惜しい!8回2アウト、あとアウト4つ
現地2021年8月15日、約1年ぶりに取り上げることになりましたが、クリーブランド・インディアンスのトリストン・マッケンジー(Triston McKenzie)がコメリカ・パークで行われたデトロイト・タイガース戦で素晴らしいピッチングを披露。
8回裏2アウトまで、打者23人をパーフェクトに抑える投球を披露。あとアウト4つというところだったのですが、ハロルド・カストロにRF前に運ばれ、パーフェクト・ゲームとノーヒットノーランが潰えました。
Triston McKenzie's perfect game bid ends with two outs in the 8th inning
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) August 15, 2021
The nine-year drought without a perfect game in MLB is the longest since 1968 to 1981 pic.twitter.com/K2OISlKw4I
実に惜しい!
もしパーフェクトならキング・フェリックス以来だった
現地2021年8月14日、Dバックスのタイラー・ギルバートがメジャーリーグ初先発でノーヒットノーランを達成しました。これは今季8度目のノーヒットノーランで、現時点で1シーズン最多タイの達成回数。なお、過去8度の達成は1884年のことで、1900年以降では過去7度が最多でしたから、近代ベースボール史においてはもはや最多レコードを更新したと言っても良さそうです。
このようにノーヒットノーランは毎年のように達成され、少なくとも複数回の達成が見られます。
しかし、パーフェクト・ゲームとなると2012年8月15日にキング・フェリックスこと、フェリックス・ヘルナンデスが、レイズ相手に達成して以来ずっとご無沙汰です。
OTD in 2012: Felix Hernandez threw the first perfect game in Mariners history.
— Barstool Sportsbook (@BSSportsbook) August 15, 2021
There hasn’t been a perfect game since.
pic.twitter.com/pFcL30hjVQ
この日はちょうど9年前に当たり、何やら因縁めいたものもあり、達成なるか!?というところでしたが、タイガースが意地を見せました。
94mph以上の威力
この日のトリストン・マッケンジーはファストボールはやはりHigh-90mphという数字には到達せず、90-94mphというところ。
しかし、この投手のファストボールは角度もあり、数字以上の威力を感じさせます。ミゲル・カブレラを2度三振に仕留めましたが、明らかに4シームにタイミングが遅れていました。
カーブ、スライダーがキレキレ
トリストン・マッケンジーには2つの強力な変化球があり、1つはハード・ブレイキングとも称されるほどの大きなカーブ。
そしてもう一つがスライダー。これは日本流で言えば、縦に落ちる高速スライダー。
スピードが遅めなのがカーブ。左打者の膝下に急激に落とすのが、スライダーです。
カーブでカウントを取り、スライダーで仕留めるというのが基本パターンかと思いますが、この日は捕手のオースティン・ヘッジス(元パドレスですね)が、裏をかくようにウィニングショットにカーブを持ってきて、さらにタイミングを崩させて仕留めるというシーンも多く見られました。
危なかった2つのシーン
初回からリズムよく3人で斬って行ったトリストン・マッケンジーは3回裏には三者三振に仕留めるなど、さらに勢いに乗っていきました。危なげないシーンがなかったです。
記録が途絶えたか?!というシーンはさすがにあって、それが6回裏、2アウトでビクター・レイエスの打席。2ボール1ストライクのカウントからファウルで4球粘られたのですが、スライダーを逆方向におっつけられ、あわや二塁打かという打球を打たれました。しかし、ファウルに。最後はカーブで空振り三振に仕留めました。
さらに8回裏、先頭のハイメア・カンデラリオ(Jeimer Candelario)に1-1カウントからの4シームをRF線に運ばれましたが、これもファウルに。ほとんどフェアのような当たり。カンデラリオはキャッチャーフライに仕留めました。
記録が途絶えた後、スタンディング・オベーション
8回2アウトでハロルド・カストロにRF前に運ばれ、パーフェクト・ゲームが途絶えたのですが、その瞬間、敵地デトロイトのファンが敬意を表するようにトリストン・マッケンジーに向かってスタンディング・オベーション。これはいいシーンでした。
もうタイガースが0-11でボロ負けしていたというのもあったと思うのですが、なにより相手を称賛というところがいいなと思いました。
8回の残り1アウトをウィリー・カストロから三振を奪ったトリストン・マッケンジー。球数は106球に達したため、9回はエマニュエル・クラセに任せました。
インディアンスが11-0でタイガースに勝利しました(Game Score)。
また痩せた!?
トリストン・マッケンジーのプロフィール詳細は下記のリンクに。当該記事にも書かせていただいていますが、とにかく細いトリストン・マッケンジー。クリス・セールより細いです。
2020年にデビューした時よりもさらに痩せているように見えます。もうお尻の筋肉などないように見えます。
新生:ガーディアンズのローテの柱に
今季最初の登板はリリーフとしてスタートしたトリストン・マッケンジーでしたが、それ以降はずっと先発。ただ、5月などは投げては大量失点が続き、6月には一旦トリプルAにオプション、MLBへリコールというのが続きました。
ただ、7月も登板しては失点が続き、8月に入りようやく落ち着いてきたところです。
この日の登板前まではERAは5.66だったのですが、さすがにこの無失点投球でERAは5.12に下がりました。また、この日の勝利でようやく2勝目。怪我がなければあと7回から8回は登板があると思うので、来季からスタートする新生ガーディアンズのローテの柱としていい実績をつけてもらいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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