37才、オールスター2度、2019年WSリング
残念なニュースが入ってきましたね。
現地2022年2月15日、オールスターに2度出場し、2019年ワールドシリーズ・リングを獲得。さらにゴールドグラブ賞を1度、シルバースラッガー賞を2度受賞したライアン・ジマーマン(Ryan Zimmerman )が、引退を発表しました。キャリア17年、シーズンとしては2020年にCOVID-19が家族に感染するのを防ぐためにオプトアウトしましたから、16シーズンになります。37才での決断でした。
まさにミスター・ナショナルズ!創設から所属
ナショナルズがモントリオール・エクスポスからクラブを引き継いだのは2004-05年のオフシーズンのこと。モントリオールからワシントンD.C.へ移転してきました。
2005年6月が、ナショナルズとしてのドラフト初指名となったのですが、その記念すべきファースト・イヤーに1巡目(全体順位4位)で指名されたのがライアン・ジマーマンでした。バージニア大学出身。
ナショナルズ初の1巡目指名のライン・ジマーマンは、なんとその年の9月1日にメジャー・デビュー。指名イヤーにデビューするのは非常に珍しいです。なお、最近ではホワイトソックスのギャレット・クロシェが2020年のドラフトで指名され、同年の9月18日にデビューを果たしていますが、同シーズンはマイナーがキャンセルとなり、クラブもポストシーズン確実となったことから、上で投げるということにもなりました。
ライアン・ジマーマンはそれから17年、16シーズンにわたってまさにナショナルズ史を体現する選手となりました。
2006年にROY2位
デビューイヤーは20試合の出場ながら、打率.397(HRは0)をマークし、大いに期待されたライアン・ジマーマンは翌年の2006年の開幕からスタメンに名を連ねることに。デビュー・イヤーはSSを守りましたが、2006年は開幕から3Bに。そして、ルーキーながら打率.287、OBP .351、SLG .471をマーク。二塁打は47、三塁打は3、HRは20、RBIはなんと110という特筆すべき打撃成績を残しました。そして、センスバツグンの3B守備はファンを魅了。
その年のNL ROYでは、2位に入りました。1位は当時マーリンズでデビューしたヘインリー・ラミレスで、成績はほぼ互角。へインリー・ラミレスは打率.292、OBP .353、SLG .480、46ダブル、11トリプル、17HR、59RBI。ただ、盗塁51というのがさすがに大きなインパクトを残しました。よって、ライアン・ジマーマンは僅差で及びませんでしたが、素晴らしすぎるルーキー・イヤーを過ごしたことは言うまでもありません。
2007年には162試合出場
そして2007年には162試合に出場。打席数が722というかなり異次元の数字を残しています。この年は打率.266、OBP .330、SLG .458、43ダブル、24HR、91RBIと前年と同様にインパクトのある成績をマークしました。この年には3Bのホットコーナーではリーグ最高の1人として評価されました。
2008年はブレーブスとのオープニング・ゲームで2−2のスコアで迎えた9回裏、ピーター・モイランからサヨナラソロHRを放つという派手な演出をしたこともありました。このシーズンは106試合の出場。
2009年にキャリアハイ
振り返るとライアン・ジマーマンのキャリア・ハイとなったシーズンはデビュー5シーズン目の2009年ということになるかと思います。
2009年は157試合に出場。打率.292、OBP .364、SLG .525、37ダブル、3トリプル、33HR、106RBIを残し、HR数ではキャリアハイです。安打数178もそうです。また、アウォードにおいてもゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞をダブルで受賞。さらにオールスターにも初選出されました。
2010年には142試合で打率.307をマーク。打率で言えば、この年がキャリア・ハイ。なお、シルバースラッガー賞は2年連続で受賞しています。
アウォードの華やかさなども考えるとやはり2009年がベストシーズンかもしれませんね。2009年が24才、2010年が25才のシーズンでした。
クラブがどん底で過小評価
非常によい活躍を見せていたライアン・ジマーマンでしたが、この頃はナショナルズにとって草創期で、いかんせん弱かったのです。2005年から2010年までの6シーズンでナショナルズは最下位が5度。作り上げているところだったのです。
よって、MVP投票でも2009年が25位、2010年が16位と成績に比して上がりませんでした。その意味では過小評価された時期でもありました。
2012年から名声も獲得
非常に厳しい時代を過ごしたライアン・ジマーマンでしたが、その名声がやっと轟くようになりました。
2012年、ナショナルズは98勝64敗でついにナ・リーグ東地区を制覇。初のポストシーズンを経験。この年はブライス・ハーパーのデビュー・イヤーでもあり、彼も大いに貢献しましたね。ライアン・ジマーマンは145試合に出場。打率.282、OBP .346、SLG .478、HR25、RBI 95をマーク。まさに主力として活躍しました。なお、この年は、投手のジョーダン・ジマーマン(Jordan Zimmermann)が12勝をマーク。彼の活躍も大きかったですね。2人のジマーマンがいて、ライアンの方はZimmermanと最後のnが1つ、投手のジョーダンの方は最後のnが2つ。
これ以降、ナショナルズは常勝軍団に。2012年から2019年までの8シーズンで5度もポストシーズンに出場することに。
2019年、念願のリング!
これまで2012年、2014年、2016年、2017年と4度ポストシーズンに進出を果たすも、どうしても破れなかったNLDSの壁をついに2019年に突破。
2019年はワイルドカードからの出場で、ポストシーズンを通じてライアン・ジマーマンは、ライアン・ジマーマンは足を傷めていたに主に代打で登場。3Bにはアンソニー・レンドン、1Bにはハウィー・ケンドリックが守ったりしていました。
ワイルドカードでは8回裏に代打で登場。ジョシュ・ヘイダーからしぶとくCF前ヒットを放ち、フアン・ソトにチャンスメイク。ナショナルズはこのイニングに3得点を奪い、逆転しNLDSへ。
鬼門のNLDSではマックス・シャーザーがGame2にセットアップで登板。シャーザーはGame4においても先発。Game5ではパトリック・コービンがセットアップに入るなど、ナショナルズは投手を総動員してドジャースに競り勝ち。
リリーフが弱かったナショナルズは先発2人を後ろにテコ入れしたことでポストシーズン中にブルペンが成長するというまれに見る戦いぶりを披露しました。
ライアン・ジマーマンも14-4で、打率.286 をマーク。
カージナルスとの対戦となったNLCSではナショナルズは4連勝! Game1ではアニバル・サンチェスがあわやNO-NOという素晴らしい投球を見せてくれましたね。ライアン・ジマーマンは16-4で打率..250。
そしてアストロズとのワールドシリーズ。これはしびれました。Game7ではどうもスタジアムが怪しいと思ったストラスバーグが、あえてフェイクの動きをしてアストロズを出し抜くというド正義を貫く戦いぶりで勝利。
Game7もよかったですね。
初のワールドシリーズとなったライアン・ジマーマンは7試合全てに出場。24-5、打率.208、HR1、RBI 2といぶし銀の活躍を見せてくれました。
ファースト・イヤーから所属したライアン・ジマーマンが最下位の連続からついにワールドシリーズのリングを獲得したのはまさにクラブとともに歩んだ象徴でした。
クラブが早期に囲い込み
若いころに強いクラブにいればかなりの評価を得ていたであろうライアン・ジマーマンは、2009年の大ブレーク前に5年/$45M(2009-13)でサイン。さらに、2012シーズンが始まる前に6年/$100M(2014-2019)でもサインして、クラブ側から早いうちから囲い込まれました。
ひょっとしたら、他のクラブでも活躍できた可能性は大いにありましたが、ナショナルズは長期で延長契約したことでWSチャンプを手にしており、結果、良い判断だったのではないかと思います。
2022年はもう他のクラブに行くしかないか?と思っていたところ、引退ということに。
足が良ければ、あの3B守備と1B守備の素晴らしさをもう一度見たいと思いますし、足を高く上げるあのかっこいいバッティング・フォームが見れなくなるのはかなり残念ですね。
お疲れ様でした。
お読みいただき、ありがとうございます。
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