MLB打撃指標の1つ、OPS
こんにちは(^-^)
MLBのバッターの成績を見る際に、よく出てくる指標、OPSについてご説明させていただきます。
OPSとは??
OPS = On-base plus slugging
On-Baseとは、ベースの上にいる、つまり「出塁」ということで、Slugging は 「長打」。
OPSの計算式
OPSの計算式は、出塁率と長打率を足した簡単なものです。
OPS = OBP + SLG
当然のことながら、先にOBPとSLGを出していないと計算できない数字です。
OPSで何がわかるの?
OPSは、「出塁(OBP)」と「長打(SLG)」に関する指標!ということですが、ではこのOPSで何がわかるのか?
OPSは打率や打点という従来の打者の指標よりも、さらに得点との相関関係がわかる数字だということです。
もっと平たく言えば、OPSの高い選手ほど、得点につながりやすい働きをしているということなのです。
■OPSの目安の数字は??
では、OPSの数字の目安は?というと、以下のようになります。
メジャーリーグでは一般にOPSが
- .800を超えれば一流
- 900を超えるとオールスター級
- 1.000を超えると球界を代表する強打者
というふうに言われています。
2009年の数字では?
2009年のMLBの数字では、以下の通りです。
- 全選手の打撃成績を合計した際のOPSは.751。
- リーグ別では、DH制有りのア・リーグが.763、
- DH制無しのナ・リーグが.739。
2012シーズンOPS (現地2012年4月26日時点)
まだシーズンが始まったばかりですが、現時点でのレギュラー・シーズンのOPSランクはご覧の通りになっています。
- マット・ケンプ(LAD): 1.455
- ジョシュ・ハミルトン(TEX):1.170
- コーリー・ハート(MIL): 1.154
- デービッド・オルティズ(BOS): 1.141
- ジョシュ・ウィリンガム(MIN): 1.114
レギュラー・シーズンが始まったばかりなので、上位は皆1.000を超えています(^.^)
【現役通算OPSランキング】 現地:2012年4月26日現在
現地2012年4月26日時点での現役選手の通算OPSランキングも記しておきます。
- マニー・ラミレス : .996 (OBP. 411 + SLG .585)
- A・ロッド : .951 (OBP. 386 + SLG .566)
- P・フィルダー : .927 ( OBP. 389 + SLG .538)
- D・ジーター : .834 ( OBP. 383 + SLG .450)
- 松井秀喜選手 : .830 (OBP .363 + SLG .467)
- イチロー選手 : .791 (OBP .369 + SLG .421)
【引退した名選手の通算OPS】
- J・ディマジオ(ホームラン:361):.977 (OBP .398 + SLG .579)
- ハンク・アーロン(ホームラン:755):.928 (OBP .374 + SLG .555)
- P・ローズ (4256安打):.784 (OBP .375 + SLG .409)
- W・ボッグス(3010安打):.858 (OBP .415 + SLG .443)
まず日本人メジャーリーガーの通算のOPSを見ると、松井選手のOPSは.830で、かなりいい数字です。内訳を見ると、SLGではジーターを上回っているのですが、打撃スタイルの関係で、OBP(出塁率)はジーターより低いので、結果OPSは.830 。8割を超えているので、一流という目安ができます。
イチローとピート・ローズはなぜOPSが高くない?
ところが、イチロー選手のOPSを見ると、一流選手の目安である8割に届かず、.791しかありません。
なぜでしょうか?
それは、安打が多くてOBP(出塁率)が高くても、単打(シングル)が多いので、OPSのもう一つの構成要素であるSLG(長打率)が伸びないのです。
同じような安打名人のピート・ローズはどうかというと、.784で、8割に届いていません。やはりSLGが響いているのです。
長打力のある選手のOPSと、安打数を稼ぐ選手のOPSは実際の評価とは開きがあると言えます。
数字はやはり一つの指標に過ぎないということでもあるわけです。マニー・ラミレスやA・ロッドのOPSを見ると、長打力のある選手のOPSは高い傾向にあることがわかります。
さらに、この二人は長打だけでなく、単打もうまく打てるタイプです。打者としてバランスが取れており、一発か三振かというようなタイプでないのがポイントです。
同じように、ウェイド・ボッグスもバランスの取れた打者です。当然のことながら、こういうバランスの取れた選手のOPSは高くなります。
極端なホームラン・バッター、ハンク・アーロンのOPSはどうかというと、.928 が出ています。MLB史上ナンバーワンのホームランバッターですから、OPSは高くて当たり前ですね(^.^)
まとめ
OPSについてまとめてみます。
- OPSは打者の得点との相関関係を見る指標である。
- 平たく言えば、打者が得点にどれくらい絡んでいるかを見る指標
- OPSの目安は、8割。
- .800を超えれば一流、
- .900を超えるとオールスター級の優秀な打者、
- 1.000を超えると球界を代表する強打者
- 打者の実像を必ずしも完璧には反映しているとは言えない。
- (理由)
- SLG(長打率)が入っている関係で、
- 長打力のある選手のOPSは、高くなる傾向がある。
- 安打数の多い選手は、単打が多いのでOPSは上がらない。
- 超一流の選手でもOPSは8割を切ることがある。
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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