今季2度めの先発P&2番→RF
現地2021年5月19日(水)は、大谷選手の登板日でした。大谷選手はこの時点でHR14本で、両リーグ通じて単独トップ。ホームラン・リーダーがマウンドに上がるというすごい事態となった今季6度目の登板。相手は前日同様インディアンス。大谷選手は先発P、そして打者としても2番に入りました。
相手先発は、今季好調でここまで5勝を上げているアーロン・シバーリ(Aaron Civale)、25才。良い投手とのマッチ・アップでしたが、チーム打率が.213とMLB30クラブ中28位(現地2021年5月19日時点)と当たっていないインディアンスが相手でしたから、2勝目を上げるのではないか?と思っていたのですが、かなり意外な展開となりましたね。
カット・スライダー中心
その意外な展開についてですが、まずはゲームの流れを記したいと思います。
先制点を許す
この日の大谷選手は立ち上がり、2アウトまで奪ったものの、3番のホセ・ラミレスに2B内野安打を許し、この日初被安打。シフトを敷いていたので、通常の2Bゴロのコースが内野安打となりました。さらにホセ・ラミレスには二盗も許し、2アウトランナー2塁という状況に。
ここで4番のフランミル・レイエスに対して、スライダーで体勢を崩したもののLFに運ばれ、これがタイムリー二塁打となり、まず1点を先制されてしまいます。
エンゼルスが逆転
しかし、エンゼルスは3回裏、復帰したデービッド・フレッチャーがRFオーバーのトリプルを放ち、ゲームメイク。さらに、当たっているホセ・イグレシアスが二塁打で続き、1-1の同点に追いつきました。
エンゼルスは4回裏にも、もはや打線の中核となっているジャレッド・ウォルシュがRFにソロHRを放ち、2-1と逆転。大谷選手を支援します。ジャレッド・ウォルシュの打撃フォームは、美しいですね。いわゆる「割れ」が決まって、間もあります。しかし、ファストボールにもいつも対応。いいですね。
ジェイク・バウアーズに同点HR
逆転してもらった大谷選手ですが、5回表、イニング先頭のジェイク・バウアーズに左中間にHRを打たれ、2-2のタイスコアに。
大谷選手となにやら縁のあるバウアーズ
そのジェイク・バウアーズですが、現地2019年6月14日にサイクル安打を達成しています。
実は、そのサイクル達成の前日に大谷選手が「日本人初のサイクル」を達成しています。2年前にそのような因縁めいたものがありました。
またも4.2イニングで降板
バウアーズに同点弾を打たれた大谷選手は、アーメッド・ロサリオにも続けざまにシングルを打たれましたが、オースティン・ヘッジスをダブル・プレーにとり、2アウト。裏の攻撃でエンゼルスが勝ち越せば、勝利投手になるところでしたが、その権利まであと一人というところで、セイザー・ヘルナンデスに四球を出し、残念ながらここで降板。
6度目の二刀流は、4.2イニングで被安打5、失点2、与四球2、奪三振5、被本塁打1という内容でした。
大谷選手が4.2イニングで降板したのは、今季初マウンドとなった4月4日のホワイトソックス戦に続き、2度め。このときはホセ・アブレイユにきついスライディングをされ、降板となったのでした。
降板後、RFへ
大谷選手はこの日も降板後はRFの守備につきました。6回裏にはイニングの先頭としてバントヒットで出塁。打撃ではアンラッキーな当たりもありましたが、3打数1安打に終わりました。そして途中交代に。
インディアンスが逃げ切る
ゲームですが、エンゼルス2番手のトニー・ワトソンが6回表に、ジョシュ・ネイラーに勝ち越しタイムリーを打たれ、3-2とインディアンスが勝ち越し。
インディアンスはアーロン・シバーリが7回を被安打4、失点2、奪三振8と好投。二番手にエマニュエル・クラセが投げ、最後は安定の奪三振マシーン、ジェームズ・カリンチャックが2奪三振で締めて、1点差を逃げ切りました。
Low-90だったこの日の登板
この日の大谷選手の意外な展開とはその球速です。目を疑った人も多かったでしょう。中心は80mph中盤から後半のカット、スライダーでした。
100mph近辺をガンガン計測していた今季のスタイルとはうって変わった内容に逆の意味で度肝を抜かれてしまった方も多かったと思います。
前回登板はコントロールを重視してmid-90mphではありました。
この日のファストボールのMAXは4回表にハロルド・ラミレスに投じた95.3mph(153.37kmh)。
疲れが相当溜まっている
ゲーム後のインタビューで、「今日はブルペンでもボールが行かなかった」と話していた大谷選手。無理に球速を出そうとしなかったのはよかったと思います。それをやれば肘が心配です。ずっと出ずっぱりの今季は、誰がどう見ても疲れが溜まっていますよね。
慢性的な披露は腰にも来ますので、とにかく体は休められる時があれば、休めてもらいたいと思う次第です。
トラウトのいないエンゼルス。代わりの選手がいないだけにトラウトのWARは高いわけですが、あと2人ほど、当たりが出ている選手がいれば、大谷選手も楽なんですけどね。
追記:登板翌日
今季は登板前後のゲームも出続けている大谷選手。現地2021年5月20日(木)に行われたツインズとのゲームはダブルヘッダーが組まれていましたが、さすがにローカル時間で午後1時に行われたGame1には、出場しませんでした。
Game1はエンゼルスが勝利
Game1はアンソニー・レンドンがDHに、3Bにはホセ・ロハスが入りました。先発は伸びるファストボールでおなじみのアレックス・コブで、5イニングを1ヒッターに抑える好投。打撃陣も大谷投手の前日にいいところのなかったフィル・ゴセリンがHRと二塁打を放ち、4RBIと奮起。エンゼルスが7-1で勝利しました。
Game2で出場
ローカル時間4:09スタートとなったGame2では、大谷選手は2番DHで出場。ツインズ先発はホセ・ベリオス。大谷選手は3打席ありましたが、ベリオスとは2度対戦。3打席目は左腕のテイラー・ロジャースと。そのいずれもが三振に終わりました。
ゲームは6−3でツインズが勝利。
エンゼルスは19勝25敗で4位です。
ツインズ・バッテリー、変化球中心
ファストボールは行かれる!と踏んだのか、この日のツインズ・バッテリーの大谷選手への攻めは変化球が中心。ベリオスはカーブを多投。ロジャースもスライダー中心でした。疲れで体が流れると踏んだのか?うまく攻めたと思います。
現地2021年5月21日(金)からはアスレチックス戦です。アスレチックス・バッテリーの配球にも注目です。
試合後のインタビューで体調を不安視する声をかき消して、とにかく出場することとチームに貢献することしか考えていないと言った大谷選手。さすがの姿勢ですね。ただ、ファンとしてはしっかり体を休めてくださいとしか言えませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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