今季のTDLはかなり動きそう
現地2020年8月24日、ちょうど一ヶ月前に始まった2020シーズンも早くも半ば。COVID-19の影響で試合消化にばらつきが見られるものの、30試合に到達するクラブも出ております。
ここまでの順位
両リーグの中地区はCOVID-19の影響でやはり試合消化はあまり進んでいませんが、ただ、ほとんどのクラブが30試合近辺に到達しているので、ここまでの順位を記しておきたいと思います(現地2020年8月24日時点)。
ア・リーグ東地区
- ヤンキース:16-9
- レイズ:19-11
- ブルージェイズ:14-13
- オリオールズ:14-14
- レッドソックス:9-20
ア・リーグ中地区
- ツインズ:20-10
- ホワイトソックス:17-12
- インディアンス:17−12
- タイガース:11-16
- ロイヤルズ:11-18
ア・リーグ西地区
- アスレチックス:20-10
- アストロズ:16−13
- レンジャーズ:11-17
- マリナーズ:11-19
- エンゼルス:9-21
ナ・リーグ東地区
- ブレーブス:16−12
- マーリンズ:12-11
- メッツ:12-14
- ナショナルズ:11-15
- フィリーズ:10-14
ナ・リーグ中地区
- カブス:18−10
- カージナルス:10-8
- ブルワーズ:12-15
- レッズ:11-16
- パイレーツ:7-17
ナ・リーグ西地区
- ドジャース:22−8
- パドレス:18-12
- ロッキーズ:14-15
- ジャイアンツ:14-16
- Dバックス:13-17
開始前とは真逆の高まる需要
シーズンが始まる前、筆者は今年のトレードデッドラインはあまり動かないのではないかと思っておりました。8月31日のトレードデッドライン後の日程は27日間。普通に考えて残り試合数は30試合未満になるクラブが大半ですから、20数試合に対してどこまで情熱を注ぐのか、いささか疑問に思っていました。
それに良い選手を入れると、サラリーも引き継がなければならず、マイナーリーガーへの給与の支払いにも渋いクラブがほとんどの中、果たしてトレードを受け入れる、つまり「買い」のクラブがどれだけ出るのか疑問でした。
調整不足から来る怪我もトレード需要に
ところが、いざ蓋を空けるとやはりシーズンは盛り上がり、ワールドシリーズチャンプを目指す本能が顔をのぞかせます。
3月後半の開幕を目指して調整してきた選手達は、「調整難」の壁にぶつかりました。
3月12日にスプリングトレーニングが中止になり、7月1日のサマーキャンプ開始までオフとなった期間が約3ヶ月半。選手はその間、トレーニング施設を使うことが出来ても、人数が限られた中で実践練習ができないままでした。
そしてサマーキャンプに突入。この期間も20日間ほど。
こういったイレギュラーな調整日程ゆえか、ここに来て怪我人が多数出始めました。もっとも怪我の要因はケースバイケースで一概には言えません。今季の調整の難しさから来るものなのか、はたまたこれまでの疲労の蓄積が要因なのか。
ただ、体をあまり動かしていない状態から急にピークに持っていくように言われてあわてて準備して筋肉に強い負荷をかけると、やはり故障は起こるとは思いますよね。
その故障がトレードの需要を高めております。
甘いボールも調整不足
今季のHRのVTRを見ると、ど真ん中に投げて打たれるケースが目立ちます。これは明らかに調整不足と言えるでしょう。もっとも打たれる時はどのシーズンでも甘いボールですが、ただ、今季はど真ん中に投げて打たれるケースが特別に多いと思います。
微妙なコントロールをチューンナップ出来ないままシーズンインした投手がかなり多いと言えるのではないでしょうか。
需要をヒートアップさせたCLEの2名
怪我人の補強はトレードの需要の大きな要因ですが、ここに来てややテクニカルな動きが見られはじめました。
その需要をヒートアップさせているのが、インディアンスの右腕、マイク・クレビンジャーとザック・プリサックの2人。
彼らがCOVID-19プロトコル違反でオプションになったのご承知の通りかと思います。つまりはヘルシーなのにゲームに出られない状態です。
レッドソックス?いやヤンキース?
今季はインディアンスではゲームに出られないことを見越して、そこに目をつけているクラブが複数あります。
噂ではマイク・クレビンジャー、ザック・プリサックの2名とレッドソックスのアンドリュー・ベニンテンディー(あくまで噂です。ベニーにはいてもらいたいです)。
そしてマイク・クレビンジャーにはヤンキースほか複数のクラブが関心を。
彼らトレード候補に上がったということで、現在スタッツの良い選手で下位順位の選手がトレード市場に一気に名を連ねるようになりました。
BUY or SELL
ではそれぞれのクラブの状況を簡単に見ていきたいと思います
ア・リーグ東地区
- ヤンキース:16-9
- BUY:トミー・ケンリーのトミー・ジョン手術を始め、またしても怪我人多数。投手補強に乗り出しそうです。
- レイズ:19-11
- ここはあまり動かないのではないか?と思います。
- ブルージェイズ:14-13
- BUY:ブルージェイズはどうやら今季、チャンスと思っているようで、ローテーションのアップグレードに着手するようです。パイレーツのローテーション右腕を狙っています。トレバー・ウィリアムスとチャド・クール。
- オリオールズ:14-14
- SELL:動きはないように思いますが、打撃陣が良いので需要があるかもしれません。
- レッドソックス:9-20
- SELL-BUY:噂に上がっている選手は多数。トレード候補としてアンドリュー・ベニンテンディー、J.D.マルチネス、ザンダー・ボガーツなど超有名野手の名前も。ネイサン・イオバルディもあり得るようです。
ア・リーグ中地区
- ツインズ:20-10
- 投手補強はあるかも。ジェイク・オドリッジが離脱しましたので補強するかもしれません。
- ホワイトソックス:17-12
- 投手補強はあるかもしれません。
- インディアンス:17−12
- BUY:強さを維持しつつも、SELLもできてしまうというインディアンスの育成はなかなかのものです。マイク・クレビンジャー、ザック・プリサックの2人は注目ですね。
- タイガース:11-16
- SELL:ここ数年噂になっているマシュー・ボイド(=マット・ボイド)は動くかもしれません。
- ロイヤルズ:11-18
- SELLと言いたいところですが、メリフィールドなど有名選手の需要がどこまであるか、読めきれないところも。
ア・リーグ西地区
- アスレチックス:20-10
- A’Sは毎年動きます。誰を引っ張るか、チーム状態が良いので、そこがいささか読みにくいです。
- アストロズ:16−13
- 動きは少ないか。当初は完全にSELLかと思っていましたが、ここのところの連勝で選手は出さないかもしれません。
- レンジャーズ:11-17
- SELL:注目はERAリーダー争いのランス・リン。彼の需要は高いです。
- マリナーズ:11-19
- SELL:ヤンキースがタイワン・ウォーカーを狙っているという噂も。
- エンゼルス:9-21
- SELL:もしかしたらアンドレルトン・シモンズのトレードが決まるかもしれませんが、さすがに今季はないと見ています。
ナ・リーグ東地区
- ブレーブス:16−12
- BUY:投手補強。インディアンスの2人が候補という噂も
- マーリンズ:12-11
- SELLで良い選手を補強するかもしれません。
- メッツ:12-14
- 2019年はSELLかと思ったら、まさかのBUYに走ったメッツ。今季の動きは不明。
- ナショナルズ:11-15
- ナッツは難しいところです。補強はするでしょう。
- フィリーズ:10-14
- BUY:すでにBOSからリリーバー2名、NYYからリリーバー1名を入れましたが、投手補強はあるでしょう。
ナ・リーグ中地区
- カブス:18−10
- 投手補強。チャットウッドが離脱しました。
- カージナルス:10-8
- 動きが見えず。
- ブルワーズ:12-15
- 動くとは思うが、詳細は不明。
- レッズ:11-16
- 本来はBUYに走りたいところでしょうが、成績が伸びません。
- パイレーツ:7-17
- SELL:ローテーション2枚が狙われています。
ナ・リーグ西地区
- ドジャース:22−8
- BUY:好きなようにできそうです。
- パドレス:18-12
- BUY:CLをしていたドリュー・ポメランツが故障。ここは動くでしょう。
- ロッキーズ:14-15
- そもそも動かないクラブです。
- ジャイアンツ:14-16
- 筆者は動きはほぼないと見ています
- Dバックス:13-17
- SELL:プロスペクトも豊富。そしてずっと噂のあるロビー・レイがそろそろ動くか?
以上、現地2020年8月25日の時点の状況で俯瞰してみました。皆様のご意見とは違うところもあるかもしれませんが、参考程度に見ていただければ幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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