レッドソックスの期限1日前のディール
現地2022年8月1日、レッドソックスはヒューストンでアストロズと対戦。ネイサン・イオバルディとルイス・ガルシアの投げ合いとなりました。
ネイサン・イオバルディはこのトレードデッドラインで「動く」噂のある投手で、今回は舞台がフェンウェイではないですが、ひょっとしたら、これがレッドソックスでの最後になるかもしれないという登板でもありました。
そのイオバルディは7回途中まで登板。失点2と見事にゲームメイク。打線もジャレン・デュランのタイムリーダブルとHRなどで3点を奪い、3-2のスコアでアストロズに勝利しました。
【1】バスケスがアストロズへ
そのレッドソックスですが、このトレード・デッドラインでは売りなのか、買いなのか今一つ態度がはっきりしない状態。というのも現時点でALイーストの最下位ではあるのですが、この勝利で勝率は5割に。まだまだ状況次第ではワイルドカード枠に入ることができる成績だからです。
しかし、レッドソックスも動きました。
とても献身的で、ゲームに常に集中。野球ができる喜びをいつも精一杯プレーで表現している捕手のクリスチャン・バスケスがアストロズへトレードされることになりました。
バスケスのトレードなどもあり、この日、アストロズに勝利したレッドソックスでしたが、ロッカールームは沈んでいたようです。
そのバスケスのディールです。
【YOUTUBE】RED SOX WALK IT OFF! Christian Vázquez homers to win Game 3 of the ALDS at Fenway!
アストロズGet
- クリスチャン・バスケス(Christian Vázquez/31)C/右投げ右打ち
レッドソックスGet
- エマニュエル・バルデス(Enmanuel Valdez/23) 2B, 3B, LF/ 右投げ左打ち
- ウィルヤー・アブレイユ(Wilyer Abreu/23) OF/ 左投げ左打ち
マルドナードがいるのに?
アストロズにはマーティン・マルドナードというゴールドグラブ受賞捕手がいますが、このトレード・デッドラインでずっとキャッチャーを探していたのは捕手の打撃が悪かったからです。マルドナードは打率.175、打撃の良いはずのバックアップ、ジェイソン・カストロは現時点ではILに入っていますが、打率は.115。また、マルドナード、カストロともに35才という年齢もあります。
ここで1世代下のバスケスを入れることで数年間は戦力の維持は出来ますし、何よりバスケスの打撃力は魅力です。打率.282、OBP .327、SLG .432。それに加えてバスケスは右打ちも得意で、相手投手が絶好調で他の打者が手が出ない時であっても、するどく一二塁間を抜いたりします。
バスケスの契約
バスケスの現契約は3 年/$13.55M (2019-21)。2021年オフにレッドソックスがクラブオプションを行使しました。今季のサラリーは$7M。もしもアストロズがこのオフにバスケスを手放した場合、バスケスにとっては初めてのFAということになります。
バスケスはレッドソックスで8年プレー。捕手でありながら、打率.262、OBP .311、SLG .432、HR 54、RBI 266をマーク。なお、ごくたまにですが、2B、3Bもこなします。
リードは正直、今ひとつというふうに筆者は思っておりますが、それをカバーする活躍を見せていたバスケス。アストロズでも羽ばたいてもらいたいです。
2人のプロスペクト
レッドソックスが獲得したのは2人の左打者。これがともにいい左打者です。
エマニュエル・バルデス
エマニュエル・バルデスは、ドミニカ共和国出身の23才。守備は2Bか3B。175cmとメジャーの野手としては小柄ですが、打撃センスは素晴らしいです。2022年はAAとAAAでプレー。両レベルを併せた数字は、打率.327、OBP .410、SLG .606、HR21、RBI 77。二塁手として今季は5つのエラーがありますが、2B、SSは難しい当たりが飛ぶのでむしろかなり頑張っていると見てよいのかと思います。
場合によってはもう試合に出してもいいかもしれません。
ウィルヤー・アブレイユ
こちら、今後表記ゆれが出るかもしれません。発音通りに記載したのですが、実況もどこまで調べて発音しているのかは不明。ウィルヤー・アブレイユは23才になったばかりのOFで、こちらは長打力が期待できる左打者。今季はAAで15HR。腰の座ったいいスイングをします。
【2】ジェイク・ディークマンがCWSへ
リリーバーのジェイク・ディークマンも動きました。こちらはピッチャーと捕手とのスワップ。
こちら、一部追記致します。
ホワイソックスGet
- ジェイク・ディークマン(Jake Diekman/35)LHP
2020年の短縮シーズンではERA 0.42を誇った左腕は、今季はERA 4.23。7月は特に悪く、ERA 6.57。信頼感を失っていただけに、ホワイソックスでまた新たな活路を見出してもらいたいところです。
レッドソックスGet
- リース・マグワイヤ(Reese McGuire/27) C/右投げ左打ち
- 【追記】PTBNL or Cash (後述)
リース・マグワイヤは2013年のパイレーツの1巡目指名。2016年にパイレーツがドリュー・ハッチソンを獲得したトレードでブルージェイズへ移籍。2022年4月にザック・コリンズとのトレードでホワイソックスに移りました。
打率は2019年に.299をマーク。今季も.225。安打はある程度は見込まれる捕手。ただ、一発はありません。今季はHR0。メジャー5シーズンでも9 HRです。捕手ゆえに出場機会が少なかったというのもあると思います。
バスケスが抜け、ケビン・プラウェッキと併用ということになりそうです。果たしてコナー・ウォンとどちらが打つのか?という感じがしますが・・・。
追記: PTBNL=テイラー・ブロードウェイ!
2022年9月3日、追記致します!このトレードはスワップが決まった後に、ホワイトソックスからレッドソックスへ、PTBNL or Cashという条件が追加されておりました。
そして、現地2022年8月30日に、テイラー・ブロードウェイがレッドソックスに移籍することになりました。テイラー・ブロードウェイは現地8/30時点で25才。ドラフトは2021年のホワイトソックスの6巡目。Ole Missことミシシッピ大の出身なのですが、その前に2年ほどジュニア・カレッジに行っていたようです。
大学時代から二刀流。プロ後もリリーフ兼OFです。いいボール投げます。
下記はBOSのAA、ポートランド・シードックスで投げるテイラー・ブロードウェイ。いいボールです!!
Taylor Broadway with 2 IP and 3 K in his organizational debut. Some of his outing: pic.twitter.com/WlemvnxE8H
— Red Sox Stats (@redsoxstats) September 3, 2022
【3】トミー・ファムの獲得
レッドソックスは打撃力強化としてレッズからトミー・ファムを獲得。
今季はプレーよりも張り手の方で有名になりました。
レッドソックスGet
- トミー・ファム(Tommy Pham/34) LF/右投げ右打ち
レッズGet
- PTBNL (後日指名)or Cash
ディールは後日指名のプロスペクトかキャッシュということに。たぶん、キャッシュになると思われます。
レッドソックスのLFはアレックス・ベルドゥーゴがおりますので、トミー・ファムは、RFもしくはDHでということになりそうです。J.D.マルチネスもトレードが噂されていますので、そうなるかと。
ファムは今季はそれほどいい数字ではありません。打率.238、OBP .320、SLG .374、HR 11、二塁打11、RBI 39。J.D.の方が強そうです。ただ、RFを任せた時に、現状のジャッキーよりは攻撃力は上がるかと。
以上、期限1日前のレッドソックスのディールでした。
最終日、レッドソックスは相当動きそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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