2020年 オプトアウト
現地2020年6月29日、スプリングトレーニング2.0が7月1日からスタートということで、MLB各クラブは参加するプレーヤーのリストを28日(日)にレポートとしてまとめました。
新型コロナウィルスのアウトブレイクに伴い、提出が遅れたクラブもありましたが、ほぼ出揃いました。「ほぼ」というのは40manロスターに加えてタクシー・スクワッド(ロスター外から補充できると意味)20名を合わせた計60名のリストということでしたが、未完で一旦は60名以下で提出するクラブがほとんどでした。
招集に10日かかると言われていた意味
当初からスプリングトレーニング2.0まで、選手の招集に10日はかかると言われていていました。「そんなにかかる?」とは思っていましたが、単に1箇所に集めるというだけでなく、諸事情を含めて招集するということでやはり最低でも10日はかかるという意味でした。
今になればその意味がよくわかります。やはり選手によっては参加するかしないか、非常に大事な決断を要する社会情勢であるということですね。
R・ジマーマンは不参加決定
現地2020年6月29日、ミスター・ナショナルズのライアン・ジマーマンは2020シーズン不参加を正式に表明しました。
ライアン・ジマーマンの他に2020シーズンを”NO PLAY”として不参加を表明した選手が出てきましたので、記載しておきたいと思います。
ここでいうオプトアウトとは?
契約用語で、契約期間中のあらかじめ設定された年に、次のシーズンもそのクラブでプレーするかどうかを選手側が決めることを「オプトアウト」といいますが、2020シーズンに参加するか否かの決断においてもこれとほぼ同じニュアンスで使われるオプトアウトは使われています。
そもそものオプトアウトの意味
ちなみに、オプトアウトはそもそも”opt-out”と書き(ハイフンあり)、「身を引く」という意味があります。
また、蛇足ですが、最近見かけるのが、企業の契約用語。特にプライバシーポリシーにおいて「オプトアウト」がよく使われます。その場合は、個人情報の扱いについてです。例えば、ある会社が個人情報を集めたとします。たとえばアプリ提供を通じて。その個人情報が他の企業に共有されるのを禁止するかどうかの選択権を個人に委ねる方針などのことをオプトアウトなどと言います。
野球の契約用語から大筋の意味は推測できそうですが、具体的に何がどうなるというのがわかっていないとピンとこない用語でもあります。
前置きが長くなってしまいましたが、現地2020年6月30日時点でオプトアウトを表明した選手をピックアップしておきたいと思います。
ホワイトソックス
ア・リーグからもオプトアウトが出ました。
マイケル・コペック
トミー・ジョン手術から復帰予定となっていたマイケル・コペックがオプトアウトです。
ブレーブス
現地2020年7月4日、ブレーブスはフレディー・フリーマンがテスト陽性反応が出るなど感染が広がっていますが、2020年オプトアウトする選手が出ました。
フェリックス・ヘルナンデス
今季、FAでブレーブスとマイナー契約を交わしたフェリックス・ヘルナンデス。スプリングトレーニング序盤から非常に気合が入っていましたが、現地令和2年7月4日、2020シーズンをオプトアウト(=参加しない)ことを表明。
理由は新型コロナウィルスの健康懸念です。
2021シーズンはどうなる??
ニック・マーケイキス
ブレーブスのベテランOF、ニック・マーケイキスもオプトアウトを表明しました。
追記:マーケイキスはシーズン復帰へ
ナショナルズ
ナショナルズからは2名。
ライアン・ジマーマン
ライアン・ジマーマンに関しては上のリンクの通りです。家族、とくに生後3ヶ月のお嬢さん、そして実母の体調を考慮。安全確保のため決断しました。
ジョー・ロス
そして27才の右腕、ジョー・ロスもそうです。ナショナルズのローテーションの5番手を担うかという投手です。2017年にトミージョン手術。2019年は27試合、9スタートで4勝4敗、ERA 5.48。
ジョー・ロスも守るべき人がいるからという理由で2020年はオプトアウト。
なお、ジョー・ロスのサラリーは$1.5 Mですが、もし参加していれば37%の0.56Mが支払われるところでした。また、MLSに関しても今季は通常通りに計算。ジョー・ロスの2020年1月時点でのMLSは4.08でしたが、今季プレーすればまもなくFAというところまで来ていました。
しかし、自主的に不参加ということになった場合は日割りサラリーもMLSの変化もなくなうことになるようです。
マーリンズ
イーサン・ディアス
ブルワーズ
ロレンゾ・ケイン
ドジャース
デービッド・プライス
現地2020年7月4日、今季からドジャースに移籍しているデービッド・ブライスが2020シーズンはオプトアウトする(=参加しない)ことを発表しました。
理由は新型コロナウィルスの自身そして家族への健康懸念を考慮してです。
一応、デービッド・プライスは今季報酬がないこと、そしてMLSも加算されないことを明記しておきます。
今年支払いとなる前年分の税金の支払いが大変そうです。
ロッキーズ
ロッキーズからも一人、オプトアウトとなった選手が出ました。
イアン・デズモンド
イアン・デズモンドも不参加を表明。やはり新型コロナウィルスに伴う健康リスクを加味しての決断です。
男前で有名なイアン・デズモンドですが、2017シーズンにロッキーズに入って以来、今ひとつパッとしません。ナショナルズ時代の2012-2014年に3年連続シルバースラッガー賞を受賞したインパクトから考えるとやはり物足りないところでした。
よって、このシーズンは意地でも出ておきたかったところですが、健康面や安全のリスクを考えてということなら致し方ないというところでしょうか。
ロッキーズはマット・ケンプを補強
なお、ロッキーズは現地2020年6月30日、イアン・デズモンドのオプトアウト表明後すぐにマット・ケンプ(OF)とマイナー契約を成立させました。不参加を表明した場合、このような補強によるクラブ内でのサバイバルに遭遇するという厳しい状況も待ち受けています。
ダイヤモンドバックス
ダイヤモンドバックスからもオプトアウト表明者が出ました。
マイク・リーク
丁寧なコーナー裁きでおなじみの右腕、マイク・リークもエージェントを通じ、2020年のオプトアウトを表明しました。
32才の右腕は、フルサラリーなら2020年は$16Mでした。
マイク・リークのオプトアウトの理由ははっきりとは伝わっておりません。
マイク・リークは2019シーズンのトレードデッドラインでマリナーズ(ア・リーグ)からDバックス(ナ・リーグ)へ移籍。2019年はア・リーグの投手としてゴールドグラブ賞を受賞しています。
Dバックスは補強よりも内部昇格をあてがうと思われます。
ジャイアンツ
ジャイアンツからもオプトアウトが出ました。
タイソン・ロス
2019年デトロイト・タイガースで1勝5敗のタイソン・ロス(Tyson Ross)も新型コロナウィルスの健康懸念により2020シーズンのオプトアウトを表明しました。なお、タイソン・ロスはナショナルズのジョー・ロスの兄です。
バスター・ポージー
現地2020年7月4日、ジャイアンツのスター選手、バスター・ポージーも2020年オプトアウトを検討中です。まもなく結論が出ると思われます。
追記です。
結論は出ました。やはりオプトアウトになりました。
SFG:ハンター・ビショップはやや陽性
なお、ジャイアンツのプロスペクトで2019年1巡目指名の外野手、ハンター・ビショップ、22才が新型コロナウィルスのテストで「やや陽性」という結果が出ました。
これによりハンター・ビショップはクラブの活動から一旦は離れることが決定しています。読売ジャイアンツの選手の「偽陽性」のケースもありますので、重くないことを祈るばかりです。
もしも明らかな陽性となった場合は上記のオプトアウトの選手らと違い、強制的なニュアンスで参加できなくなります。復帰には2回連続陰性というハードルも。
今後もオプトアウトを表明する選手が増えるかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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