金額ベースで歴代3位へ
現地2021年2月17日はもうパドレスとフェルナンド・タティス・ジュニアとの契約延長の話題でもちきりでしたね。
かつて、マーリンズとジャンカルロ・スタントンが13年/ $325Mで契約した時、このとんでもない金額はなんだと思いました。また、その前にはタイガースとミゲル・カブレラの8年/$248Mにも驚かされました。
時間が経過し、それらを上回る契約が出てきて、インパクトも少しは和らいできましたが、今回のフェルナンド・タティス・ジュニアの契約はまたしても強い衝撃を与えてくれましたね。
タティス・ジュニアの延長契約
今回の契約内容は以下の通りです。
- 14 年/$340M (2021-34)
- 2021年2月21日付けでサイン
- サイニング・ボーナス:$10M
- フル・ノートレード条項
- AAVで$24.3M
歴代3位、SSで1位
この大型契約ですが、サイン時の規模の大きさとして以下がベンチマークとして記録されています。
- 金額ベースで歴代3位。
- SSでの年ベースの単価としては1位
- 調停未満(MLS2.00)の選手として年ベースで歴代最高
フェルナンド・タティス・ジュニアのMLSは2021年1月時点でちょうど2.000。まだ調停資格も得ていない中でのこの長さ、この金額はもう驚くほかありませんね。
MLB歴代大型契約一覧
ではMLBの歴代の大型契約の一覧をここに記しておきたいと思います。順位はあくまで金額ベースです。所属チームは契約時のチームで、繰延払いの有無は取り除いて総額で記載しています。
PLAYER | Year | Value | AAV |
1. M・トラウト /LAA | 12 | $430M | $35.8M |
2. M・ベッツ/ LAD | 12 | $365M | $30.4M |
3. F・タティス・Jr./ SDP | 14 | $340M | $24.3M |
4. B・ハーパー/PHI | 13 | $330M | $25.3M |
5. G・スタントン/MIA | 13 | $325M | $25M |
6. G・コール/NYY | 9 | $324M | $36M |
7. M・マチャード/ SDP | 10 | $300M | $30M |
8. A・ロドリゲス/NYY | 10 | $275M | $27.5M |
9. N・アレナド/COL | 8 | $260M | $32.5M |
10. A・ロドリゲス/TEX | 10 | $252M | $25.2M |
11. M・カブレラ/DET | 8 | $248M | $31M |
12. S・ストラスバーグ/WSH | 7 | $245M | $35M |
12. A・レンドン/ LAA | 7 | $245M | $35M |
14. A・プホルズ/ STL | 10 | $240M | $24M |
14. R・カノー/ SEA | 10 | $240M | $24M |
契約期間は1位
ご覧のようにフェルナンド・タティス・ジュニアの契約は期間の長さではNO.1です。
単価を下げれば場合によっては期間は伸ばせてしまうので、金額とのバランスが重要になってきますね。
魅せる5ツール
フェルナンド・タティス・ジュニアに関してはプレーの質、エンターテインメント性、どれをとってもすごいとしか言いようがありません。
1999年1月2日生まれでまだ22才になったばかり。今回の契約は36才までの契約。今の走力は少なくともあと5年はキープできるでしょうし、肩は軽くあと10年はファンを楽しませてくれそうです。
年季が入ってからは、その打撃に注目ですね。
MLB通算2シーズンで、143試合、558打数168安打、打率.301、OBP .374、SLG .582、OPS .956。HR 39 、RBI 98、RUN 111。WARは7.0。
右投手に対しては打率.293に対し、左投手に対しては打率.331。いいレフティーがいるクラブにとっては脅威ですね。
2020年はシルバースラッガー賞も受賞。
打者優位のカウントは無双状態
いわゆる早打ち傾向ですが、打者優位のカウントは非常に強いです。ファーストピッチの打率は.473、1ボール-0ストライクの打率は.518、2ボール-0ストライクではなんと.600の打率。3ボール-0ストライクは.500、1-1カウント、2-1カウントでも4割超え。
ボール先行となった投手はさらに追い詰められる脅威にさらされることに。
不思議なことに3ボール-1ストライクでは打率は.143とグンと落ちてしまいます。これは力んでいるのでしょうね。
投手優位のカウントは弱い
今のところの欠点としては、投手優位のカウントはめっぽう弱いところでしょうか。0ボール-2ストライクでの打率は.132、1ボール-2ストライクでは.114、2-2カウントでは.173、フルカウントでは.195。
大型契約はいろんなものを背負う
ここからは完全な主観ですので、読み飛ばしてもらって大丈夫です。あるいは軽く流していただければ幸いです。
今回、フェルナンド・タティス・ジュニアがランキングで1位にならなかったのはむしろよかったと思っています。
1位のマイク・トラウトに関しては誰からも愛されていますから、もう1位のまま突っ走って欲しいです。
2位のムーキーも下から這い上がってきた選手ですからそれほどやっかみを受けないでしょう。
大型契約をしてしまうとあまりよくないと筆者は思っています。
そもそも契約期間内にシーズンミッシングなしに過ごすことは少ないですし、クラブ側ももちろんそれを見越して契約をしているとは思います。
怪我
特に悩まされるのは怪我。一度怪我をしてしまうと、真面目な選手ほど「取り返さないと」という心理が働くためか、新たな怪我を誘発して故障が長期化してしまうことが多いように思います。
ジャンカルロ・スタントンはあれだけストイックに鍛えているにも関わらず、怪我が多いですし、引退したトロイ・トゥロウィツキーなどはもともと怪我の多い選手ではありましたが、トロントに移ってからはさらに怪我に苦しみ、その典型のような形になりました。
怪我の要因も様々な面があると思います。契約前に頑張りすぎて契約後に発症するケースもあるでしょう。
大型契約をした選手の心理的影響
大型契約をした選手がどのような心理的影響を受けるのかは、本人でないとわからないところです。しかし、無意識レベルでかなりのプレッシャーを受けてしまうのではないかと想像します。
その中にはやっかみの要素も入っていてこれが厄介かと思います。そういった面も怪我の遠因ではないかと筆者は思うのです(本当に軽く流してくださいね)。
$1M以下のサラリーの選手が40manの中でも10人ほどは入っていて、2020年はマイナーの選手は週払いのサラリーもままならなかった状況でした。
大型契約をしてしまうと、どうしても目立ってしまいますし、色々な人と接する中で、言葉とは裏腹にやはりやっかみも受けるでしょう。金額以上のものを背負ってしまうように筆者は思うのです。根拠はありませんが、お金にはいろいろな人の思いが詰まっているとも思うので。
フェルナンド・タティス・ジュニアもかなり目立つ契約となり、しかも最年少でそれに達したのはやっかみの対象にはなると思いますが、少なくとも1位に躍り出なかったのは本人のためにはまだよかったのではないかと思います。
プホルズは全休なし
2021年に10年の契約が終了するエンゼルスのアルベルト・プホルズは出場という面ではかなり履行している方ではないかと思います。2013年に99試合、2018年に118試合に留まったものの、それ以外はほぼレギュラーとして出場。全休もありません。
ただ、彼のキャリアの流れから行けば、契約前の2011年までがすごすぎて、それ以降の10年間はやはりちょっと厳しい面がありました。
バウアーは絶妙だったのではないか
ここはバウアーの受取額に変更が出たため、記事リリース時とは若干内容を変えています。
その点で筆者はさすがにトレバー・バウアーはいい契約をしたなと思います。
合意報道当初は短期間でグンと集約させ、受け取り単価は歴代最高($40オーバー)となりましたが、正式合意後は受取額はバランスを取り戻しました。
10年以上/$300Mがトップ契約というラインが出来てきた以上、そこを超えるかどうかで、色々なものを背負う基準になっているようにも思います。
そこにはヒットしない契約を結んだバウアーはやはり絶妙だったのではないかと筆者は思います。しかも引退後も考えて苦労しない配分となっています。さすがです。
以上です。フェルナンド・タティス・ジュニアがますます活躍し、我々を楽しませてくれれば良いなと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
バウアーは当初の報道と違って3年目だけ激安、というわけではないみたいですよ(総額は変わらず)
irolyn様
いつもありがとうございます。
コントラクトが確定したのは知っていて、トレード条項を主に見ていました。金額の配分はチェックできていませんでした。
確認させていただきます。バウアーの契約記事にもそれを反映させないといけませんね。
手一杯で追いつけてなくてすみません。
本当にいつもご指摘いただき、ありがとうございます。