ちょうど微妙な年齢で双方にメリット
現地2021年3月1日、カンザスシティ・ロイヤルズが、2019年に素晴らしい活躍を見せた3Bのハンター・ドージャー(Hunter Dozier /29)と4年の延長契約を結んだことを発表しました。
2日続けてロイヤルズの話題となりますが(ケルビン・ヘレイラの引退」)、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。新オーナーは地元愛に溢れた名士なので(記事)、つい応援したくなりますね。
延長内容
契約延長の中身は下記の通りです。
- 4年/$25M (2021-24)+ $10M (2025) クラブオプション($1Mバイアウト)
- サイニング・ボーナス:$1M
- 支払い:
- $2.25M(2021)
- $4.5M (2022)
- $7.25M(2023)
- $9M(2024)
- 4年めの2024年のサラリーは2021-23の3年間で$1,575PA以上でプラス$1.5Mアップ(=$10.5M)
- 2025年のクラブオプションは2021-24の4年間で、2,100 PA以上となれば、プラス$1.5Mアップ(=$11.5M)
- アウォード・ボーナスあり
まず、ハンター・ドージャーとロイヤルズは2020年12月2日に、2021年のサラリーとして調停を避けて、$2.72M(2021)でサインしていました。今回の延長契約はそれを上書きした内容となっています。
よって、2021年のサラリーは当初の設定どおりの金額になっています。ただ、支払い時期がいつかは明かされていませんが、サイニング・ボーナスが入りましたので、通例であれば2021年に支払われると思われ、この延長契約によって2021年は実質、プラス$1Mに。
普段、メジャーリーグのサラリーの情報に接していると$1Mの金額が平気で飛び交いますが、普通に考えれば日本円で1億円強ですから個人生活に与えるそのインパクトたるや、大きいですね。
実は遅咲きだったドージャー
ハンター・ドージャーの名前がMLB内を駆け巡ったのは、2019シーズンのことでした。
139試合に出場し、586PA、523ABで146安打。打率.279、OBP .348、SLG .522、OPS .870、OPS+は123。HR 26、三塁打が10でア・リーグトップ。RBIは84をマークしました。
この年はオールスター出場はならなかったものの、ALの3Bでファン投票で2位に。
本当に素晴らしい活躍だった2019年でしたが、ハンター・ドージャーは実はかなり遅咲き。
2021シーズンで29才になります。
もともとは2013年全体8位
もともとは2013年アマチュアドラフトでロイヤルズから1巡目指名で、全体順位は8位。ちなみに全体1位はアストロズのマーク・アペルで、カブスのクリス・ブライアントが2位。その他、コール・スチュアート、クリント・フレイジャー、ドミニク・スミス、ハンター・レンフローらが1巡目指名です。
2016年メジャーデビュー
メジャー・デビューはプロ入り3年後の2016シーズン。24才でのデビューです。大学卒の野手はこのくらいのデビューになることが多いと思います。
デビューイヤーは8試合のみで、初ヒットも記録したものの、その後は伸び悩みました。
2017年は1年間、マイナーで過ごすことに。
ようやくメジャーに定着し始めたのが2018年から。この年で102試合に出場、HR 11を放ったものの、打率が.229と上がりませんでした。しかし、2019年は上述の通り、見事に才能を開花させ、素晴らしい活躍を見せたのでした。
2020年はCOVID 19 の影響
このまま勢いに乗りたかった2020シーズンでしたが、COVID 19 に罹患。これで調子が今ひとつ上がらず、打率はまた.228と低迷。仕切り直しとなる2021年に意欲を燃やしているというところです。
今回の延長で32才までの契約
2021年1月でMLSが3.060 となっていたハンター・ドジャーは、今オフが調停資格1年目。よって、通常であればあと3シーズン(2023年終了後に)でFAとなるところでした。その場合、31才でのFA。
今回は4年で縛られますので、FAが1年延びる形となりますから、クラブオプションなしだった場合、2024シーズン終了後で32才でのFAに。
非常に微妙な年齢でのFAになります。4年後、FA市場がどうなっているかにもよりますが、30才以上の野手は厳しい状況かもしれません。オプションが行使されればさらに1年延びるので、頑張ってもらいたいと思います。
ハンター・ドージャーにとっても、すくなくともFAが1年延びるのは悪くないことだと思います。
ロイヤルズは、向こう3年は有望
ハンター・ドージャーがヘルシーであれば、ロイヤルズは2021年から3年間は非常に有望です。
SSのアダルベルト・モンデシーはハンター・ドージャーとMLSが同じで、2023年終了後にFA。
OFのアンドリュー・ベニンテンディーは、2022年終了後にFAとなり、モンデシーより1年早いですが、あと2年は良い戦力として期待できます。ウィット・メリフィールドもベニーと同じMLS。
これから、ボビー・ウィット・ジュニアがメジャーに上がってきて、他の野手によい刺激も与えるでしょうし、22才のOF、セウリー・マティアス(Seuly Matias)も期待大ですね。
2021年に限って言えば、オリオールズで実績を残したハンサー・アルバートもおります。マイナー契約ですが、メジャーに上がってくると思われます。
ロイヤルズ、なかなかおもしろい要素が揃っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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