マイリーのディールとアレナドの年俸
現地2019年1月31日はローテーション左腕のディールとノーラン・アレナドの高額年俸が話題になっておりました。
まずはディールの決まったウェイド・マイリーのお話からです。
ウェイド・マイリー、アストロズと1年で合意
ミルウォーキー・ブルワーズからFAとなっていた左腕のウェイド・マイリー( Wade Miley )がアストロズと1年で合意しました。
サラリーは450万ドル、プラスインセンティブ50万ドル。
こちらはアストロズがまだコンファームを出しておりませんが、合意なのは間違いないようです。
ブルワーズにとってマイナス
ローテーションを強化すれば前年よりも楽にペナントを獲れる実力をもつブルワーズ。
W・マイリーはFAで出て行くことが前提だったとしてもちょっと勿体ないディールでしたね。
2012年、Dバックス時代に16勝
2018年11月で32才となったウェイド・マイリー。
キャリアハイはMLB2年目の2012年、Dバックス時代の16勝11敗、ERA 3.33。
この年、オールスター出場とともに、ROYでも2位の得票でした。
2018年は16スタートで5勝2敗、ERA 2.57に終わりましたが、これは春先から右腹斜筋(左投手なので体を引っ張る方)を傷め、2度ほどDL入りしたことが原因です。
シーズンでは出遅れましたが、ポストシーズンでは本来の安定感のある投球を見せ、存在感を示してくれましたね。
4年連続で200イニング近く登板
ウェイド・マイリーはイニング数をこなしたシーズンがいくつもあり、例えば2012年は194.2 イニング、2013年に202.2 イニング、2014年に201.1 イニング、2015年に193.2 イニングと4年連続で200イニング近くを投げております。
アストロズ投手陣
ウェイド・マイリーが今回移籍するアストロズですが、チャーリー・モートンがレイズに移籍しております。
ダラス・カイケルもFAとして複数のクラブから声がかかっていて、他のFA選手の余波を受けてまだ決定には至っておりませんが、クラブを出ることを想定してローテーションを組んだほうがいいかもしれませんね。
大物二人がいなくなることを思うと心配になるローテーションですが、トップ2が強烈過ぎて、大丈夫そうなことが判明しました。
【アストロズ2019ローテーション】
- ジャスティン・バーランダー(34先発、16勝9敗、ERA 2.52)
- ゲリット・コール(32先発、15勝5敗、ERA 2.88)
- ウェイド・マイリー LHP
- コリン・マクヒュー(58リリーフ、6勝2敗 ERA 1.99)
- ジョシュ・ジェームス(6登板、3先発、2勝0敗、ERA 2.35)
- フランバー・バルデス (8登板、5先発、4勝1敗 ERA 2.19)LHP
そのほか、ブレイディ・ロジャース(RHP)、ブラッド・ピーコック(RHP)、フォレスト・ウィットリー(RHP ルーキー)などの名前も上がります。
便宜上、スターターの経験のある投手をローテーションに入れましたが、ピーコック、マクヒューはリリーバーとして登板するのではないかと思われます。
これでカイケルが残れば左右のバランスが取れますね。
あらためてHOUのローテはすごかった
それにしてもこのメンツにチャーリー・モートンやトミー・ジョン手術のリハビリ中のランス・マッカラーズ・Jr.がいたのですからとんでもないローテーションでしたね。
また、アストロズはカルロス・コレア、ホセ・アルトゥーベ、アレックス・ブレグマン、ジョージ・スプリンガーが残っていますから、打線の戦力ダウンはほぼありません。
ロッキーズ、N・アレナドに$26M
ロッキーズがまたやってしまいましたね。
調停イヤーでクラブ側と大きく金額の開きがあり、調停必至と思われたノーラン・アレナド(Nolan Arenado )とのディールを決めました。
その額、なんと1年2,600万ドル。
ロッキーズはこれで手打ちするしかなかった
そもそもこのディールはアレナド側が非常に強気で、今回の調停で$3,000万ドルを要求しておりました。
対して、ロッキーズは2,400万ドルのオファー。
600万ドルの開きがありました。有名選手1人分の年俸ですね。
今回の結論は”Avoided Arbitration”で調停を避けた結果でしたが、ロッキーズとしては調停プロセスを踏んだところでその中間の$26Mが相場で、下手をすればアレナド側の要求に近い金額に落ち着く可能性もあったことから、この額で手打ちするしかなかったというところです。
$26Mもの高いサラリーですが、他と比較してもやはり結構な金額であることは明白です。ちなみにNBAはもっと高いです。
NBAの年俸ランキング
2018−19シーズンのサラリーを調べてみますと、1年のサラリーが3,000万ドルというのは、NBAではケビン・デュラントと同額。
これでNBAでは10位です。
1位はゴールデン・ステートのスティーブン・カリーの3,745万7,154ドル。
NBAは単価が高いです。MLBより寿命が短くて現役を降りるとみんなヒザがガタガタというリスクを考慮されてのことでしょう。
彼らはこれにシューズなどのおしゃれ系のブランド料金も入りますから、相当なお金持ちですね。
国民的スポーツNFLでは?
調査ついでにNFLの2018年9月1日時点のサラリー・ランクはというとベスト3はこのような感じです。
- アーロン・ロジャース(パッカーズ) $33.5M
- マット・ライアン(ファルコンズ) $30M
- カーク・カズンズ(バイキングス) $28M
ちなみにスーパーボウル2019に出場するペイトリオッツのトム・ブレイディで$20.8M。
MLBでのアレナドのランキングでは?
MLBの現地2019年1月31日現在で金額が決まっているランキングはこのような感じです。
当然、ハーパー、マチャードは入っておりません。
- S・ストラスバーグ(WSH) $38.33M
- M・シャーザー(WSH)$37.41M
- Z・グレインキ(ARI) $34.5M
- M・トラウト(LAA)$34.08M
- K・カーショウ(LAD)$31M
- D・プライス(BOS)$31M
- M・カブレラ(DET)$30M
- Y・セスペデス(NYM)$29M
- A・プホルズ(LAA)$28M
- J・バーランダー(HOU)$28M
- F・ヘルナンデス(SEA) $27.8M
- J・レスター(CHC) $27.5M
- N・アレナド(COL) $26M
- G・スタントントン(NYY)$26M
1位はストラスバーグ。トラウトは4位ですね。
ハーパーもマチャードも一つの基準としているジャンカルロ・スタントンは年俸に直すとアレナドと同じです。
救いは長期契約でなかったこと
確かにアレナドの$26Mは高額年俸で、あえてハイボールを投げた交渉テクニックが丸見えなので、個人的にはあまり好きなタイプの交渉ではありませんでしたが、唯一の救いはトロイ・トゥロウィツキーの時のような長期契約でなかったこと。
10年もの長期契約を結んだ場合、おそらく選手側が自ら圧を作ってしまうのではないか?と思われます。
だから怪我が多い。
時給2,000円の仕事と時給6,000円の仕事だとどちらがのびのび仕事できると思いますか?
わたしは時給2,000円の仕事の方が気が楽です。時給が高ければ高いほどよいといものではないと思います。
高額年俸は他の$1M以下の選手やそもそもの契約漏れの選手、一線を退いたスタッフや、5万ドル以下の年収で野球を楽しんでいるファンなどの見えないやっかみという力も魔力として含まれていると考えた方がいいと思います。
よって、一番賢いのは10万以下で複数年を勝ち取り続けること。
ハーパー、パドレスに傾くか?
現地2019年1月31日、パドレスがブライス・ハーパーとラスベガスでミーティング。果たして結果は??
西海岸に行きたがっているハーパーに対してパドレスが銀行が潰れるほどの大きなディールを成立させるかどうかにかかっています。
今のところ、フィリーズ、ホワイトソックス、ナショナルズ、パドレスはまだ可能性があるとのこと。
ハーパーにもしも会うようなことがあれば、「ほどほどにね」と伝えたいです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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