何が起こった?
現地2019年12月23日のニュースです。ロサンゼルス・ドジャースの左腕で現在FAで所属先を探している真っ最中のリッチ・ヒル(Rich Hill)が妻とともに逮捕されたというニュースが入ってきました。
一報を聞いた時は「何事?」という事件でしたが、よくよく情報を見てみると、単なる「ゴリ押し」のひと悶着であったことが判明しました。
「奥様!テロ予防のため禁止ですよ」
夫妻が逮捕されたのは現地2019年12月21日のこと。ボストン生まれでボストン大好きのリッチ・ヒルはNFLももちろんニューイングランド・ペイトリオッツのファン。佳境に入っているNFL2019-20シーズンのゲームを見るべく、2人はスタジアムを訪れました。
NFLレギュラーシーズンのWeek16のこの日、地元ボストンのジレット・スタジアムではバッファロー・ビルズ@ニューイングランド・ペイトリオッツのゲームが行われました。
バッグがデカくて止められた
何が起こったかというと、入場の際のトラブルです。ヒルの妻であるケイトリンが入場する際に持っていたバッグが大きすぎてセキュリティに止められましたということでした。何が入っていたのかまでは定かではありませんが、ケイトリンは、その特大バッグを持って何度もスタジアムに入ろうと試みたということです。そして当局からの命令を受けて立ち去ることを拒否。
「なんでだめなのよ!」のトーンの数倍くらいのかなりのプッシュがあったのではないかと推測します。
夫人の容疑
夫人のケイトリンですが、警察署の最高管理者であるロバート・ボルガー氏の説明では、無秩序な行為と不法侵入の容疑で逮捕したとのこと。「無秩序な」というところがかなりゴリ押しして入ろうとした匂いがプンプンしますね。
リッチ・ヒルも逮捕
リッチ・ヒルですが、警察官が妻をバンに乗せて連れて行こうとした時に、干渉し始めたということで逮捕。「干渉」ということは、妻が連行されるのを見て、「おいおいそれはないよ」と、言葉とともにちょっとした肉体的な抵抗を警察官に試みたということだと思います。よく言う職務執行妨害(推測とだけ断り書きさせてください)。
夫妻で起訴される
夫妻は現地21日(月)に地元の地方裁判所で起訴されました。ボストン・グローブ紙の情報ではノーフォークの地方検事官の事務所が、夫婦に対する告発を刑事から民事に変更したとのことです。その事務所の広報の話では、リッチ・ヒルが逮捕に抵抗したという容疑は、却下されたとのこと。逮捕に抵抗するというのは本来なら重罪。しかし、刑事では取り下げてくれたということですね。
夫妻の罪状は民事違反となり、それぞれ250ドルの罰金を支払うよう命じられています。 またリッチ・ヒルに関してはさらに500ドルの罰金を科されました。刑事では流れたとしても民事で罰金が課せられたというのは逮捕の妨害(職務執行妨害)は重いという法的なアピールなのでしょう。
気をつけよう!スタジアムのバッグポリシー
さて、アメリカでは2001年の911のテロ以来、大きなイベント会場での入場のセキュリティーが厳しくなっています。もう10年以上前の話ですが、筆者が旧ヤンキースタジアムに観戦に行った際も、ビニール・バッグにかなり翻弄されました。
今回、リッチ・ヒルの美人奥様が持っていたのはどんなバッグかはわかりませんが、スタジアムにはバッグ・ポリシーというのがあります。ジレット・スタジアムのHPにも記載があります。
抜粋するとこのような記載があります。
- Only clear plastic bags(そもそも中身が見える透明バッグが大前提)
- (左)ジップロック型のビニール:11インチ四方を超えない(27.94cm)
- (真ん中)ビーチバッグのような型 : 12 x 12 x 6 インチ(縦30.48 x 横30.48 x マチ15.24cm)以内であること
- (右)ストラップあり/なしを問わないウォレット(財布):これは袋に入れなくてもよいが、その財布のサイズ自体が 8 x 5 x 2インチ(長い方:20.32cm x 短い方12.7cm x 厚み2.5cm)
「プラスチック」というのはビニールのという意味です。英語ではビニールバッグのことを「プラスチック・バッグ」と言います。持ち歩くような量なら、とりあえず透明のものに入れるということですね。会場での便利を考えるならビーチバッグ型が便利です。筆者は上記のリンクにも書いていますが、単なるビニール袋に入れさせられたので、不便でしかなかった経験があります。
もしもスタジアムに行くなら、ビーチバッグ型のものをご用意されることをおすすめします。事前に100均で買っておけばいいですからね。ただ、100均のお店に柄がないものがあったかどうかは定かではありません。たいがいは柄がついていると思います。
そもそもなぜ透明バッグなのか?
中身が見えることが要件であったり、サイズまで厳しく規制されている理由はもちろんテロ対策です。大きさまで規制されているのは今回の夫妻の出来事で筆者も初めて知りました。とにかく爆弾らしきもの、それらが入りそうなものはサイズからも除外していくという考え方のようです。
特に東海岸の北の方のスタジアムは要注意
これからNFL、MLBを見に行かれる方へ。
筆者は2019年はMLBを現地に見に行っていないので正確ではないかもしれませんが、10年前はエンゼル・スタジアムではバッグは何も指摘されませんでした。指摘されたのはヤンキー・スタジアム。おそらく、東海岸の北にあるニューヨーク、ボストンのスタジアムは厳しいのではないか?と思います。
観戦が決まっている場合は、スタジアムにバッグ・ポリシーがないか確認してからご準備なさることをおすすめします。
要は悪いやつが狙いそうなインパクトの大きいゲームは必須と考えた方がよいと思います。
リッチ・ヒルはコニグリアロ賞を受賞
リッチ・ヒルは膝の故障で2019シーズンはILからスタート。また6月から9月までの3ヶ月間、左腕の前腕の屈筋腱の痛みで離脱。レギュラーシーズンは13 スタート、58.2イニングで4勝1敗、ERA 2.45と不本意な数字ながらもNLDSのポストシーズンに登板。その復帰が評価され、トニー・コニグリアロ・アウォード(Tony Conigliaro )を受賞。トニー・コニグリアロ・アウォードとは怪我と戦い、奇跡の復活を遂げたトニー・コニグリアロにちなんで復活を遂げた選手に送られる名誉あるアウォードです。
FA市場でも人気あり
また今オフはFAとして所属先を探している状況ですが、左腕スターターということでなかりの需要がありそうです。ディールが早期に決まればよいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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