メキシコ 5 @ 6 日本(9回裏サヨナラ勝ち)
2023年3月20日、侍ジャパンはいよいよマイアミの地に降り立ち、世界に日本野球の強さを見せつける時が来ました。日本では日付が変わり、3月21日午前8時のプレーボール。この日は春分の日ゆえ、準備万端でモニタの前に座っておられた方も多かったと思います。
強いメキシコ vs 強い侍ジャパン
対戦相手はPoolC1位のメキシコ。1次ラウンドでは初戦でコロンビアを相手に延長の末、4-5で敗れたものの、それ以降は無敗。アメリカにも11-5で大勝し、準々決勝では強国プエルトリコをも5-4のスコアで下しました。
一方、侍ジャパンも準々決勝までは投打にわたり堅牢な強さを披露。大谷選手、佐々木朗希投手、ダルビッシュ投手というスーパー・パワーを擁しつつ、メジャー・レベルのヌートバー選手、吉田選手そしてNPBで活躍する選手達が素晴らしい仕事をしており、他国に見え隠れする穴らしきものがほぼ見当たりません。
ここからはレベルがグンと上がる!
今回の対戦相手はメキシコとなりましたが、戦前からわかっていたことは準決勝からの2試合は対戦相手のレベルがグンと上がるということ。
バリバリのメジャーリーガーを相手に、NPBで活躍する選手たちが投手なら一発の怖さ、打者なら動くボールにどのように対応するのかに注目しておりました。
スタメン
そんな侍ジャパンですが、準決勝のマウンドには100mph右腕の佐々木朗希投手を上げてきました。4番は吉田選手、2Bはベテラン山田選手。
Japan’s starting lineup tonight 🇯🇵👀
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) March 20, 2023
📺: MEX vs. JPN at 7pm ET on FS1,Coverage begins at 6:30pm ET 🍿 pic.twitter.com/r0b6P4kRoH
一方のメキシコの先発は、左腕のパトリック・サンドバル(LAA)でした。スタメンは1番から9番までMLBの選手。要警戒はランディー・アロウザリナ、そしてアイザック・パレデスのレイズ・コンビ。その間に何でも出来るアレックス・ベルドゥーゴ(BOS)、NPB経験のあるジョーイ・メネシス(WSH)がおり、全員一発の要素もあり。小柄なアラン・トレホ(COL)、アレク・トーマス(AZ)もわずかながらそうです。
Mexico’s starting lineup 🇲🇽👀
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) March 20, 2023
📺: MEX vs. JPN at 7pm ET on FS1 pic.twitter.com/U7Xel0wWrw
佐々木投手、ついにアメリカでベールを脱ぐ
日本先発の佐々木投手ですが、噂の100mph右腕がついにアメリカでベールを脱ぎました。佐々木投手は100mphを連発。100mph以上の投球は、1回は4球、2回は9球、3回は4球、4回は5球。この日最速は4回表にアイザック・パレデスに3B後方のポテンヒットを打たれた時の101.9mphで、163.99kmh。
1、2回は4シーム押し、2巡目はカットボールを多めに投げるという配球でした。捕手はヤクルトの中村選手。
MEXのL・ウリアスが先制3ラン
先制点はメキシコ。4回表、2アウトからロウディー・テレーズ(MIL)がシフトの逆をつくLFへのシングル。これはツーシームがバットの先に当たったような当たりでした。つづく、アイザック・パレデスが上述の通り、3B後方へのポテンヒット。
ランナー2人を背負い、ルイス・ウリアス(MIL)に対して2球目のカットボールがハング・カーブのようなボールに。これをLFスタンドにもっていかれ、メキシコが中盤に3点を先制する展開に。
USAデビューとなった佐々木投手は、4回、64球を投げ、被安打5,失点3、BB0、SO3、HR1という成績でした。
【MEX】パトリック・サンドバルが好投
左打者偏重の日本打線に対して起用されたパトリック・サンドバルはエンゼルスで大谷選手とチームメイト。現地2021年7月24日のツインズ戦でニア・NO-NOをやったこともある投手。
この日はアウトコースの変化球のコントロールが良く、特に打ちたいカウントで厳しいコースに投げ、いわゆる投げ間違いのない投球を披露。下手をすれば左打者の餌食になるチェンジアップさえもかなり有効に決まっていました。勇気の投球が輝き、日本打線は沈黙が続きます。
日本は4回裏に2アウト1、3塁のチャンスを作るも村上選手が三振。5回裏には先頭の岡本選手のHRを性の当たりをランディー・アロウザリナがリーピング・キャッチ。
RANDY FUCKING AROZARENA ROBS A HOMER pic.twitter.com/DT4qmCu3eZ
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) March 21, 2023
サンドバルは5回途中で降板。被安打4、無失点、BB1、SO6という素晴らしい投球を披露しました。66球だったので、もう少し粘られると嫌な感じでしたが、1アウト1、2塁となったところで、ホセ・ウルキディー(HOU)にスイッチしました。
さらに2アウト満塁のチャンスで近藤選手がLFへ大飛球を放つも、またしてもアロウザリナに好捕されて無得点。苦しい展開が続きます。
2番手に山本投手を投入
筆者は決勝に山本由伸投手かと思っていたのですが、栗山監督はもう負けたら終わりということで、どんどん良い投手を突っ込んできました。
2023年終了後にメジャー移籍が噂されている山本由伸投手。5回、6回、7回の3イニングを四球2つだけのリズム良い投球を披露。7回は甲斐キャノンの助けもあり(VTR判定)、無失点で切り抜けました。
山本由伸投手は、8回途中で降板。3.1イニングで52球を投げ、被安打3、失点2、BB2、4でした。
ついに捉える!吉田選手が同点3ラン
残塁が続いた侍ジャパンですが、ついに捉えたのが7回裏。これも山本投手の投球があってこそですね。
7回裏、ホセ・ウルキディーにも苦戦していた日本は甲斐選手、ヌートバー選手と倒れて2アウト。しかし、近藤選手がRFへのシングルで出塁。大きかったですね。
ここでメキシコは、左腕のジョジョ・ロメロ(STL)にスイッチ。ロメロは大谷選手に厳しいところばかりを投げて四球。ランナーを溜めてしまいます。ここで日本はRBIキングの吉田選手が登場。吉田選手は2ストライクと追い込まれるも、5球目の膝下のチェンジアップに対応。泳ぎながらもRFポール際に運び、これが同点3ランHR。
日本が終盤7回に一気に同点に追いついたのでした。
【MEX】直後に2点を勝ち越し
ちょっとらしくないプレーが出たのは8回表。同点に追いついた直後に山本投手が失点してしまいました。8回表、メキシコは1アウトからランディー・アロウザリナが強振せず、RFへうまく運ぶ打撃で二塁打を放ち出塁。つづくアレックス・ベルドゥーゴ(BOS)は初球の甘い4シームを左中間に運び、アロウザリナを迎え入れ、連続2塁打で1点を勝ち越し(MEX 4-3 JPN)。ベルドゥーゴの代走にはジャレン・デュラン(BOS)が入りました。
山本投手は元チームメイト、ジョーイ・メネシスにも甘いところに投げてしまい、LF前シングルで1アウト1、3塁のピンチ。
ここで日本は阪神の湯浅投手にスイッチ。湯浅投手はロウディー・テレーズを三振に打ち取り、2アウト。なお、テレーズの打席でパレデスが盗塁を決めたので、ランナーは2、3塁です。
湯浅投手はアイザック・パレデスに対して、4球目のチェンジアップが甘く入ってしまい、三遊間を抜かれてしまいます。これで3Bランナーのデュランが生還し、メキシコがこのイニング2点目(MEX 5-3 JPN)。しかし、2Bランナーは吉田選手がホームでアウトにし、さらなる追加点は防ぎました。
山川選手が犠牲フライで1点差
8回裏、日本はメキシコのブルペンの継ぎ目でもあるヘスス・クルーズ(PHI)を攻めます。岡本選手は死球で出塁。つづく山田選手が三遊間を破るヒットを放ち、ノーアウト1、2塁のチャンス。ここで源田選手が送りバントを決め、1アウト2、3塁としたところで、栗山監督は甲斐選手の打順で代打山川選手を起用。山川選手は、真ん中高めのボールを捉え、LFに犠牲フライを放ち、1点を返します。この打球、上がらなかったですね。日本は1点差。
メキシコはヘラルド・レイエス(LAA-3A)にスイッチ。ヌートバー選手が四球で歩き、2アウト1、2塁で近藤選手の打席でしたが、近藤選手は三振に。最終回の攻撃へということに。
大谷選手が出塁→村上選手がサヨナラ打
9回表、日本は大勢投手をマウンドに送ります。捕手は大城選手で巨人バッテリーとなりました。大勢投手は、2アウトまでテンポ良く奪うも、アレク・トーマスに死球を与え、嫌なランナーを出します。しかし、オースティン・バーンズ(LAD)を三振に仕留め、無失点で最終回の攻撃に。
9回裏、メキシコはクローザーのジオバニー・ガヤゴス(STL)を投入。メジャーのクローザー経験もある投手に対して、日本は大谷選手、吉田選手は対応出来るとして、鍵は村上様の対応でした。
日本は先頭の大谷選手が初球の甘いチェンジアップを左中間に運ぶ2ベースを放ち、同点のランナーに。
ボールも高いガヤゴスはつづく吉田選手に四球。ノーアウト1、2塁でバッターは当たっていない村上選手に。日本は吉田選手の代走に周東選手を起用。
初球の甘い4シームを仕留められなかった村上選手でしたが、この打席は少し力が抜けていたように思えました。姿勢が楽に見えたからです。3球目、甘いスライダーに村上選手が対応。これが左中間のフェンス直撃の2塁打となり、日本は1塁ランナーの周東選手もホームイン。村上選手の底力で見事に6-5のスコアでサヨナラ勝ちを納め、決勝進出を決めたのでした。
【YOUTUBE】WHAT A FINISH!! Team Japan rallies in the bottom of the 9th to beat Team Mexico!
代走周東選手の起用がズバリ
サヨナラの走者に吉田選手を下げて、周東選手を起用した栗山監督の采配がズバリ当たりました。セオリーとは言え、この起用はしびれましたね。
また周東選手の足が速すぎて、スライディングしたのが2塁ランナーの大谷選手かと見誤ったほど。
日本、強いです。
いよいよUSAとファイナル
これでファイナルに進んだ日本はいよいよUSAと決選です。打線はすごいですが、投手陣に穴があります。8回のデビン・ウィリアムス、9回のライアン・プレスリーに持ち込むまでにリード出来るかどうかがポイント。
アメリカはそうはさせじと強力打線が序盤から攻勢をかけてきそうです。
日本は先発が決まっている今永投手を筆頭に、どんどん良い投手をつぎ込んできそうです。アメリカはムーキー・ベッツ、マイク・トラウト、ポール・ゴールドシュミット、ノーラン・アレナドと右のスラッガーが多い中、どういう投球で凌ぐのかがポイント。
宮城投手、高橋奎二投手という左のいい投手も残っていますし、髙橋宏斗投手、伊藤大海投手、そしてリーサル・ウェポンの山崎颯一郎投手の登板もあるのか?さらに、ダルビッシュ投手、ひょっとして大谷投手の登板もあるのか、見ものです。
見逃せませんね。しかし、多くの読者の方と同様、筆者には仕事が・・・。残念でなりませんが、決勝の時間には現場で仕事に従事してくれている人もいるわけで・・・。スマホでこっそり、アマゾンプライムを見つつ、応援したいと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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