2015 サイ・ヤング左腕
すでに夜中にニュースが流れてきましたが、ここでも記載しておきます。
現地2022年5月28日、シカゴ・ホワイトソックスはローテーション左腕のダラス・カイケルをDFAとしました。ダラス・カイケルは2015年(当時アストロズに在籍)に20勝5敗でサイ・ヤング賞を受賞した左腕です。
ラフ・スタートが頻発していた
ダラス・カイケルの直近の登板は現地2022年5月26日のレッドソックス戦。このゲームはレッドソックスが16-7と完勝したのですが、その要因となったのがカイケルの乱調。ダラス・カイケルは2イニングで55球を費やし、被安打7、失点6、BB2、SO4、HR2とゲームを作ることが出来ませんでした。
カイケルのラフ・スタートは今季3度め
現地2022年5月28日時点で、ダラス・カイケルは8試合に先発しているのですが、このうちゲーム序盤で崩れたラフ・スタートが3度もあります。
- 4/20 @CLE: 1.0IP/ 10 Hits/ 10 Runs(10 ER)/ BB1/ SO0/HR1
- 5/21 @NYY: 4.0 IP/ 6 Hits/ 6 Runs (6ER)/ BB3/ SO0/HR1
- 5/26 vs BOS: 2.0 IP/ 7Hits/ 6 Runs (6ER)/ BB2/ SO4/ HR2
上述のレッドソックス戦でのラフ・スタートは2試合連続だったのです。カイケルが投げると、ゲームが崩れてしまうというのが続けばさすがにフロント・オフィスも考えざるを得ないところですが、シーズンの1/4を消化した時点での決断は「早いな!」と驚くばかりです。
今季のここまでの成績は、8試合、32.0IPでERAは7.88。S09/BB9ともに5.6、HR9は1.7、H9は13.8。もともととびきりボールが速い訳ではないので、被安打数は多い投手。サイ・ヤング賞を獲得した2015年においても7.2。カイケルの場合、せめて一桁に納めたいところではあります。
現契約
ダラス・カイケルの現契約は2019年12月にホワイトソックスとサインした時のものです。
- 3年/$55.5M (2020-22) + 2023 $20MクラブOpt($1.5Mバイアウト)
- 支払い:$18M(2020-2022)
2023年のクラブオプションはカイケルが2022年終了後にフィジカル的に問題がないこと、そして直近2年の2021-22シーズンに320IP超え、このうち2022年に160IPは超えておかなければならないという設定がされていました。もう、これはべスティング・オプションのようなものですね。
2022年が崩れた時点で当然オプションには該当しなくなるのですが、2021年は162.0IPを達成していました。よって、もし同じペースであればオプションの成績の部分はクリアーしていたかもしれません。それも数字があってのことということですね。
カノーと同じパターンが予想される
ダラス・カイケルの$18Mサラリーを日割りにすると、今季の残額は $14,456,044という数字が出ています。これはバイアウトの$1.5Mも入った数字です。
もし、カイケルをトレードやウェーバーでクレームオフしてしまうと、新しいクラブがカイケルの残額を負うことになるため、それは見送られるでしょう。リリースとなり、FAとなると、新しいクラブがメジャー最低年俸(今季は$0.7M)の日割り分で契約することになります。
そしてホワイトソックスは残額を負う義務が残ります。
手を上げるクラブは出てくる
おかしなもので、DFAからリリース、そしてFAとなって、次のクラブに入るときっちりと稼働するケースがあります。これは不振期間がDFAにより断ち切られ、この7日以上空く期間で体調面や精神面でなんらかのリセットが行われるゆえと筆者は推測しています。あとは、追い込まれた感もあるでしょう。選手寿命に関わるような怪我を持っているならそれは難しいですが、そうでないと少なくともDFA前よりはいい成績になったりします。
左腕で長いイニングを投げる投手が欲しいクラブはありますので、おそらく次の所属先は決まると思います。
34才
ダラス・カイケルは1988年1月1日生まれで現時点で34才。年齢的には微妙ではありますが、腕に怪我がなければ上述のようにチャンスが生まれてくる投手。
ドラフトは2009年のアストロズの7巡目指名。デビューは24才の時で、2012年6月です。
ここまで通算成績は、101勝87敗、ERA は3.86。サイ・ヤング賞を獲った2015年には232.0イニングに登板。短縮シーズンとなった2020年は6勝2敗でサイ・ヤング賞5位の得票。
打たせて取る投手の真骨頂とも言うべく、ゴールドグラブ賞は5度受賞していました。
次はいい結果が出ればと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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