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【MLBロックアウト2022】2月21日と22日の交渉はほとんど進展なし

3日連続交渉のうちの最初の2日の模様

 オーナーと選手会(MLBPA)の団体交渉が現地2022年2月21日(月)からフロリダ州のジュピターで始まりまっています。交渉場所はカージナルスとマーリンズが練習するロジャー・ディーン・スタジアム内です。

 日本時間22日夜に当日行われた現地21日(月)の状況を整理してお出ししたかったのですが、あまりに進展がなかったので、編集を途中でやめてしまいました。とは言え、追っていかないと状況がわからなくなり、仮に新CBAが誕生してもその経緯は知っておいた方がいいので、2日間の結果を記しておきます。

Day1:21日(月)の交渉の模様

 まず、現地2022年2月21日(月)の交渉の模様です。

 この日の会談は、まず1時間ほど両者が会談。その後は一旦双方で持ち帰り、双方の間で議論を戦わせ、夕方に再集合して会談して終了という流れだったようです。

 オーナー側はこの日、最新の対案を提示。調停前の選手のボーナスプールの金額やドラフト・ロッタリー(くじ)といった問題で小さな動きがあったようです。

オーナー側がボーナス・プールで対案を出すも大きな開き

 MLB(オーナー側)は、ボーナスプールの割り当てを$20Mに引き上げ。30人の選手グループに分配することを提案し、以前のオファーより$5M増額させた内容を提示しました。

 前回の会談で選手会が提示していたのは、150人の選手を対象に$115Mのボーナスプールを要求。これから考えると、21日のオーナー側の対案は選手会の要求額にははるかに及ばないものです。両者の間には金額としては$95M、対象選手の数では120人の開きがあり、依然このギャップは大きいままです。

ドラフト・ロッタリー

 また、オーナー側はドラフト・ロッタリーに対して、その内容を提示。アマチュア・ドラフトの最初の4人の指名を抽選で決定することを提案。ちょっと追えていなかったのですが、オーナー側はそれまでにこのドラフト・ロッタリーを3人で提案していたようです。今回は1人増やしました。

 それに対して選手会は、上位8名を決定することを求めているようです。この抽選には前シーズンにプレーオフに出場していないクラブも対象となるということですが、指名の獲得確率というものを定め、それをシーズンの成績で加重されると仕組みの抽選を実施することを構想しているようです。

 ということで、まだ方式は決まっていないし、導入も確実ではありませんが、もし導入となるなら、最初の全体1位から数名をクジで決めるというNPBとほぼ変わらない方式になるのではないか?などと思っています。ただし、前年WS制覇のクラブも両リーグ通じて最下位のクラブも横一列に並ぶのではなく、なんらかの成績の加重はついてくると思われます。

 なお、NBAとNHLが導入している抽選制度の目的は、ドラフト上位の有望選手や最高額の契約金プールの割り当てを断つことで、下位成績の優位性を減らすことにあります。ドラフトと言えば、戦力の均衡を目指すウェーバー方式が採用され続けてきましたが、前年の下位クラブがトップ・プロスペクトを指名できることから、ネクスト・スターを目当てに勝利努力を怠るタンキングが特に2021シーズンは問題になっていました。

贅沢税は未着手

 そしてこの日は、贅沢税に関しては新たな提案はなかったようです。閾値しきいちをどこに設定するか、それを超えた場合にどのような罰則を設けるかは、依然として決まっていません。

マイナー・オプションの回数制限

 また、この日はオーナー側が提案していたマイナー・オプションの回数制限は含まれていな勝った模様。この点に関してはオーナー側は1年に5回という上限を提示し、選手会はこれを4シーズンに設定することを求めていた模様。旧CBAでは、オプショナルイヤーであれば年間の回数に制限はなかったものの、一般的に3年以内にオプションされる選手に制限されていました。

マイナー・ロスターの縮小案

 オーナー側は以前、マイナーリーグのロスターサイズを縮小する案を提示していたようです。これも追えていなかったのですが、この日の会談の模様ではもはやオーナー側はこの件に関しては求めて行かない方針とも。ただいずれ議論は復活してくるかもしれないとのことです。

DAY2:22日(火)の交渉

 現地2022年2月22日(火)に行われたDAY2の結果です。前日に引き続いて オーナーと選手会がロジャー・ディーン・スタジアム内で、顔を合わせました。この日は3時間の会談だった模様です。

選手会:スーパー2の対象割合を減らす対案

 この日、選手会はMLS3年で調停前のスーパー2の対象選手をトップ80%から75%に減らす対案を提示しました。その代わりに最低年俸をもっと増やすよう要求した模様です。

 これまでのスーパー2は上位22%で、オーナー側はこれを増やすつもりは毛頭ないことから、また今回の対案で合意は遠ざかったようです。

選手会:最低年俸を毎年3万ドルずつアップさせる新提案

 この日、選手会が行った提案は最低年俸を年間約3万ドルずつ昇給させる案です。

  • MLB側:
    • MLS 1年未満の選手:$0.615M→いつ提示したのかわかりませんが、$0.63Mを提示していたようです。
    • MLS 1-2年:$0.65M 
    • MLS 2-3年:$0.7M→12日に行った提案:$0.725M
  • 選手会側:$0.775M(すでに提示されていた提案)←22日、これを1年目の最低年俸に
    • MLS 1-2年: $0.805M
    • MLS 2-3年: $0.835M
    • MLS 3-4年: $0.865M
    • MLS 4-5年:$0.895M

贅沢税

 この日は贅沢税もトピックに上がったようですが、進展はありませんでした。

 団体交渉は23日(水)も行われます。まったく合意が見えていません。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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