延長13回のスリリングなゲーム
現地2021年10月10日、フェンウェイパークで行われたレイズ@レッドソックスのALDS Game3はすごいゲームになりましたね。
延長13回までもつれる死闘は、クリスチャン・バスケスのサヨナラHRで決着がつきました。
Hi, we lead the series 👋
— Red Sox (@RedSox) October 11, 2021
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スタメン
1勝1敗で迎えたGame3。3戦先勝のディビジョン・シリーズではこの1戦を取った方がALCSの進出の王手となる大事な一戦。スタートは以下のメンバーでした。
先攻のレイズは当たっているランディー・アロウザリナを6番に。レッドソックス側からするといやらしい位置に入りました。
一方のレッドソックスは、またしてもカイル・シュワーバーをリードオフに置く超攻撃型の布陣。DHには足首を傷めているJ.D.マルチネスが入り、守備のいいボビー・ダルベックはベンチスタート。
レイズの電光石火の2点先制からスタート
レッドソックス先発は、ワイルドカードで好投したネイサン・イオバルディ。レイズはドリュー・ラスムッセン。ポストシーズンモードに入ったネイサン・イオバルディがレイズ打線をどこまで抑えるかが一つのポイントでしたが、スリリングな展開となったこのゲームはレイズのオースティン・メドウズが放った電光石火の2ランHRから幕を開けました。
流れ
- 1回表【TAMPA BAY】
ブランドン・ラウが三振に倒れた後、ワンダー・フランコが2球目を叩いてRF前シングル。つづく、オースティン・メドウズが初球の4シームを強振。RFスタンドに入る2ランHRでレイズがまたたく間に2点を先制(2-0)。
- 1回裏【BOSTON】
リードオフのカイル・シュワーバーが2球目の甘く入ったスライダーを左中間へ弾き返し、これがよく伸びてリードオフHRに。取られた直後にすぐに取り返し、流れを渡しませんでした(1-2)。
- 3回表【TAMPA BAY】
先頭のブランドン・ラウがカイル・シュワーバーのとんでもないトスで出塁するも、得点にはならず。
- 3回裏【BOSTON】
アローヨ、シュワーバーが連続シングル。それをキケ・ヘルナンデスがCFへシングルを放ち、同点に(2-2)。ラスムッセンはここで交代。
2番手は左腕のジョシュ・フレミング。ここでラファエル・デバースもCFへタイムリーを放ち、レッドソックスが勝ち越しに成功(3−2)。
- 5回裏【BOSTON】
レイズの投手はピート・フェアバンクス。
その代わりばな、キケが左中間場外へ消える見事なHRを放ち、レッドソックスがリードを拡大(4-2)。
- 8回表【TAMPA BAY】
マウンドには5番手のハンセル・ロブレス。セットアップを期待していたものの、ワンダー・フランコのソロHR、ランディー・アロウザリナのタイムリーシングルなどで2点のリードを吐き出してしまい、同点に(4-4)。
- 10回表【TAMPA BAY】
9回で決めきれなかったレッドソックスはマウンドにニック・ピベッタを起用。
バスケスの荒々しい送球でマーゴットの盗塁を阻止するなど流れを渡さない全力のプレーがつづく。
- 11回裏【BOSTON】
1アウトからクリスチャン・アローヨが二塁打を放ち、サヨナラのチャンスを迎えるも、レイズのリリーバー、デービッド・ロバートソンの前にあと一本が出ず、さらに深いイニングへ。
- 13回表【TAMPA BAY】
シングルで出塁したヤンディー・ディアスを1塁に置いて、2アウトからケビン・キアマイアーがRFオーバーの大飛球。打球は1バウンドでフェンスに当たり、RFのハンター・レンフローへ跳ね返り、レンフローに当たったボールがそのままブルペンへ。規定によりグランドルール・ダブルとなり、レイズは1点を奪えず、ランナー2、3塁に。ニック・ピベッタはこのピンチにマイク・ズニーノを三振に打ち取り、裏の攻撃へ
- 13回裏【BOSTON】
マウンドはルイス・パティーニョ。1アウトからレンフローが四球。つづくバスケスが初球をフルスイング。これが左中間のグリーンモンスターを超える2ランHRをとなり、レッドソックスがサヨナラ勝利。ALCSへ王手をかけました。
イオバルディ、5回8K
初回、いきなりの2失点を喫したネイサン・イオバルディですが、その後は三振の山。自身のポストシーズンの経験上、先発で2失点以上を喫したことがないイオバルディの実績をそのまま見せた形となりました。5回を被安打3、失点2、与四球1、奪三振8。このゲームでは85球を投じました。
ドリュー・ラスムッセンにもっと手こずると予想したレッドソックスでしたが、意外にも早く攻略できたのがこのゲームを取れた勝因の一つと言えるでしょう。
キケ・ヘルナンデス、試合またぎで7-7
とにかくレッドソックス打線を牽引しているキケ・ヘルナンデスは、ワイルドカードで1安打、ALDS Game1では無安打だったものの、ALDS Game2から凄まじい活躍を見せています。
【Game2】 | 【Game3】 |
1. ダブル 2. SSゴロ 3. HR 4. ダブル 5. グランドルール・ダブル 6. シングル | 1. シングル 2. シングル 3. HR 4. 3Bライナー 5. 空振り三振 6. SSゴロ |
Game2では6打数5安打、3RBI。Game3では6打数3安打、2RBI。そしてGam2と3の2試合にまたがり、7打席連続ヒットを達成。
Game2の1試合計5安打、4XBH(2塁打3本、HR1本)は、松井秀喜選手が2004年のALCS Game3で達成した1試合でのポストシーズン記録に並びました。
7打席連続安打はレッドソックスのポストシーズン史上、最長の連続安打記録。
PSはオートマティック・ランナーなし
このゲームは延長戦に入った訳ですが、ポストシーズンは規定上、オートマティック・ランナーはつきません。
As part of MLB’s health and safety protocols during the COVID-19 pandemic, all half-innings after the ninth will begin with a runner on second base in the 2020 regular season. This rule will not be in place for the 2020 postseason or the 2021 campaign.
(Automatic Runner)
ルール:フェア・ボールが野手に当たってスタンドへ
延長13回表、キアマイアーのRFオーバーの当たりが、レンフローに当たってレッドソックスのブルペンに入ったプレーが、グランドルール・ダブルになったのは、Rule 5.05(a)(8)の規定によります。
Here it is. Rule 5.05(a)(8). It explains the ruling that put Kevin Kiermaier on second and kept Yandy Diaz on third. pic.twitter.com/aBg0fImlIg
— Jeff Passan (@JeffPassan) October 11, 2021
レイズもシーズン中に経験済み。
This is why Kevin Cash didn’t argue, the @RaysBaseball know this rule very well.
— Boston Strong (@BostonStrong_34) October 11, 2021
pic.twitter.com/v283zeiRjn
ニック・ピベッタの熱投
このゲームは延長から登板したニック・ピベッタの熱投が光りましたね。4イニングで67球、被安打3、スコアレス、与四球1、奪三振7。
ニック・ピベッタはALDS Game1でも早々に崩れたE・ロッドをフォローするように3回から7回まで4.2イニングに登板。被安打4、失点3で点差を拡げられましたが、彼が投げていないとどれほど崩れていたかわかりません。このときは73球。
ALDSで140球投げたことになりますね。
カイル・シュワーバーの1B
最後にインパクトのあったカイル・シュワーバーの守備を。3回表のとんでもないトスがこちら。
Just a little brain fart by Kyle Schwarber
— Boston Strong (@BostonStrong_34) October 10, 2021
pic.twitter.com/sigrHbhNaH
そして、次のイニングでこのリアクション。
Kyle Schwarber gets it done this time
— Ben Verlander (@BenVerlander) October 10, 2021
😂😂😂
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もともとは捕手でプロ入り。メジャー昇格後は、あまりに打撃が良すぎて、外野に。1Bはカブス、ナショナルズでの7シーズンで1度しか守ったことがなく、レッドソックスに入って急に10試合も守ることになった次第です。
これでレッドソックスはCSへ王手。Game4もフェンウェイパークでの開催です。当たっているワンダー・フランコをどう封じるでしょうか。ここも注目ポイントですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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