シーソーゲーム
現地2020年8月10日、アスレチックス@エンゼルスのゲームはなかなかしびれる展開でした。
中盤でアスレチックスの10連勝が濃厚になったと思ったのですが、エンゼルスが粘りを発揮。勝負を終盤に持ち込み、見事にシーソーゲームを制しました。
ラモン・ロレアーノが出場
9日のアストロズ戦で相手ベンチにチャージしに行き、退場処分となったアスレチックスのラモン・ロレアーノですが、この日はまだ処分が下っていないということでメルビン監督が虚を突いて起用。
ラモン・ロレアーノは反省の態度を示しており、アレックス・クリントンにアタックする前にタックルに入って事態の悪化を防いでくれた元同僚のダスティン・ガーノーに感謝の言葉を述べておりました。そして処分が下れば、甘んじて受け入れるというメッセージを出しております。
マナエアとテヘランが乱調
さて、ゲーム展開ですが、アスレチックス先発のショーン・マナエア、エンゼルス先発のフリオ・テヘランが、ともにゲームメイクに失敗。
ショーン・マナエアは1回裏にアンソニー・レンドンに今季2号となる2ランHRを打たれるなど3失点。3回裏にもジャスティン・アップトンにSS内野安打を打たれ、2失点。
一方のフリオ・テヘランも初回こそ彼らしいキレのいいボールを投げ込み、三者凡退に斬って取ったものの、2回表にはマット・チャップマンのHRなどで3失点。先制点を活かせませんでした。
結局、マナエアは2.2イニングで被安打7、被本塁打1で失点4。テヘランは2イニングで被安打5、被本塁打2で失点5という内容でした。
序盤で荒れたきっかけをつくってしまいましたね。
マット・チャップマンが止まらない!
さて、アスレチックスのマット・チャップマンが止まりません!
このゲームでは上述の通り、2回表にソロHR、さらに3回表にも2打席連続となる2ランHRを放ちました。この時点でアスレチックスが5−3と逆転。まだ、あります。4回表には満塁で走者一掃となる三塁打を放ち、8-4 とリードを広げる一打。
この日のマット・チャップマンは5打数3安打、2HR、6RBI。
なお、このゲームも含めた直近4試合では、19打数9安打、二塁打2、三塁打1、HR 4、RBI10、打率.474、OBP .474、SLG 1.316、OPS 1.789 という数字です。マット・チャップマンはゾーンに入っています。
エンゼルス、4回裏に3得点
4回表のアスレチックスの攻撃を終えたところで、スコアは9-4となり、アスレチックスの10連勝が濃厚になったのかと思ったのですが、エンゼルスはここから粘りました。
4回裏、エンゼルスはトミー・ラステラを二塁に置いて、マイク・トラウトが2ランHRを放ち、6-9と3点差に詰め寄ります。
さらに、1アウト後、アンソニー・レンドンが四球で歩き、大谷選手がRFへ二塁打を放ち、1−3塁に。
つづくアルベルト・プホルズのSSゴロの間にレンドンが生還し、7−9に。
ノエ・ラミレス、キーナン・ミドルトンが好投
荒れた展開がつづいたこのゲームですが、エンゼルスはリリーバーの好投で流れを引き寄せました。
5回表から登板したノエ・ラミレスがヒット1本を打たれながらもダブルプレーで凌いで三者凡退に。これが効きました。
ノエ・ラミレスは6回は先頭から2者連続四球を出し、ピンチを迎えますが、なんとか2アウトを奪ったところでキーナン・ミドルトンにスイッチ。キーナン・ミドルトンはマーク・カナをLFフライに仕留め、2イニング連続無失点をつくり、これが大谷選手に伝わりました!
大谷選手が同点2ランHR!これがまた豪快
6回裏、エンゼルスはトラウト、レンドン、大谷選手、プホルズ、アップトンへとつながる重要なターン。これで得点しなければこのまずい展開もあり得たのですが、投手がつくった流れをうまく利用しました。
マイク・トラウトが三振して1アウト後、アンソニー・レンドンがCF前シングルで出塁。アスレチックスのマウンドはこの回からルー・トリビーノ。
そして、大谷選手。その初球でした。
CFへ弾丸ライナーの2ランHRとなり、エンゼルスはついに9−9の同点に。
エンゼルスはイケイケとなったのですが、プホルズとアップトンが倒れ、このイニングで決めきれず。
7回は双方得点無し。エンゼルスのキーナン・ミドルトンはいい仕事をしました。エンゼルスは8回表はフェリックス・ペーニャが無得点に抑えました。
トラウトが勝ち越しHR
8回裏、アスレチックスのマウンドはヤスメイロ・ペティット。
エンゼルスは先頭のトミー・ラステラが3Bポップフライで倒れ、1アウト。
つづくバッターはマイク・トラウト。トラウトはペティットの投じた4球目の遅いカーブをロックオン。これがLFスタンドに入るHRとなり、エンゼルスがついに10−9と逆転に成功。
さすがマイク・トラウトですね。勝負強い。
チャップマンから始まる9回表
逆転したエンゼルスですが、まだ大いなる試練が残っていました。
アスレチックスは9回表、マット・チャップマンが先頭打者、そして当たっているマーク・カナ、ロビー・グロスマン、スティーブン・ピスコッティにまで回るターン。もうここまで回れば逆転されてしまいます。
タイ・バトリーが登板
その試練にエンゼルスのジョー・マッドン監督が送り込んだのは、タイ・バトリー。2018年のトレードデッドラインでイアン・キンスラーのトレードでレッドソックスから移籍してきた右腕。
2019年は72試合に登板し、6勝7敗、ERA 3.98。
もう1点取られてもという覚悟が必要だったかもしれません。ただ、スライダーは非常に良い投手。
タイ・バトリーは先頭のマット・チャップマンに対し、得意のスライダーをいかんなく投じ、チェンジアップも絡めてなんと空振り三振に。これは大きかったです。
マーク・カナには一転、4シーム押しの投球。しかし、98.6mphをLFへ弾き返され、1アウト1塁に。アスレチックスはピンチランナーを起用。
エンゼルスにとってはピンチでしたが、バトリーはつづくロビー・グラスマンにはスライダーを封じ、チェンジアップと4シームで勝負。スライダーは狙われていると思ったのでしょう。これが奏功し、4シームで空振り三振を奪い2アウト。
つづく打席はスティーブン・ピスコッティ。タイ・バトリーは初球、裏をかいてやはり4シームを選択し、これがストライク。ここでようやく伝家の宝刀のスライダーを選択。がむしゃらに2球続け、打球はLFライナー。
タイ・バトリーがアスレチックスの危険なターンを見事に無失点で抑え、エンゼルスがシーソーゲームを制しました。
エンゼルスはたまーに、このような大逆転をやってのけます。
アスレチックス戦はハードなゲームが続くことが予想されますが、なんとかピッチャーが踏ん張って攻撃につなげてもらいたいところですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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