調査終了前に早めにけじめ
アストロズのサイン・スティーリング・スキャンダルが一つの結論を見せた中、2018年のレッドソックスのレギュラー・シーズン中のサイン・スティーリング疑惑の解明はまだ調査中の段階ではありますが、現地2020年1月14日、レッドソックスもコミッショナーの公式声明の発表を受け、処分を下しました。
アレックス・コーラ監督を解雇へ
レッドソックスはアレックス・コーラ監督との決別を決定。解雇処分としました。最高幹部である主オーナーのジョン・ヘンリー氏、取締役会長という地位といえるチェアマンのトム・ワーナー氏、CEOのサム・ケネディー氏、そしてアレックス・コーラ監督が膝を交えて話し合った結果、世界一への貢献を惜しみつつもけじめをつける意味でコーラ監督の解雇という結論になりました。
コーラ「迷惑をかけられない」
自身も選手時代にレッドソックスに4年間在籍(2005年途中から2008年まで)していたコーラ監督は、上記クラブ側の声明にレッドソックスへの感謝の意を示しつつ、クラブがこれから前を向くために話し合いの上、クラブを後にするというコメントも載せられています。
192-132 :勝率.593
アレックス・コーラ監督のレッドソックスでの2018-19シーズンの2年間の成績は192勝132敗、勝率.593。監督して5割後半の勝率というのは非常に高い数字です。
もっとも、それが本当に監督としての全ての手腕だったのか?という疑問がつきまとう形となったのが、スキャンダルです。
調査終了でもよかったとは思うが
冒頭でも書きました通り、レッドソックスへの調査はまだ進行中です。その前に監督を辞めさせてしまったのは、強引な幕引きを想像させてしまうので、できれば調査終了後をもって決めて欲しかったとは思います。しかし、年が明け、1ヶ月後にはバッテリー組のスプリングトレーニングのワークアウトがスタートする時期となり、編成の意味ではもう後がないということから、レッドソックスは調査に全面協力という意味でもこの決断に至ったと思います。
疑惑
アレックス・コーラの疑惑を整理すると、以下になります。
- 2017: アストロズのベンチコーチ時代に、ビデオルームをサイン解読のために使ったことへの関与
- 2017: センターカメラでサインを解読→ゴミ箱を叩いて打者に通知したことへの関与
- 2018: リプレー・ルームの不正使用の関与
これらが上げられます。なお、2017年のアップル・ウォッチによるサイン盗み疑惑はジョン・ファレル時代のことです。
追記します。なお、MLBの調査の結論ではアレックス・コーラはどの疑惑に対しても重要なスキームに関与していなかったと結論付けられています。
集中した監督だっただけに・・・
コーラのベンチワークは1球1球に集中していてとても熱心だっただけに今回のスキャンダルで渦中であったことは大変残念です。思いがあまって超えてはいけない線を超えたかとは思います。
今後、指導者としてのキャリアがどうなるか、非常にもったいないことです。
ブルームさん、監督探しへ
ムーキー・ベッツと調停を避け$27Mでサインしたレッドソックスですが、まだ$208Mの贅沢税の基準額を超えたまま。$30Mクラスの削減を決断するしかなさそうですが、額が額だけになかなかマッチングに苦労しているようです。
デービッド・プライス、ジャッキー・ブラッドリー・Jr.、ネイサン・イオバルディーの名前も上がる中、シェーン・ブルーム新オフィサーはさらに新監督探しにも着手せざるを得なくなりました。彼ならなんとかうまくやりきるでしょう。なんと言ってもギリシャ哲学を学んできた人ですから、知恵が授けられるでしょう。
どんな人事を見せるのか、注目です。ここでレイズからまた引き抜きがあったら、かわいそうすぎますね。
調査結果は後日
なお今回はクラブ側が先行して処分を発表したということなので、後日調査結果が明らかになった時点でMLBオフィスからなんらかのペナルティーが課せられます。
ベルトランも何らかの処分に
関与の度合い次第かと思いますが、現時点でお咎めなしのカルロス・ベルトランに対してもなんらかの圧はかかりそうです。罰金なのか、新しい船出がサスペンションになるのか? お咎めなしなら、ベルトランは癖を見抜くことだけをしていたんだという明確なコメントもほしいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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