1、2塁のチャンスを迎えます。しかも、バッターはカイル・シュワーバー。
シュワーバーは2球目の甘いスライダーを見事に捉えましたが、打球が上がらずにシフトを敷いていた2Bへの強烈なゴロに終わました。チャンスで良い打者に当たりましたが、ここでも得点ならず。
ホスキンスがファンブルで失点
8回表、アストロズは1、2番で1、3塁のチャンスを作った後、ヨルダン・アルバレスの1Bゴロをホスキンスがファンブルし、この間にアルトゥーベが生還し、3点目。エラーとは言えない当たりでもありましたが、アストロズにはこのようなミスはほぼありません。ここがフィリーズとの違いでもあります。
8回裏は1点止まり
アストロズのマウンドにはラファエル・モンテロが上がりました。
フィリーズはカステヤーノスとストットが四球で出塁。ここでジーン・セグラが打席に。
セグラはコンタクトヒッターの本領を発揮。このチャンスにRFへラインドライブのシングルを放ち、ようやく2点目。タイムリーでの得点でいい流れを作りかけました。
しかし、ランナーが1、3塁に残っていたものの、つづくマーシュが三振、さらに頼みのシュワーバーも1塁線への強い当たりを放つも、このイニングから代わった1Bのトレイ・マンシーニの好守備に阻まれ、同点ならず。このイニングは1点止まり。
9回裏、JTの大飛球を好捕される
マウンドにはライアン・プレスリー。フィリーズは1アウトから、JT・リアルミュートが右中間に大きな当たりを放ちます。これはHRではないけれども、長打になるぞ!と当たりでフィリーズにチャンスと到来!と思ったのですが、これをアストロズのCF、チャズ・マコーミックがウォール際で素晴らしい好捕を見せ、アウト。惜しくも出塁ならず。
その後、2アウトとなり、ブライス・ハーパーが死球で出塁。同点のランナーが出ましたが、ニック・カステヤーノスがSSゴロに打ち取られてゲームセット。
ゲームの方は、3-2でアストロズが僅差の勝利をものにしました。上述のじょうに、ピンチで強い、強い!投手を含めたディフェンスが非常に機能したゲームでした。
バーランダーは5回、被安打4、失点1、BB4、SO6、HR1でワールドシリーズで初勝利を上げました。良かったですね!
【YOUTUBE】Astros vs. Phillies World Series Game 5 Highlights (11/3/22) | MLB Highlights
アストロズ、ハーパーとはまともに勝負せず
フィリーズ打線の中で、シリーズの打率が唯一3割を超えているのはブライス・ハーパーのみ。このゲームを終えて.373で飛び抜けています。カイル・シュワーバーは打率こそ低いものの、まさに核弾頭という役割で、ポストシーズンですでに5HRをマーク。このうちワールドシリーズでは2HRと素晴らしく機能しています。敬遠もあるので、OBPが.385と高いのが特徴。
そしてアストロズはこの日はハーパーとはまともな勝負をしませんでした。
- ハーパー:四球、四球、二塁打、3Bポップフライ(B・アブレイユ)、死球
もうまともなボールは投げないぞというのがわかる成績で、ランナーがいない場面でHigh-90mphをセル投手には勝負させていたという感じです。この傾向は最後まで続くと思われます。
重症なのがハーパーの前後の3人。前日のGame4ではノーヒット・ノーランを食らったので全員がヒットレスでしたが、このゲームも3人はいずれもヒットレスでした。
- リース・ホスキンス:LFライナーの後、4三振
- リアルミュート:2Bポップフライ、三振、三振、三振、CFフライ(大飛球)
- カステヤーノス:LFフライ、SSライナー(捉えてはいた)、LFフライ、四球、SSゴロ
Game6では打順の入れ替えも
特にホスキンスが重症。彼の場合は、一発もあるのですが、つながりを考えた場合、Game6では2番から変えるかもしれません。
ニック・カステヤーノスがこんなバッターだったか?というくらいにボール球を振りすぎているのが気になるところです。ロー・ボール・ヒッターなのに高めのボール球に手を出しているのが特に気になります。ハーパーの後は誰も打ちたくないでしょうが。。。
ロブ・トムソン監督が2番をホスキンスのままにするのか、そしてハーパーをそのまま4番にしておくのか、ここに注目したいと思います。ちなみに、ハーパーの後にシュワーバーがいれば四球作戦はしないでしょうが、はたしてどうするでしょうか!?
Game6の先発
ゲーム6は、現地2022年11月4日時点ではザック・ウィーラーとフランバー・バルデスです。アストロズは替えないでしょう。
情報によると、ウィーラーは腕の疲れがあったようですが、ブルペンではまた球速が戻ってきたようです。頼みのレンジャー・スアレスは後ろでの起用となるかもしれません。となった場合、Game7はアーロン・ノラかと。
お読みいただき、ありがとうございました。
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