2022 WS Game3 ( HOU 0-7 PHI)
ホーム・フィールド・アドバンテージというのは奇数試合のゲームでホーム開催が多いことを言いますが、現地2022年11月1日のフィラデルフィアでのワールドシリーズ Game3を見ると、これぞまさにホーム・ゲームだからこそ有利だ!というくらいの大声援が飛んでいましたね。
大声援!
雨で1日順延になったこのゲーム。2009年以来のワールドシリーズということもあり、フィラデルフィアのファンの熱量はすごすぎました。
1回表にホセ・アルトゥーベがRF前にヒット性のライナーを放ったのをニック・カステヤーノスがスライディング・キャッチしてアウトにしましたが、その際に”Yeah”という声援が飛びましたが、その声量の大きかったこと。これには驚かされました。
L・マッカラーズ vs R・スアレス
1勝1敗のタイで迎えたGame3はアストロズが右腕のランス・マッカラーズ・Jr、フィリーズがレンジャー・スアレスの投げ合い。レンジャー・スアレスはフィリーズが勝利したGame1の6回2アウトからイニングまたぎで7回1アウトまで0.2アウトをすでに投げております。非常に安定した投球を披露し、原則はローテーションですが、ブルペンにも入って現場を助けています。
このゲームは立ち上がり、上述のようにアルトゥーベがRFライナーに倒れましたが、つづくジェレミー・ペーニャも初球を凡打し、たった2球で2アウトを奪ったのはレンジャー・スアレスにとって大きかったですね。
”ヘイ、ボマー!”
一方のランス・マッカラーズ・Jr.はこの日は派手にやらかしてしまいました。ランス・マッカラーズ・Jr.はヤンキースとのALCS Game4でも先発し、5イニングで被安打8、失点4とポストシーズンに入り、よくありません。
その傾向が早くも初回に出てしまいました。先頭のカイル・シュワーバーを歩かせたランス・マッカラーズ・Jr.は2アウトで4番のブライス・ハーパーを迎えます。その初球、ハーパーは真ん中に来たハンギング・カーブを見逃さず、するどく振り抜き右中間に打った瞬間にそれと分かる2ランHRを放ちます。フィリーズが初回に2点を先制しました。
その直後、ハーパーはネクストで待機していたアレク・ボームを呼び寄せます。”Hey Bohmer”と中継でも聞き取れるくらいの音量でしたね。ボームのことをBohmerと呼ぶのが何かかっこよかったですね。
この時点でランス・マッカラーズ・Jr.の癖を掴んだことは明白でもありました。
Well Harper and Phillies definitely thought they found something https://t.co/6LLtO0tzOv pic.twitter.com/hhiPX9clu3
— Jomboy (@Jomboy_) November 2, 2022
そして、2回表、先頭のアレク・ボームは初球の93.2mphのシンカーをうまく叩いて、LFスタンドにライナーで入るHRを放ちます。HR後にベンチでケン・ローゼンタールさんが「ハーパーが何か言ってたけど」と訪ねていましたが、ボームは笑ってうまくかわしましたね。
フィリーズ、5HR!
ランス・マッカラーズ・Jr.の何かを掴んでフィリーズはその後も攻撃の手を緩めません。アレク・ボームのHRの後、2アウトからは日本でも大人気のブランドン・マーシュがRFスタンドに届くHRを放ち、この時点で3HR。このHRは最前列のキッズのグラブに当たってフィールドに戻ってきたことからレビューとなりましたが、判定は変わらず、HR。
さらに5回裏には1アウトからシングルで出塁したマーシュを1塁に置いて、カイル・シュワーバーがどこまで飛ぶのか?というほどの特大の2ランHRをCFに放ちます。
そしてつづくリース・ホスキンスもLFへバック・トゥー・バックとなるソロHRをLFへ。
【YOUTUBE】Phillies tie MLB record with FIVE home runs in a single World Series game!!
この時点でフィリーズは7-0とリード。
1登板で被本塁打5となったランス・マッカラーズ・Jr.は5回途中4.1イニングで降板となりました。被安打6、失点7、BB1、SO5、HR5。シングルはマーシュの1本だけで、それ以外に打たれた安打はすべてHRという内容でした。
フィリーズが見抜いたもの
フィリーズが見抜いたのはランス・マッカラーズ・Jr.の左右の変化球の投げ分けの癖だったようです。
これはペドロの解説を置いておきます。カーブ、シンカー、スライダーのグラブの位置の違いを御覧ください。
カーブはグラブが低く、シンカーはグラブが高い。シンカーとスライダーはともにグラブの位置が高いけれどもスライダーの方がグラブが体から離れている。
なお、フィリーズがこのポイントを見ていたかどうかはわかりません。打者から見るとまた違いますから、ひょっとしたら、足かもしれません。
フィリーズ、ブルペンのERAは0.00
フィリーズはレンジャー・スアレスを5イニングで降ろしました。76球でゆえ、1イニング15.2球ということで理想的なペースでした。レンジャー・スアレスは被安打3、失点0、BB1、SO4という成績です。フィリーズは2番手以降は、コナー・ブログドン、カイル・ギブソン、ニック・ネルソン、そしてアンドリュー・ベラッティとつなぎ、スコアレスリレー。
フィリーズのブルペンはこのシリーズは未だERA0.00です。これはGame1でブルペンに入ったレンジャー・スアレスのアシストも効いていると思います。ちょうど2019年のポストシーズンで、ナショナルズがマックス・シャーザー、パトリック・コービン、スティーブン・ストラスバーグをブルペンで起用し、いつの間にか最高のブルペンに成長したということがありましたが、それを想起させるやり方ですね。
Game3はクリスチャン・ハビエルとGame1で登板したアーロン・ノラの投合いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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