2020年39才でもオファーしたい理由とは
現地2019年10月10日、ツインズファンにとっての朗報です。
ALDSでヤンキースにスイープされたばかりのミネソタ・ツインズですが、2020年に向け、早くも動き出しました。チーム構成を考慮。
チームの骨格となるべき選手の残留に動くべく舵を切る決断に至った模様です。
ネルソン・クルーズへの2020年オプションの行使。
WS終了後に正式発表予定
これはまだオフィシャル情報ではなく、ワールドシリーズ終了後に結論が発表されるとのことです。
現在の契約
ツインズとネルソン・クルーズの現契約は現地2018年12月27日にディールが成立。
1年1,400万ドルで2020シーズンはクラブオプションという内容でツインズが再契約したいとなった場合は2020年のサラリーは1,200万ドル。
バイアウト(途中解除でクルーズがもらえる違約金みたいなもの)は30万ドル。
2019年WAR 4.3のクルーズのFMVはM
FMVはFair Market Value(フェア・マーケット・バリュー)の略語です。Book Valueの「簿価」に相対する意味で、会計用語です。
文字数の関係で「FAの市場価格」という意味で使いました。
アメリカの野球のトレード系で使われる略語でも何でもありませんので、念の為。
ネルソン・クルーズの2019シーズンの成績はご覧の通り
(ネルソン・クルーズの2019レギュラーシーズン打撃成績)
- GAME:120試合(DH:114/PH:8)
- PA:521
- AB: 454
- Runs: 81
- Hits: 141 (Double 26/ Triple 0)
- HR: 41 (AL3位)
- RBI: 108 (AL7位)
- Av/ OBP / SLG /OPS : .311(AL6位)/.392(AL5位)/.639(AL2位)/ 1.031(AL2位)
- BB: 56
- SO: 131
- 1st Half vs 2nd Half Av/HR/RBI : .279 vs .344/ 16 vs 25/ 46 vs 62
- Av. vs AL Central: .433 vs CWS/ .371 vs KCR/ .361 vs DET/ .209 vs CLE
(ネルソン・クルーズの2019ポストシーズン打撃成績)
- Game: 3
- PA:14
- AB:10
- Runs: 2
- Hits:2
- HR:1
- RBI:1
- BB:4
- SO: 3
- Av/OBP/SLG/OPS: .200/.429/.500/ .929
現地2019年9月22日にはキャリア通算400HRも達成(結局401号まで打ちました)。
ネルソン・クルーズの2019年のWAR(Wins Above Replacement)は4.3。ちなみにア・リーグの「WAR」のトップはアレックス・ブレグマンの8.4ですが、これはMVPレベルの数字。4.3は高い数字です。
そしてネルソン・クルーズのFA市場での価値は$14MMとも言われています。
N・クルーズ本人は?
市場での評価が高いのでネルソン・クルーズはFA市場に打って出るということも十分にあり得ます。バイアウトは30万ドルで、エージェントはブライス・ディクソン氏(Bryce Dixon)。
ただ、本人の意向としては以下のコメントがありました。
“I don’t have that call, but hopefully they can pick up the option.”
「まだ(ツインズから)依頼は来ないけど、オプションを行使してくることを望んでいる」
このコメントのようにおそらくオプションの行使された場合はそのまま受け、バイアウトしないと思われます。
本人がそうの望んでいる背景には昨今のFA市場は年齢の高い選手にはかなり厳しい状況というのがあると思います。
ネルソン・クルーズといえども、4月を過ぎてまだ所属先が決まらないというリスクは避けたいでしょう。
それに市場価値とは200万ドルの開きがあるとは言え、サラリーは2019年より200万ドルアップするわけですから、そのまま受けて悪い要素はほぼないですから。
ただ、まだ推測に過ぎないので正式発表は待ちたいと思います。
ネルソン・クルーズがいてこそ成立する戦力
昨今は市場からベテランが敬遠される中、ネルソン・クルーズにオプション行使の話が出たのはなぜでしょう?
ツインズはバイロン・バクストン、ミゲル・サノ、ホルヘ・ポランコをはじめとしたこれから旬を迎えるタレントがいるだけでなく、2017年全体1位のロイス・ルイス、2016年1巡目のアレックス・キリロフ、2019年1巡目のキオニ・コバーコなど次世代のトッププロスペクトも厚く揃えており、若手が非常に充実しています。
これだけ才能ある若手が多い中、ツインズが残留オファーに舵をきったのはまずはネルソン・クルーズの打力。成績は上述の通りです。
そしてさらに期待されているのはそのリーダーシップ力。ベンチでのムードだけでなく声掛けやコミュニケーションにネルソン・クルーズが果たす役割は大きいです。
そしてなんと言っても打席で生きた手本を見せられる強み。これは何にも代えがたいと思います。
言葉と背中で若手を指導してもらいたい、ツインズにはネルソン・クルーズに若手のメンターとしての役割もお願いしたいというところでしょう。
一流の姿勢をモデリングできる環境を作ることはクラブ側ができる最大の教育かもしれません。
結論はワールドシリーズ後です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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