2戦連続で援護なし
現地2022年7月29日、エンゼルスの大谷選手は登板翌日ではあったものの志願して出場。しかし、3Bゴロ、三振、LFフライ、3Bゴロで4打数0安打となりました。エンゼルス先発のパトリック・サンドバルが5回途中まで1失点と好投しただけに援護したかったでしょうが、悔しい結果に終わりました。
マイク・トラウトは肋骨を傷めているので欠場中。
10勝目が難産に
さて、大谷選手の投手としての登板について書きたいと思います。
大谷選手は6月9日のレッドソックス戦での勝利以来、登板するごとに勝利がついて、7月13日のアストロズ戦まで6戦6勝で、ついに9勝4敗と二桁勝利まであと1つとなりました。
もし二桁勝利となれば、二刀流としてはベーブ・ルースが1918シーズンに13勝を上げて以来、104年ぶりの快挙となります。
ところがこの10勝目がなかなかの難産となっています。
ブレーブス戦(7月22日)
まず、ブレーブス戦です。ロードのトゥルーイスト・パークでの登板となったこのゲームは、前半は大谷選手がブレーブス打線を圧倒。
初回のロナルド・アクーニャ・Jr.、ダンスビー・スワンソンの2者連続三振から始まり、3回から4回にかけては4者連続三振。6回まで、オースティン・ライリーの二塁打1本に抑える好投を見せました。
しかし、ブレーブス先発のチャーリー・モートンもエンゼルス打線を6回まで被安打2に抑える好投を見せ、スコアレスの状況が続きました。
そして7回裏、先頭のダンスビー・スワンソンに四球を出した大谷選手は、つづくマット・オルソンに87.4mphのスプリッターをうまく拾われ、RFへ2ランHRを許し、厳しい展開に。マット・オルソンは昨年まではアスレチックスにいたので、大谷選手との対戦も多く、投球をよく知っている打者ではありました。
さらに、ライリー、ダーノー、ロザリオに3連打を浴び、追加点。そしてオーランド・アルシアには留めの3ランHRを許し、6失点。ここでマウンドを降りました。6.1イニングで被安打6、失点6、自責点6、BB1、SO11、被本塁打2。
6回までは素晴らしかったので、打線の援護があればという投球でした。
なお、この日は打者としてリードオフを任されたものの、3-0でした。
レンジャーズ戦(7月28日)
そして、現地2022年7月28日のレンジャーズ戦。大谷選手は立ち上がり、セミエン、シーガー、ジョナ・ハイムと3連打を許すも、ロウ、ガルシア、タベラスと3者連続三振を奪う、なかなか激しい立ち上がりとなりました。
初回の大ピンチであっても、スライダーを中心にピンチを切り抜け、スタミナを温存。非常に冷静でした。
4回表に、先頭のナサニエル・ロウにソロHRを許し、0-1。5回にはコーリー・シーガーにタイムリーダブルを浴び、追加の1失点。ただ、失点はこの2失点に抑えました。
この日は6回、98球を投げ、被安打8、失点2、自責点2、BB0、奪三振11、被本塁打1。
打者としてはやはり、リードオフを任されたものの、4-0でした。
【YOUTUBE】Six straight starts of 10-plus Ks for Shohei Ohtani
両登板ともに6回まではしっかりとゲームメイク。しかし、打線の援護がなく、2連敗に。
またも主砲トラウトが欠場
仮定の話をしても意味がないかもしれませんが、もしも現時点でのエンゼルスが、4月15日から5月15日にかけて首位に君臨していたような状態であれば容易に二桁はクリアーしていたことでしょう。この時期は、トラウトとレンドンがいて、ウォード、マーシュ、ウォルシュ、ベラスケスも有機的に機能していた善循環のサイクルの時期。エンゼルスの編成が最も機能していた姿でした。
そしてこの2試合はトラウトは欠場。
もっとも、大谷選手自身も攻撃に参加しているので、打線を嘆くことは大谷選手を嘆くことにもつながってしまいます。ただ、マークは大谷選手に集中してしまうので、相手バッテリーからすると、エンゼルス打線の攻略はかなり楽な状態です。
ましてや相手はブレーブスでしたので、7イニング目に捕まってしまいました。
「10K以上を9試合」はMLB1位
なお、大谷選手は今季9度目の二桁奪三振。これは現時点でMLB NO.1です。また、現在二桁奪三振は6試合連続で、これは継続中です。
「王さんの記録を超える時」のような状態でなけば良い
少し、懸念するのが、NPBであったことですが、王さんのシーズンHR記録の55本を外国人選手が超えようとした時に敬遠を連発して、更新させないようにしていたのと同じようなことにならなければ良いなということ。アメリカのスポーツの二刀流の金字塔を他の国の選手が成し遂げてしまうことに対してのアメリカの本音は実は・・・。
これがもしドミニカ共和国の選手であったら、どうなのか?とも思います。
大谷選手にはそのような嫉妬にも似た感情を抱かせるような言動は一切ないですし、相当愛されて応援されているはずです。ただ、全ての選手は専業でやっているので、双方をトップレベルの品質でこなし、尚且つ馬車馬のように働いているその無尽蔵のスタミナなどにはある種の嫉妬はあるかもしれません。それはやろうと思ってもやれないのに、出来てしまう選手がいるということへの。
とにかく、報道にある通りの状態であって欲しいと思います。もっとも、これは筆者の主観ですから、違っていればいいなということで。
何よりエンゼルスのチーム状態が悪すぎますから。
異次元過ぎて、TDLで話はまとまらない・・・と思う
さて、ザワザワと大谷選手が噂話が出始めています。このトレードデッドラインで動くのではないか?という噂です。
実際、エンゼルスはチーム状態から行けばセラー(売り手)です。おそらくノア・シンダーガードは出て行くと思われます。アーロン・ループなどもかなり需要がありそうですし、ライアン・テペラもあるかもしれません。
そしてエンゼルスは大谷選手のことも含めて、オファーは一応聞く耳は持つという方針との報道もありました。
ドジャースなどはおそらくもう何らかのコンタクトは取っているはず。
筆者はベーブ・ルース由来でヤンキースが最も怪しいと思っていたのですが、マイケル・キングが離脱したり、ジャンカルロ・スタントンがILに入るなど状態が急激に落ちたので、現時点ではそれどころではないかもしれません。 前にも書きましたが、実はレッドソックスも少々怪しいです。そして資金力が豊富なメッツも。
ただ、大谷選手は現在はエンゼルスでのプレーに集中したいということなので、このトレードデッドラインで動く可能性は低いのかと。
大谷選手のステータス
大谷選手の現在の契約は、2年/$8.5M (2021-2022)で、2023年が調停のラストイヤー。FAは2023シーズンが終了してからです。
FAの1年前ほどに移籍が発生した場合、新しいクラブは長期で囲い込みたいがゆえに調停のファイナル・イヤーにFA後の契約も含めた条件で長期契約をしてしまうというケースが多いと思います。
考えているうちに8/2に?
ただ、大谷選手の二刀流の場合、どういう内容で契約すべきなのか?は希望している各クラブも頭を悩ましていると思われ、もし二人分なら$50M/年というとんでもない金額になってしまいますし、$30M/年の高額契約であったとしても、二刀流だと安いということにもなりかねません。
各クラブともにどう提示していいかわからないまま、トレードデッドラインの期限が来てしまう可能性が大きいと筆者は思っています。よって、動くならシーズン終了後ではないか?と。
もしMなら贅沢税がとんでもない額に
インターナショナルドラフトが消えたことで、FAで出ていかれたクラブにはドラフトの補償が今後もなされることとなりました。
同時に贅沢税のペナルティーにあるドラフトへの罰則も継続することに。
ちなみに主要なクラブの現地2022年7月30日時点の40manのサラリーはこちら。これは贅沢税換算(AAVで算出)になります。
- ドジャース: $302.3M
- メッツ:287.9M
- ヤンキース:$259.3M
- レッドソックス:$241.8M
- フィリーズ:$237.1M
- パドレス: $230.3M
今季の贅沢税の基準額は$230M。上記のクラブが基準額超えになります。ドジャースなど、もうTDL前に$300Mを超えています。
これに$50Mを足したらどうなるのか?ちなみにパドレスはレベニュー・シェアリングを受けているクラブですから。
大谷選手が、「やはりワールドシリーズで戦いたい」と思った場合、出る決断はするかもしれません。
エンゼルスの贅沢税は、$206.8MでMLB8位。トラウトとレンドンの二人で$70M超えです。もしも大谷選手が$50Mとなれば、3人で$120M。これだともはや編成は出来ません。しかも、3人とも怪我で欠いてしまったとしたら・・・とても戦えません。
現時点で思うことをつらつらと書いてみました。欠けている視点などもあるかと思いますが、お楽しみ程度に読んでいただけたら幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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