健康上の理由で
現地2022年10月3日、シカゴ・ホワイトソックスの監督、トニー・ラルーサ(Tony La Russa)が、来季は指揮を執ることなく、今季限りの退任が決まりました。これは本人による声明で、クラブ側とも当然話し合って決めたことであり、実質的にオフィシャルと言っていいでしょう。
退任の理由は健康上の理由。トニー・ラルーサ監督は8月下旬から健康上の問題で現場から離れており、このような内容の発表が行われるとの報道も出ておりました。
トニー・ラルーサ監督は現地2022年10月4日(火)に、78才の誕生日を迎えることとなっており、ちょうどその前日にこの発表が行われました。
契約は1年を残して
トニー・ラルーサがホワイトソックスを指揮し始めたのは、2021シーズンから。2020年10月に監督就任が決定しました。契約は、下記の通りです。
- 3年 (2021-23)
- $3.75M /年
2023シーズンを残しての退任となります。契約の細かいところまではわかりませんが、3年の契約期間でしたので、通常であれば2023年もサラリーは支払われるのですが、選手ではないことと、そもそも監督就任時が76才でしたから、色々なことを想定した取り決めはあったでしょうから、来季の分は払われない設定かもわかりませんね。
オールドスクール精神注入もうまく行かず
2020、2021シーズンと2年連続でポストシーズン進出を果たしていたホワイトソックスでしたが、今季は逃しました。現時点では79勝80敗で、ガーディアンズに11ゲーム差をつけられている状態。
そもそもラルーサが監督就任のきっかけとなったのは、2020年のポストシーズンでの早期敗退です。2017シーズンから指揮を執り、種を撒いてきてようやくポストシーズン進出にこぎつけたリック・レンテリアが楽勝と思われたワイルドカード・シリーズで敗れたことでどうやらフロントオフィスがカンカンになったようですね。
これは監督の責任というよりは、ティム・アンダーソンを始め、この当時、選手が自信を持ちすぎて(良い言い方をすると)、足下をすくわれたという敗戦でもありました。
ホワイトソックスは輝くプロスペクト達がいながら、どこか熱しやすく冷めやすい傾向があり、その意味でオールド・スクールの精神注入!という選択は悪くはなかったと思います。
ダスティー・ベイカーのアストロズとの違い
サイン・スティーリングの問題が起こり、原点に帰ろうということでダスティー・ベイカーを起用し、成功したアストロズとの違いは何だったのか?というと、指揮の点ではもう健康上の問題があったかどうかという点が大きかったと思います。
はつらつとしたラルーサなら、もう少し違った結果になったかもしれません。ダスティー・ベイカーも心臓に既往症を持っており、決して体調は万全ではありませんが、ラルーサの方が健康上厳しかったということかと。
最後の方は観客から代走起用だろと指摘されて、交代を告げるという辛いシーンもありました。
WSチャンプ3度のラルーサ
トニー・ラルーサは1989年にアスレチックスをワールドシリーズ・チャンプに導き、2006年、2011年にカージナルスをワールドシリーズ・チャンプに仕立てました。ALとNL双方でのワールドシリーズ・チャンプの達成。
AL Manager of the Year を3度、NL Manager of the Yearを1度受賞。
監督として35シーズンを過ごし、2900勝2514敗、勝率.536。
名将は今回でユニフォームを脱ぐということになりそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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