内野手最高のAAV
現地2022年3月19日、ミネソタ・ツインズがアストロズからFAとなっていたカルロス・コレアとディール成立となったのはご承知の通りです。
1日経過して明らかになった契約内容などもありますので、遅れましたが記載しておきます。
それにしても今FAはSSのタレント揃いとなってから数ヶ月。いろんな意味も含めて注目されていたカルロス・コレアのディールがようやく決まりましたね。
契約内容
契約内容は下記の内容になった模様です。
- 3年/$105.3M (2022-24)
- 支払いはAAVで$35.1M/Year
- 2022年、2023年終了後にオプトアウトあり!
- 2022年は限定的なノートレード条項あり
- 2023年と2024年はフル・ノートレード条項に変化
内野手最高のAAV
AAV(Annual Average Value)で内野手最高になったのも、ご承知の通りです。
外野も含めた野手最高AAVは?
外野手も含めた野手最高のAAVはマイク・トラウトの$36M。トラウトは長期契約時に12年/$430Mでディールを完結させましたが、これは契約時のを上書いた契約。現状の契約は、2021年から始まった10年/$360Mであることから、$36M。
メジャー史上最高AAVはシャーザー
では、全選手でのAAV最高は誰か?と言えば、現地2022年3月19日時点では今オフ、ロックアウト前にメッツとディールを決めたマックス・シャーザーの$43Mです(正確には$43.333333M)です。
これは今後、誰か大きな需要がある人が短期で契約を結ばない限りは、超えない額かと思われます。下記の記事にシャーザーのサイン時のAAVランクを載せております。
2回のオプトアウトあり
カルロス・コレアの契約で特筆は、やはり2回のオプトアウトが入っている点かと思います。
こちらのオプトアウトですが、当初はツインズがコンテンダーになれるかどうか?によって、その様子見を含めてそういう設定にしているのか?と思っておりましたが、おそらくホルヘ・ソレアーと同じで、長期で契約する需要があるなら、その時点でオプトアウトして市場に出るということではないかと思います。カルロス・コレアはまだ27才ですから。これはあくまで筆者の推測です。
2021年のカルロス・コレア
カルロス・コレアの誕生日は1994年9月22日。2021シーズンは大きな怪我もなく、148試合に出場。PAは640を数えました。成績は555-155で、打率.279、OBP .356、SLG .485、キャリアハイの26 HRをマーク。RBI は92です。
そして守備ですね。動きの良さに加え、あのアームは魅力。グラブを抱え込むあのスローイングは非常に魅力的に見えます。2021年はSSとしてゴールドグラブ賞も受賞しました。
スプリンガーよりも熱くならなかった市場
アストロズは、2017シーズンのサイン・スティーリングの影響で、明るみになった2019年の冬以降、完全にヒールとなりました。
特に、2017年の中心選手であったホセ・アルトゥーベ、カルロス・コレアに対する当たりは特別に強いものとなりました。
同じ、2017年のワールドシリーズ・チャンプ仲間にジョージ・スプリンガーがいます。
一足早くFAとなったジョージ・スプリンガーは2021年1月にブルージェイズと6年/$150M(2021-2026)の大型契約を結びました。
ジョージ・スプリンガーとブルージェイズのディールは、たとえサインスティーリングをしたアストロズの選手と雖も、力を認めれれば市場は正当に評価するという事実を証明したとも言えるでしょう。
ただ、今オフのカルロス・コレアの場合、たしかにヤンキースやタイガース(当時のアストロズ監督のA.J.ヒンチ)、そして古巣アストロズからの引きはあったようですが、もっと集まってしかるべき需要がそれほど集まらなかったとも言えるでしょう。
カブスがコレア獲得に関心を示した時、ファンから悲鳴にも似たNOが突きつけられたました。そのせいかどうかは定かではありませんが、カブスはSSにツインズからFAとなったアンドレルトン・シモンズを獲得しました。
やはり市場はジョージ・スプリンガーの時ほど、熱くなりませんでしたね。
まだ27才と若いカルロス・コレアは今後、ファンや他のクラブの選手とどう接して行くのか?彼の今後のFAにもつきまとっていく問題かと思います。
ツインズ、いい布陣
さて、コレアの加入により、ミネソタ・ツインズは野手はいい布陣となりました。ジョシュ・ドナルドソンが出てどうか?と思いましたが、かなりいいです。
- 3B: ジオ・アーシェラ
- SS: カルロス・コレア
- 2B: ホルヘ・ポランコ
- 1B: ミゲル・サノ
- INFバックアップ:ルイス・アルバレス、ニック・ゴードン
- OF:バイロン・バクストン、マックス・ケプラー、アレックス・キリロフ
- C:ライアン・ジェファーズ
- C or DH: ケイリー・サンチェス
実は野手陣はパワーアップしています。
投手が問題ですね。前田投手はトミージョン手術のリハビリで今季の復帰は不明。うまく行けば秋には間に合うかどうかですが、いずれにせよ、夏はいません。ソニー・グレイとディラン・バンディーを獲得したとは言え、厳しいのは間違いなさそうです。
カルロス・コレアの実績
カルロス・コレアは2012年のアマチュア・ドラフトの全体1位。結構、衝撃的でしたね。ただ細いということだけしかわからないSSが全体1位?と驚かされ、一体どれほどのセンスと潜在能力を秘めているのだろう?と将来を楽しみにしたものです。
久々にカルロス・コレアが注目されはじめたのが、ドラフトから2年後の2014年のこと。MLBのプロスペクト・ランクでもPre-2014では8位にランク。まもなくデビューか?という時のカルロス・コレアはドラフト時とは明らかに体格も異なり、筋骨隆々のたくましいスピード感あふれるアスリート体型に変わっていました。
そして2015年にデビュー。あの肩の強さは驚かされました。グラブを抱え込みながら、スローイング・アームを高く上げるあのフォームは正直に言って、かっこ良すぎました。
そして、打撃フォームは、読売ジャイアンツの原監督の若い頃のような、背筋力と右手の押しの強さを感じさせるフォローを披露。
正直に申し上げて、筆者には非常に魅力的なSSにしか見えませんでした。
ただ、どうしても、サイン・スティーリングの件がつきまといます。「球種がわかってて打ってたのかよ!」というのをなかなか払拭できませんね。
コレアも若いだけに批判に我慢できないこともあり、あえてヒールのようなポーズを取ることもありました。
サイン・スティーリングが明るみになったのは2019年のこと。2020年のCOVID-19による短縮シーズン明けのフルシーズンが2021年でした。そこでヒールを演じながらもコレアは上記の数字をマーク。
過去には2015年に、ROYを受賞。2015年のデビューから2021年までの7シーズンで20HRを下回ったのは2018年の1度だけ(2020年は5HRですが、これは短縮シーズンなので除く)。SSでありながら、通算打率.277をマーク。
コレアの場合、過去の数字を正当に評価されるためにも2022年はさらに大事なシーズンになりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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