2022 WS Game 6 (PHI 1-4 HOU) HOU 4勝目
決まってしまいましたね。
現地2022年11月5日、アストロズの3勝2敗でヒューストンに舞台を移して行われたワールドシリーズ 2022 Game6はザック・ウィーラーとフランバー・バルデスが先発。中盤までスコアレスの投手戦の展開となりましたが、最初にゲームを動かしたのはフィリーズ。しかし、直後にアストロズはチャンスを掴み一気に逆転。そのままブルペン陣がいつものいい仕事をしてゲームセット。
アストロズが4-1のスコアで勝利し、見事2017年以来、クラブ創設2度めのワールドシリーズ・チャンプに輝きました。
おめでとうございます!
Championship scenes. #WorldSeries pic.twitter.com/UfZPghtFW4
— MLB (@MLB) November 6, 2022
【YOUTUBE】The Astros win the World Series!
ウィーラー、球速が戻る!
このゲームはむしろフィリーズの方に流れが傾きかけていました。フィリーズ先発のザック・ウィーラーはNLCSまでは初回に平均98.3mphを計測するなど、ちょっと手が出せない状態だったのですが、ワールドシリーズに入って球速が低下。 Game2においても被安打6、失点5、自適点4、BB3、SO3、HR1とそれまでの投球とは異なっていました。
ところが、Game4の頃、ワールドシリーズに入って”Arm Fatigue”腕の疲れがあったことが判明。Game2以降の休息もあり、Game5ではブルペンで球速が戻ったと報道されていました。
そして、この日のスタートは4シームはいずれも98mph以上をマーク。ウィーラーの復活により、追い詰められていたフィリーズに活路が出てきました。
そしてむしろ綻びを出す可能性があったのはフランバー・バルデスの方で、初回に2四死球などややボールが暴れている感がありました。とは言え、フランバー・バルデスが大崩れをする可能性は低く、ゲームは投手の調子に合わせるように前半5イニングはスコアレスで進んで行きました。
カイル・シュワーバーが先制HR
注目していたフィリーズ打線ですが、1番から6番までは不動でした。そして8番に入れていたジーン・セグラを7番に上げ、ブランドン・マーシュに代わり、CFにマット・ベアリングが8番に入り、9番にはSSにエドゥムンド・ソーサを入れてきました。これは左腕対策でもありました。
2回表にはボーム、ベアリングで2アウト1、2塁のチャンスを作り、エドゥムンド・ソーサがあわやHRかという大きな当たりを左中間に運びましたが、惜しくもLFのヨルダン・アルバレスにキャッチされ、先制ならず。効果は出ました。
フィリーズはこの試合を通じて3塁線への打球が2度、微妙なファウルとなるなどハード・ラックでもありました。
そして6回表、ゲームが動きます。先頭のカイル・シュワーバーが2ストライクと追い込まれながら、フランバー・バルデスのシンカーを完璧に捉え、これがRFへ弾丸ライナーで入るHR!カイル・シュワーバーのポストシーズン6本目のHRで、フィリーズが先制し、このゲームはちょっと違うぞ!というところを見せつけたのでした。
ヨルダン・アルバレスが逆転3ラン
その裏、アストロズは先頭のマーティン・マルドナードが死球で出塁。避けていないではないか?とフィリーズはチャレンジをしましたが、判定は覆らず。
つづく、ホセ・アルトゥーベは3Bゴロを放ち、5-4-3のダブルプレーと行きたかったところでしたが、アルトゥーベが生き残ります。
そして、ジェレミー・ペーニャ。ペーニャは2球目のシンカーを見事に叩き、これがCF前にゴロで抜けるシングルとなり、1Bランナーのアルトゥーベが一気に3塁を陥れ、アストロズはノーアウト1、3塁のチャンスを迎えます。
フィリーズ・ベンチはここでザック・ウィーラーから左腕のホセ・アルバラードにスイッチ。打席がヨルダン・アルバレスであったことから、左VS左の状況にした訳ですが、ちょっと交代が早いとは思いました。ペーニャに打たれただけでしたから。
この日のホセ・アルバラードはいつも通り、速いボールを投げていましたが、ストライクとボールがはっきりしており、調子が悪いのは一目瞭然でしたので、ベンチもミスったなと思ったと思います。
その懸念通り、4球目のシンカーがほぼ真ん中に入り、これをアルバレスがCFへ完璧に弾かえす3ランHRに。アストロズが主砲の一発で1-3と逆転に成功します。
その後、アルバラードはアレックス・ブレグマンに四球を出し、左のカイル・タッカーから三振を奪ったものの、ワイルド・ピッチなどで進塁を許すなど終始落ち着きのない投球が続き、ここで降板。
フィリーズはセランソニー・ドミンゲスを投入しましたが、この日DHに入っていたクリスチャン・バスケスにLFにライン・ドライブのタイムリーを打たれ、さらに1点を許します。アストロズが4-1でリード。
フィリーズに反撃の力なく
3点差をつけられたフィリーズは残り3イニングあったのですが、もうほとんどの打撃陣が意気消沈。せっかく、高いサラリーをもらっているのに何をしているんだというくらいに元気がなくなりました。緊張の糸がプツンと切れたような状態。
8回表はブライアン・アブレイユに、そして9回裏はライアン・プレスリーからリアルミュートが1本シングルを放つも、頼みのハーパー、ニック・カステヤーノスがそれぞれ浅いカウントで倒れてゲームセット。
アストロズがシリーズ中盤以降、フィリーズ打撃陣に仕事をさせずに確固たる強さでワールドシリーズを制したのでした。
MVPはジェレミー・ペーニャ
シリーズMVPはハロー効果でヨルダン・アルバレスになるかと思ったのですが、シリーズを通じて25-10で打率.400、OBP .423、SLG.600、OPS 1.023をマークし、2ダブル、1HR、3RBI、5 RUNをマークしたジェレミー・ペーニャが受賞しました。全うな判断で良かったと思います。
ヨルダン・アルバレスは警戒されたこともあり、23-3、打率.130でしたから。
なお、RBIマシーンと化していたアレックス・ブレグマンも候補かと思いましたが、21-5、打率.238、RBI 4でしたから、これもペーニャに軍配という成績でした。
ジェレミー・ペーニャはALCSに続き、2連続でMVPを受賞しました。もし、ALDSにMVPがあれば、間違いなく彼でしたので、全シリーズで活躍しましたね。
トムソン・マジックが使えず
フィリーズはロブ・トムソンに監督が代わり、非常に面白くなりました。実際、NLCSまでは本当に強かったです。
ただ、ワールドシリーズに入り、ハーパーの前後が完全に抑えられ、采配どころではなくなりました。投手リレーはこの日は失敗しましたが、それでもうまく回してきたと思います。思えば、ポストシーズンに入ったのは良かったものの、このブルペンで大丈夫か?という状態でしたから。
なお、フィリーズはこのシリーズで71個の三振を喫しましたが、これはワールドシリーズ最多レコードとなりました。それまでは2020年のレイズと、2001年のDバックスの70個が最多でした。
ダスティー・ベイカー監督、初のWSリング
アストロズのダスティー・ベイカー監督は、2002年にジャイアンツでNLのペナントを、2021年にアストロズでALのペナントを獲っていましたが、今回のワールドシリーズ・チャンプは監督としてのキャリアで初のこと!ようやくワールドシリーズ・リングを手に入れました。
2023年からローン・スター・シリーズではライバルのブルース・ボーチーがレンジャーズの監督となるだけに、これでこのライバル対決に泊も付きましたね。
今季はこれで終了。もう野球がないのが寂しいです。円安がつづくでしょうから、2023年の.TVのサブスクリプションも上がりそうです。
今季もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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