あらためて考えると不思議なサークル
皆さんはフェンウェイ・パークのバッターボックス横の2つのサークルは何のか?ご存じでしょうか?
黄色い矢印でマークアップさせていただいたいる2つのサークルのことです。
ネクストバッターズサークルにしては危なすぎる位置にあり、実際に選手はベンチ前のアンツーカーのダートで準備しています。
かと言って他に代替案もないので、100年以上経過した球場だし、昔の名残でこうなっている、つまりネクストバッターズサークルが昔はここにあってその名残で伝統として置いている・・・そういうふうな都合のよい解釈をしておりました。
この案の矛盾点は昔もこんな位置にネクストがあれば危ないだろう!という点を払拭できていない点です。
いろいろ調べました。
フェンウェイ・パーク側がこれが正解ですという回答を出しているわけではないので、機能面から考えるしかないのですが、この2つのサークルはこれです。
ファンゴ・サークル(Fungo Circle)
ファンゴ(fungo)とは不思議な響きの言葉ですが、動詞で「ノックする」という意味です。名詞では「ノック」、「テキサスヒット」、「内野安打」など。
つまり、ノックするためのサークル。
バッティング・プラクティスの時に打球が飛んでこない選手に向けてノックしたりするのですが、そのためのサークル。
説としてはこれが有効なのではないかな?と思います。
今はファンゴ・サークル用のマットなどもありますので、芝生の上にそれを置いてノックしていることが多いと思います。打つ場所も自由に変えられますし。
あくまでファンゴ用のサークルがあってのことだと思うのですが、かつてはこんな使われ方をしていたことがありました。
先発投手のお披露目ブルペン
1900年初頭から1970年代前半の頃のことです。
まだ投手の分業制が確立しておらず、先発投手が完投するのが当たり前だった時代のお話です。
先発投手はゲーム前、まるでお披露目でもするようにバックネット方向に向かって投球練習をしていたのでした。
例えば、下記はフェンウェイの写真ではありませんが、このような感じで投球練習を行っておりました。1913年だと相当古いですが、位置関係がわかりやすいので貼らせていただきました。
下の動画では一瞬だけですが、一塁側と三塁側で投球練習している様子が伺えます。(開始位置で調整しておりますが、再度ご覧になりたい場合は開始0:19です。)
1951年ワールドシリーズ。ジャイアンツVSヤンキースで場所はポロ・グラウンズです。
結論
フェンウェイ・パークのバッターボックス横にある2つのサークルは基本的にはファンゴ・サークルという認識でよいかと思います。
また、かつては先発投手が1試合投げきることが多かったので、ゲーム前のお披露目のような意味合いで先発投手が投球練習していたこともあった。
基本的には芝生を守る目的でノックなり、投球練習などを行っていた。柔軟に使い分けていたように思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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