特殊なシーズンのタイトルホルダー
突然のスプリング・トレーニング中止から始まり、意地の張り合いとなった労使交渉、60試合、クラブ内アウトブレイク、無観客、短縮版ドラフト、オールスターなし、健康理由によるオプトアウト、拡大ポストシーズンなど実に様々なことが起こったMLBの2020レギュラー・シーズン。
この特殊なシーズンに、しっかりと準備し、結果を出したツワモノ達を主要タイトルとともにまとめてみたいと思います。
ピッチング
まずは投手部門です。両リーグ通じては、シェーン・ビーバーの年でしたね。最多勝、ERA、奪三振リーダーでトリプルクラウンとなりました。
WINS
【AL】 | 1.シェーン・ビーバー CLE:8 2.ゲリット・コール NYY:7 2.マルコ・ゴンザレス SEA:7 4.ディラン・バンディー LAA: 6 を含め8名 |
【NL】 | 1.ダルビッシュ有 CHC:8 2.ザック・デイビーズ SDP:7 2.マック・フリード ATL: 7 |
今季が始まる前に、ゲリット・コールの右に出る投手がいると、誰が予想できたでしょうか?もちろん、活躍の期待される投手が多数いたことは確かですが、シーズン遅延により調整が難しく、間に合ったとしても本調子とは言えない投手も多かった中、シェーン・ビーバーは実に素晴らしかったですね。マリナーズのマルコ・ゴンザレスも今季はいい結果を出しましたね。
ナ・リーグはダルビッシュ投手が最多勝。おめでとうございます!後半、カブス打線がもう少し打ってくれればというゲームもありましたが、それでも1位を獲ったのはさすがですね。
ERA
【AL】 | 1.シェーン・ビーバー CLE:1.63 2.ダラス・カイケル CWS:1.99 3.クリス・バシット OAK:2.29 |
【NL】 | 1. トレバー・バウアー CIN:1.73 2.ダルビッシュ有 CHC:2.01 3.ディネルソン・ラメット SDP: 2.09 4. ジェイコブ・デグロム NYM: 2.38 |
東地区で唯一入ったのがジェイコブ・デグロム。彼がずっとここ2年ほど支配していた部門でしたが、今季はシェーン・ビーバーとトレバー・バウアーが獲りました。ダルビッシュ投手も素晴らしい数字です。
SO
【AL】 | 1.シェーン・ビーバー CLE:122 2.ルーカス・ジオリト CWS:97 3.ゲリット・コール NYY:94 |
【NL】 | 1. ジェイコブ・デグロム NYM: 104 2.トレバー・バウアー CIN:100 3.アーロン・ノラ PHI: 96 4. ダルビッシュ有 CHC:93 4. ディネルソン・ラメット SDP: 93 |
奪三振でもシェーン・ビーバーが圧倒しました。むしろこの指標がもっともシェーン・ビーバーらしいスタッツだったかもしれません。左打者の足首を壊しそうなアンクル・ブレーキング・カーブは効きましたね。メッツのデグロムは今季100mphを連発。それが奪三振数に表れましたね。
WHIP
【AL】 | 1.前田健太 MIN:0.75 2.シェーン・ビーバー CLE:0.87 3.マルコ・ゴンザレス SEA:0.95 |
【NL】 | 1. トレバー・バウアー CIN:0.79 2. ディネルソン・ラメット SDP: 0.86 3.ジェイコブ・デグロム CIN:0.96 |
前田健太投手がAL WHIP リーダーとなりました。おめでとうございます。
セーブポイント
【AL】 | 1.ブラッド・ハンドCLE:16 2 ライアム・ヘンドリクスOAK:14 3.アレックス・コロメ CWS:12 3. ライアン・プレスリー HOU: 12 |
【NL】 | 1.ジョシュ・ヘイダー MIL:13 2. ブランドン・キンツラー MIA : 12 3.ケンリー・ジャンセン LAD: 11 3. マーク・マランソン ATL: 11 |
ア・リーグはインディアンスのブラッド・ハンドが獲りました。ライアム・ヘンドリクスはポストシーズンでも期待大ですね。ナ・リーグはジョシュ・ヘイダーが獲得。どこまでノーヒット・ピッチングを続けるのかと思わせるほど好調でした。
IP(イニング・ピッチド)
【AL】 | 1.ランス・リン TEX:84.0 2 シェーン・ビーバー CLE:77.1 3.アーロン・シバーリCLE:74.0 4. ゲリット・コール NYY: 73.0 |
【NL】 | 1.ヘルマン・マルケス COL:81.2 2. カイル・ヘンドリクス CHC : 81.1 3.ダルビッシュ有 CHC: 76.0 3. ブランドン・ウッドラフ MIL: 73.2 |
今季の働き者は、レンジャーズのランス・リンに。ナ・リーグはカイル・ヘンドリクスがずっとリードしていましたが、最後に1アウト差でロッキーズのヘルマン・マルケスが獲りました。
バッティング
打撃部門はなんと言っても史上最年少でバッティング・タイトル(打率)を獲ったフアン・ソトですね。
AVG.
【AL】 | 1.DJ・ルメイヒュー NYY:.364 2 ティム・アンダーソンCWS:.322 3.デービッド・フレッチャーLAA:.319 4. ホセ・アブレイユ CWS: .317 |
【NL】 | 1.フアン・ソト WSH:.351 2. フレディー・フリーマンATL : .341 3.マーセル・オズーナATL : .338 4. トレイ・ターナー WSH: .335 |
ルメイヒューの高打率ぶりがすごいです。ティム・アンダーソンは安定していますね。悪球打ちで驚かせたエンゼルスのフレッチャーが3位に。
ナ・リーグはソトに尽きます。フリーマン、オズーナはこの後の指標でも好結果。開幕から数週間にわたって4割を期待させたチャーリー・ブラックモンは.303に落ち着きました。
HR
【AL】 | 1.ルーク・ボイト NYY:22 2 ホセ・アブレイユ CWS: 19 3.ホセ・ラミレス CLE: 17 3. マイク・トラウト LAA: 17 5. ネルソン・クルーズ MIN: 16 5. テオスカー・ヘルナンデス TOR: 16 |
【NL】 | 1.マーセル・オズーナATL : 18 2. フェルナンド・タティス・ジュニアSDP : 17 3.ピート・アロンソNYM : 16 3. ムーキー・ベッツLAD: 16 3. コール・カルフーン ARI: 16 3. アダム・デュバル ATL: 16 3. マニー・マチャード SDP: 16 3. AJ・ポロック LAD: 16 |
ア・リーグはルーク・ボイト。ジャッジ、スタントンというチーム内のライバルを差し置いてよい数字を残しました。
ナ・リーグはフェルナンド・タティス・ジュニアが逃げ切れませんでした。ブレーブスはオズーナを獲って正解でしたね。アロンソがしっかり3位につけていました。
RBI
【AL】 | 1.ホセ・アブレイユ CWS: 60 2. ルーク・ボイト NYY:52 3.ホセ・ラミレス CLE: 46 3. マイク・トラウト LAA: 46 5. ラファエル・デバース BOS: 43 |
【NL】 | 1.マーセル・オズーナATL : 56 2. フレディー・フリーマン ATL: 53 2. マニー・マチャード SDP: 47 4. フェルナンド・タティス・ジュニアSDP : 45 5.チャーリー・ブラックモンCOL : 42 5. ドミニク・スミス NYM: 42 |
ここはHR数と比例する部門でもあります。ホワイトソックスのホセ・アブレイユがダントツでしたね。オズーナは主要指標で2冠。
Hits
【AL】 | 1.ホセ・アブレイユ CWS: 76 2. DJ・ルメイヒュー NYY:71 3.ウィット・メリフィールド KCR: 70 4.ティム・アンダーソン CWS: 67 5. デービッド・フレッチャー LAA: 66 |
【NL】 | 1.トレイ・ターナー WSH :78 2. マーセル・オズーナ ATL: 77 3. フレディー・フリーマン ATL: 73 4. マニー・マチャード SDP: 68 4. トレバー・ストーリー COL : 68 5.チャーリー・ブラックモンCOL : 67 |
ロイヤルズのメリフィールドはさすがですね。3位に入りました。NLはずっとトレイ・ターナーがリードしていて、逃げ切りましたね。それにしてもオズーナはすごい。
OPS
【AL】 | 1. DJ・ルメイヒュー NYY:1.011 2. ホセ・ラミレス CLE: .993 3. マイク・トラウト LAA: .993 |
【NL】 | 1.フアン・ソト WSH:1.185 2. フレディー・フリーマンATL : 1.102 3. マーセル・オズーナATL :1.067 |
マイク・トラウトの牙城でしたが、今季はルメイヒューが獲りました。ソトはOPSでもタイトルですね。それにしてもここでもマーセル・オズーナは強い!
SB(盗塁)
【AL】 | 1.アダルベルト・モンデシー KCR: 24 2. マニュエル・マーゴット TBR:12 2.ウィット・メリフィールド TBR: 12 2. ディラン・ムーア SEA: 12 |
【NL】 | 1.トレバー・ストーリー COL : 15 2. ロマン・クイン PHI: 12 2. フェルナンド・タティス・ジュニアSDP : 12 |
ラウル・モンデシーの息子、アダルベルトがタイトルを獲りました。マーゴットが大健闘。メリフィールドは今季は今一つ伸びませんでしたね。
OBP
【AL】 | 1.DJ・ルメイヒュー NYY:.421 2 アンソニー・レンドンLAA:.418 3. ネルソン・クルーズ MIN .397 4.マイク・トラウト LAA::.390 5. マーク・カナ OAK: .387 |
【NL】 | 1.フアン・ソト WSH:.490 2. フレディー・フリーマンATL : .462 3.マーセル・オズーナATL : .431 4.ブライス・ハーパー PHI: .420 5.ポール・ゴールドシュミット STL: .417 |
ルメイヒューの驚異的な出塁率には驚きます。今季はパワーヒッターがことごとくランクインしているのが興味深いです。
Runs Score
【AL】 | 1.ティム・アンダーソン CWS: 45 1. ホセ・ラミレス CLE:45 2.ホセ・アブレイユCWS:43 |
【NL】 | 1.フレディー・フリーマン ATL: 51 2. フェルナンド・タティス・ジュニアSDP : 50 3. ダンスビー・スワンソンATL : 49 |
チャンスメイクしていたのは誰か?とも言える指標ですね。
以上、主要なタイトルがメインでしたが、なかなか特徴的なシーズンだったと思います。マーセル・オズーナはMVP投票はかなり上にきそうです。4位以下ならちょっと見立てがおかしいと思ってしまいますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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