92mph!2度目のカムバックを狙う!
現地2021年2月23日のニュースには驚きましたね。あの『マネー・ボール』の中にも登場する投手で、2016年9月23日を最後にMLBのマウンドから遠ざかっていたスコット・カズミア(Scott Kazmir)がサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結びました!!
スコット・カズミアは招待選手(NRI=Non Roster Invitee)としてジャイアンツのスプリングトレーニングのメジャーレベルに参加します。
契約
サラリーですが、メジャーに上がれば、$0.6Mのサラリーになる予定です。
ショーケースで92mph
何より驚かされたのは現役としてしっかりと調整をし続けていたというところですね。まさに、サバイブ!といった感じです。
2021年1月に行われたショーケースで、スコット・カズミアは92mphをマーク。下記の映像ではMAXは91.5mphですが、ファストボールはいいキレです。キャップから出ている髪が長髪気味だったのと、特有の足を投げ出すようなフォームをしっかり確認できなかったので、「本当にカズミアか?」と訝(いぶか)しんだのですが、本人のアカウントが下記の動画をリツイートしているので間違いなさそうです。
Scott Kazmir (@scottkazmir19) looking good as ever in his most recent pen for scouts. Ready for another comeback?! #DSTfamily pic.twitter.com/8HXy2UcxDY
— Kevin Poppe, CSCS (@TheKevinPoppe) January 30, 2021
5年前と同じレベルに
1度目のカムバック以降、ファストボールのベロシティーの平均でもっとも速かったのが、2013年の93.1mph。それ以降、2014年、2015年はいずれも91.0mph台。ファイナルとなっていた2016年は92.0mphですから、なんと5年前とほぼ同じレベルに達しています。
2020年も復帰を狙っていた
また、筆者は追えていなかったのですが、スコット・カズミアは2020シーズンも復帰に意欲を燃やしていました。
下記はちょうど1年前の2020年2月の動画です。トレーニングを続け、自らのボールに自信を深めていた様子がうかがえます。
ただ、2020年はコロナ禍でショートシーズンになったがゆえに、チャンスに恵まれませんでした。その間も虎視眈々とやるべきことをやって、コンディションを整えていた姿勢には感動すら覚えますね。
スコット・カズミアとは
スコット・カズミアは1984年1月24日生まれで、ちょうど37才になったばかり。
ドラフトは2002年アマチュア・ドラフトのメッツの1巡目指名で全体15位。テキサス州の高校卒です。
ハードスローレフティーだったルーキー時代
デビュー前の2004年のトレードデッドラインで、メッツからレイズへ移籍。メジャーデビューはその直後の2004年8月。20才の若さでメジャーデビューし、最速97マイル(約156km)のファストボールが武器の投手でした。
ルーキーステータスが有効だった2005年から先発でフル稼働。2シーズン目にもかかわららず、32スタートを経験。このシーズンは186.0イニングを投げ、成績は10勝9敗、ERA 3.77。ROYの投票で9位に入ったものの、このシーズンは100 BBとコントロールが荒れました。BB9は4.8。
2007年には239奪三振
メジャー4シーズン目となった2007年には34試合に先発し、206.2イニングに登板。13勝9敗、ERA3.48。このシーズンは239奪三振をマーク。
しかし、2008年に肩痛を発症。それでもそのシーズンは12勝8敗とまとめましたが、ここから苦難が始まります。
レイズにはその翌年の2009年8月29日まで計6シーズンに在籍。55勝44敗とキャリアの勝利数の半分以上をここで上げました。奪三振数が多いことと、その投げっぷりの良さで非常に人気のある投手でした。ただ、四球も多かったですね。
エンゼルスからリリース→独立リーグへ
2009年終盤にエンゼルスに移籍。しかし、エンゼルスでは肩痛もあってスピードが落ち、思うような投球ができず、2011年までの2年半で11勝17敗というとても不本意な結果に終わりました。その年の6月に解雇となり、2012年はリハビリという目的も兼ねてなんと独立リーグのチームで投げました。
2013年、CLEで1度目のカムバック
2013年、インディアンスとマイナー契約を結んだスコット・カズミア。再びメジャーのマウンドに上がるべく、このシーズンは招待選手としてスプリングトレーニングに参加していました。
この時、インディアンスのローテーションを狙っていた同僚が松坂投手です。フランコーナ監督のもと、2人がローテーション枠を競い合いました。残ったのはスコット・カズミア。カズミアはこの年、29スタート、158.0イニングを投げ、10勝9敗、ERA4.04と見事に復活のシーズンにしたのでした。
2014年にキャリアハイの15勝
2013年のシーズンオフ、FAとなったスコット・カズミアはアスレチックスとサイン。2014シーズンは32スタート、190.1イニングを投げ、15勝9敗、ERA 3.55で、キャリアハイの成績を残しました。
2015年のトレードデッドラインでアスレチックスからアストロズに移籍。アストロズでは2勝6敗とふるわず、2015年のオフにFAに。
2016年のLADがここまでで最後のMLB登板
そして2016年、FAとしてドジャースとサイン。これが現時点でのMLBでのファイナルのキャリアとなっています。このシーズンは26スタート、136.1 イニングで10勝9敗、ERA 4.56。
2017年はドジャースのマイナーで過ごしました。
2017年12月、ドジャースがマット・ケンプを再び取り戻したトレードで、チャーリー・カルバーソン、エイドリアン・ゴンザレス、ブランドン・マッカーシーとともにブレーブスに移籍。しかし、2018シーズン開幕直前の3月24日にブレーブスからリリースとなり、それ以降2019年までは所属なし。
2020年に独立リーグで投げ、今回、ジャイアンツでメジャー復帰のチャンスに巡り合ったという流れです。
通算108勝96敗。レイズ時代にちょっと投げすぎました。今のレイズの体制なら2年目のルーキーに先発を任せ、1年間フル稼働させるようなことはしないと思います。この投げすぎが響いて肩痛を患い、2012年に1度目の大きな離脱。
2013年に復活するも、2017年以降、再度肩を休ませる期間をつくらざるを得なかったという流れです。
2021年、ジャイアンツでローテーションに食い込めるか、非常に興味深いですし、ぜひローテーションの枠を勝ち取ってもらいたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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