2018ウィンター・ミーティング3日目
現地2018年12月12日、ウィンター・ミーティング3日目はかなり動きが出ました。移籍ディール成立、交渉の詰めなどかなりいいお話が出ております。
まずは決定したディールについて記載いたします。
決定したディール
大物FA選手の複数のディールが決まっております。まずは2018ワールドシーズチャンプに貢献したジョー・ケリーのお話からです。
ジョー・ケリーがドジャースと3年M
まだ速報ベースで公式ではありませんが、これはかなりショック。
2018年ワールドシリーズで、肝心なところでドジャースの流れを止める活躍を店、イオバルディの負担さえも軽減したリリーバーのジョー・ケリー(Joe Kelly)のドジャース入りがディール決定間近のようです。
思えば、ALCS2018のGame1ではアレックス・ブレグマンに余計な死球を与えて敗戦を誘発。どうなることかと思いましたが、以降は心を入れ替えて登板。
ジョー・ケリーの剛速球がなければ、レッドソックスのワールドシリーズに黄信号がともっていたかもしれません。
後はフィジカルの結果待ちのようなのでほぼ決まりと考えていいでしょう。
キンブレルの保留に夢中になっていた間に・・・
チャーリー・モートンがレイズと2年$30M
アストロズからFAのチャーリー・モートン( Charlie Morton)は2017ポストシーズンのヒーローでもありますが、アストロズは残念ながらモートンを手放してしまいました。
レイズはがんばりましたよ。2年、3,000万ドルでの合意です。まだオフィシャルではありません。
ここ2年ほどのMLBの契約の動きを見ると、投手で35才前後でのFA移籍は非常に厳しいという状況ではありますが、さすがにモートンは実力があるだけあって、いい契約を結んだと思います。
レイズ、DLに応じた契約を提示
ローゼンタールさんによると、この2年3,000万ドルはいわゆる総額で、MAXの数字みたいです。DL入りの日数に応じて減額、つまり働いた分だけ払うような上手な契約にしているようです。話の内容をまとめるとこういうことかと思います。
- 2年総額3,000万ドルのうち、1,500万ドルはVesting Option、つまり〜を達成すればMAX1,500万ドルプラスの金額。
- ベースが1,500万ドルでこれは確定していると。それを仮に2年で均等割すると年俸は7,500万ドルx2年。
- 2年間のうち、200日以上DLに入れば100万ドルのみ。
- 2年間のうち、DL期間が30日以内なら1,500万ドルをフルでもらえる。
- DL入りの期間が30日増えるごとに、$10M, $5M, $3M, $1Mへと減っていく。
そのような契約のようですね。ちょっとオフィシャルの情報を待ちたいとは思います。
仮にそうなら、かなりWIN-WINではないかと思います。クラブ側にリスクヘッジが効いているということは、ベテラン投手にとっては、障壁が下がってチャンスが広がります。モートンにとっては所得税の支払いもこの方が楽かと思います。これはCPAではないので、はっきりとは言えませんが。
チャーリー・モートンの略歴
1983年11月3日生まれのチャーリー・モートンは、現地2018年12月12日現在で35才になったばかり。2002年アマチュアドラフトでブレーブスから3巡目で指名されたモートンは、2008年6月8日にメジャー・デビュー。
簡単にチーム履歴を上げますとこのような感じです。
- 2008 : ATL ( 1年 4勝8敗 ERA .333)
- 2009-2015: PIT (7年 41-62 ERA 4.39)
- 2016 : PHI (1年 1-1ERA 4.15)
- 2017-2018: HOU (2年 29-10 ERA 3.36)
今回、よい契約を結べた要因は一重に直近2年のパフォーマンスがキャリアの中で最もよかった、つまり年を経るごとに旨みが増して行っているというところが評価されてのことだと思います。勝利数のキャリアハイが2018年の15勝ですから納得ですね。ERA 3.13もキャリアハイです。
かつてはロイ・ハラデーのコピーなどと揶揄されましたが、しっかりと自分のものにしたということですね。今ではハラデーのフォームではなく、モートンのフォームです。
レイズは2019もオープナーを多用
ケビン・キャッシュ監督は2019も先発をショートイニングだけ起用するオープナーの使用を明言。しかも多用するとまで。今回、モートンが入ったことで少なくともブレーク・スネルとの2枚看板は出来ているわけですので、少しはリリーフ陣の休養につながるかもしれません。
なお、トップ・プロスペクトでトミー・ジョン手術リハビリ中のブレント・ハニーウェル(Brent Honeywell )とホセ・デレオン( Jose De Leon)の2人が夏ごろローテに加わる見込み。ローテーションが厚くなるレイズでした。
J.A. ハップはヤンキースと再契約
WM3日目にもっとも早く伝わったディール決定のニュースはこの件でした。
パトリック・コービンの獲得に失敗したヤンキースは、FAとなっていたJ.A.ハップ(J.A. Happ )と再契約。金額の詳細は出ておりませんが、2年+3年めはクラブ・オプションとの情報です。
1982年10月19日生まれのハップは来季は36才のシーズンです。通算109勝。2016年にはキャリアハイの20勝4敗を上げております。
ベテランではありますが、2018年はブルージェイズ、ヤンキース2チームで17勝6敗。トレードデッドランでヤンキースに移ってからは11試合で7勝0敗と非常に頼りになる存在。
このベテラン・サウスポーと再契約しない手はないと思っていたので、決まってよかったです。
ヤンキースはセベリーノ→パクストン(LHP)→田中投手→サバシア(LHP)→ハップ(LHP)という・・・・相当、強いローテーションではありませんか!!
タナー・ロアークがレッズへトレード
ナショナルズのローテーション右腕タナー・ロアーク(Tanner Roark)は今オフ調停の年で、ひょっとしたらノンテンダーかという噂もあったのですが、トレードが決まりました。
32才になったばかりで、通算64勝54敗。キャリアハイは2016年の16勝10敗。WBC2017で日本戦に先発した右腕ですね。
2018年は9勝15敗、ERA 4.34と内容が悪化してしまいましたが、ファストボールがほぼシンカーという、打者に対して厄介なボールが特徴なので、まだまだ活躍できます。それよりナッツがローテーションから彼を外したのは勿体ない気がします。
レッズからナショナルズへはタナー・レイニー
レッズからナショナルズへはタナー・レイニー(Tanner Rainey)、25才の右腕が移籍します。タナー・レイニーは2018年、リリーフで8試合、7イニングに登板、奪三振7。100mph近いファストボールとスライダー、チェンジアップを操ります。4月にデビューして7月にマイナーに落ちました。落ちた要因は7イニング、被安打13、四球12、被本塁打4の内容の悪さ。進歩するかどうか。怪我などはなさそうです。
ジェウリス・ファミリアがメッツへ復帰
メッツはまだコンファームしていない情報ですが、ファミリア(Jeurys Familia)がメッツへ復帰します。3年3,000万ドル。
2018年のトレードデッドランで突如、アスレチックスへ移籍となったファミリアですが、やはり戻しました。2018試合は2チームで70試合に登板。
マリナーズから、エドウィン・ディアスを獲得しているメッツは彼をセットアップとして起用することを考えているようです。
ランス・リンはレンジャーズへ
ヤンキースからFAとなっていたランス・リン(Lance Lynn)はレンジャーズと3年3,000万ドルで合意しております。
2019年32才となるランス・リンは2018年のシーズン3月にツインズと契約。ツインズでは7勝8敗、ERA 5.10。トレード・デッドラインでヤンキースに移籍。ヤンキースでは11試合、9スタート、3勝2敗、ERA4.14。
レンジャーズではローテーションの柱の1人として期待されております。通算82勝57敗 ERA 3.57。
LAAがジャスティン・ボーアを獲得
フィリーズからノンテンダーFAとなっていた1Bのジャスティン・ボーア( Justin Bour)はエンゼルスと1年250万ドルで合意です。
1B、DHにアルベルト・プホルズがいて、大谷選手は2019年は打者専念です。1Bのバックアップでしょうか。
DET、ジョーディー・マーサーを獲得
パイレーツからFAとなっていたSS、2Bのジョーディー・マーサー( Jordy Mercer )はタイガースが獲得。1年525万ドルです。
来季32才を迎えるベテランSSはパイレーツ内野陣を引っ張る存在でした。OBPが.300を見込めるだけに、ちょっとパイレーツはもったいないなと思います。
ブルワーズがジミー・ネルソンと再契約
ブルワーズは調停を避け、右腕ジミー・ネルソン(Jimmy Nelson)と再契約しました。370万ドル。
ジミー・ネルソンは2017年9月8日の登板後、肩痛を発症。そのまま手術となり、2018年は登板はありませんでした。2017年は12勝6敗と良い活躍を見せていただけに、復帰が待ち遠しいです。
情報
クレイグ・キンブレル
キンブレルの周辺がヒートアップしております。6年1億ドルを目安に2チームが争っている模様。
ブライス・ハーパー
1日目はフィリーズ、ヤンキース、ホワイトソックス、ジャイアンツに加え、ドジャースの名前も。ドジャースはプイーグとのトレードも考慮。3日目はNYYキャッシュマンGMがハーパーへの強い関心を示す。代理人ボラスがどう出るか。
マニー・マチャード
ヤンキースがリード、フィリーズ、ホワイトソックスと続く状況かと。3日目は目立った動きなし。
デービッド・ロバートソン
1日目と変わらず。メッツ、レッドソックス、ドジャースほか6チーム。ただ、メッツが非常に熱心だとのこと。3日目も動きなし。
ノア・シンダーガード
1日目はパドレスが以前強い関心を抱くものの、メッツは2019年のトレードのキーマンとして置いておきたい模様と書きました。しかし2日目はヤンキースが参戦。メッツ、マーリンズ、ヤンキースの3球団で動くかもしれません。アンドゥハーをカードとして用意するというNYYです。
ソニー・グレイ
1日目:パドレス、ヤンキース残留か。2日目:シンダーガード、リアルミュートのトレードの渦に巻き込まれそうな予感。したがって、メッツ、マーリンズも候補です。
マディソン・バンガーナー
フィリーズ、ブルワーズ、ヤンキース、ブレーブスが関心。2日目は動きは目立ちませんでした。
D.J. ルメイユ
WMに入って名前が上がってまいりました。ドジャース、ナショナルズほか。この選手がマーケットの動きを加速させるかもしれません。2日目は目立ちませんでした。
J.T.リアルミュート
メッツがリード。次にブレーブス、ヤンキース。その次のグループがフィリーズ、アストロズ、ドジャース、パドレス。3日目はレッズも参戦。トレードにバーンハートを用意とのこと。
ダラス・カイケル
ヤンキース、レッドソックス、ナショナルズ、フィリーズ、レッズ
レッドソックス
クローザー候補にロバートソン、オッタビーノ、クレイグ・キンブレル(再)、ジョー・ケリー(再)、ジェウリス・ファミリア、ケルビン・ヘレイラ、アンドリュー・ミラー、ザック・ブリットンなど。
クレイグ・キンブレルに関してはGMは明言は避けているものの、かなりの強い手応えを感じている模様。再契約なりそうな予感。動きは目立ちませんでした。
2日目、コーラ監督は2019はリードオフにベニンテンディー、2番にベッツを起用するプランを報道陣に漏らしました。
3日目、キンブレルへの大型契約提示はBOSか。ジョー・ケリー痛恨の移籍。JBJが狙われています。
ヤンキース
マチャード、ハーパーのエージェントとコンタクト。リアルミュート、マディソン・バンガーナー、スクーター・ジェネットの名前も。
カードとして、3Bのミゲル・アンドゥハー、Cのゲイリー・サンチェスのトレードもあり得ると示唆。やる気満々です。
メッツ
Cにリアルミュート、ウィルソン・ラモス。ヤンキース、マーリンズとの3角でなにかやるのか?カブスのシーシェックもターゲット。
ブルージェイズ
マイク・ファイヤーズ、ケンダール・グレイブマンに関心。マーカス・ストローマン、アーロン・サンチェスに対して複数のクラブからオファーが合ったことを明かす。2日めはトゥロのリリースに尽きます。3日目は大きな動きなし。
レイズ
ネルソン・クルーズに強い関心。
インディアンス
エンカーナシオンもトレードの候補として考える。2日目はバウアー、クルーバーに新たな情報なし。
ツインズ
WM前にC.J.クロン(レイズをDFA)、ジョナサン・スコープと契約済み。ネルソン・クルーズを候補に。
ホワイトソックス
ホセ・アブレイユはトレードに加えたくないという考えを示す。ハーパー、マチャード、リアルミュートとかなり積極的。2日目、ネルソン・クルーズにも参戦。
2日目、パイレーツからローテーション右腕、イバン・ノヴァを獲得。
マリナーズ
エンゼルスからウェーバーとなっていた26才の内野手、カレブ・コワート(Kaleb Cowart )をピッチャーと内野手の2WAYで使うプランあり。関心があるのは菊池投手。ソニー・グレイに参戦。
ブレーブス
ダラス・カイケルに関心。ブライアン・マッキャンのコネクションを使っている。リアルミュートにも参戦しております。ソニー・グレイにも参戦。
フィリーズ
マッカッチェンを獲得。ハーパー、マチャードをはじめ、ザック・ブリットン、リアルミュートと有名どころをほぼカバー。
カージナルス
ザック・ブリットン、アンドリュー・ミラーなど左腕ブルペンに関心。
カブス
ブルペン獲得をプラン。
ブルワーズ
ダニエル・マーフィーに関心。2日目、ウィルソン・ラモスにも参戦
パイレーツ
RHPジョーダン・ライルズを獲得。
レッズ
ダラス・カイケル、リアルミュート。マット・ハービーが交換要員として考えられている。
ドジャース
1日目、ケンプ、プイーグ、ジョク・ピダーソンをトレード要員として考慮。狙っているのはコーリー・クルーバー、J.T.リアルミュート。3日目、交換要員としてのプイーグというカードは現実味を帯びそう。増えるのは交換要員の名前で、LHPのアレックス・ウッドもその1人に。そして、なんとコーディ・ベリンジャーの名前も。
パドレス
オフの雄、パドレス。ソニー・グレイ、リアルミュート、ノア・シンダーガードマーウィン・ゴンザレスをターゲット。
お読みいただき、ありがとうございました。
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