開幕まであと2週間!
現地2020年7月8日、MLBはスプリング・トレーニング2.0の真っ最中。今現在行われているこのワークアウトの呼称ですが、もはや「サマー・キャンプ」という呼称の方が定着しつつありますね。しかも、ダイレクトにしっくりきます。
そのサマー・キャンプが始まり、現地2020年7月8日で2度めの週末を迎えようとしています。この記事で取り上げるシンシナティ・レッズがフルスクアッド(全員集合)でキャンプをスタートしたのは7月3日(金)から。翌週には3度めの週末を迎え、そしてその翌週の現地24日には早くもオープニング・デーとなります。
本当にあっという間の開幕です。そしてシーズンはとても短い。
ソニー・グレイがレッズの開幕投手に
そんな中、シンシナティ・レッズのデービッド・ベル監督は、オープニング・デー・スターターを早くも指名。ソニー・グレイ(Sonny Gray)に決めました!
それを受け、ソニー・グレイもコメント。このコメントが2020シーズンを的確に捉えていて、とてもいいよかったので記載しておきたいと思います。
ソニー・グレイのコメントがよかった!
以下はレッズのサイトに記載されていたコメントです。
“To be an Opening Day starter, especially in this circumstance, I try to put myself in that moment,” Gray said. “It’s going to be an important day. It’s going to be a fun game to play. Baseball will be back, and it will be back in some of the weirdest and craziest circumstances within the baseball game that’s it’s ever, really, been a part of. I think 2020 is going to be a season that is going to be remembered forever.”
「野球史に残る特別な2020年」
「開幕投手に指名されたことを胸に刻みたいと思います。この環境においては特にそうです。その日は特別な日となるに違いありません。そしてしっかりと味わいたいとも思います。というのも、かつて野球史にこんなに奇妙でクレージーなシーズンはありましたか?我々はそんな歴史の真っ只中にいます。2020年は永遠に忘れられないシーズンになることでしょう」(筆者意訳)
記事タイトルは字数の関係でやや編集したものですが、可能な限りニュアンスを抽出したものです。
このコメントを見て、ソニー・グレイは頭の良い投手だなと思いました。2020シーズンをどう捉えるかは人によって様々です。ソニー・グレイは自分が今いる位置を冷静に俯瞰した上で評価し、この年に投げる意味、そしてその価値を見出しています。
これは考えが積極的でないとなかなか出ない発想かと思います。それが自然に出来ているのは、さすがのソニー・グレイで、178cmの小さい部類の身長でもMLBでサバイブしているだけのことはあるなと思った次第です。
ソニー・グレイ、自身3度めの開幕投手
ソニー・グレイは1989年11月7日生まれ。現地2020年7月9日時点で30才。
高卒時、カブスから27巡目で指名されるも拒否。バンダービルト大に進学。そうです、彼はバンディー・ボーイです。2011年にアスレチックスから1巡目指名を受け(全体18位)、プロ入りしました。
デビューは2013年7月10日。デビューイヤーは12試合、10スタート、64.0イニングで5勝3敗。
2014: デビュー2年目でオープニング!
そして初めてオープニング・デー・スターターを任されたのはデビュー2年目の2014シーズン。アスレチックスは若手を上手に起用しますよね。
残念ながら、このゲームはインディアンス先発のジャスティン・マスターソンが好投したため、アスレチックスは0−2と惜敗。ソニー・グレイも6イニングを無失点に抑えたのですが、リリーバーのジム・ジョンソンが打たれ、敗れました。
2014シーズン、ソニー・グレイは33スタート、219.0イニングを投げ、14勝10敗、ERA 3.08と好成績を上げたのでした。
2015: 2年連続で開幕投手
そして翌2015シーズン、ソニー・グレイは2度めの開幕投手に指名されました。ソニー・グレイはレンジャーズ打線を8回、被安打1、無失点に抑える好投。序盤からの味方の援護もあり、見事に勝利投手に輝いています。
この年、ソニー・グレイは31スタート、208.0イニングを投げ、14勝7敗、ERA2.73。サイ・ヤング賞の投票では3位にランクイン。勝率、ERAはキャリアハイのシーズンです(現地2020年7月9日時点)。
2017年夏にヤンキースへ
2014年と2015年の疲れからか、2016年は5勝11敗、2017年は10勝12敗と苦しみました。ヤンキースに移籍したのは2017年7月末のトレードデッドラインでのことでした。
2019シーズンからレッズへ
2018シーズンはヤンキースで11勝9敗と頑張りましたが、ERAが4.90と悪かったです。この1年半はヤンキースでしんどい思いをしましたね。
そして2019年のソニー・グレイは31スタート、175.1イニングで11勝8敗。勝利数は前年と変わりませんでしたが、ERAが2.87と大幅改善。本人も復活の手応えを感じたと思います。
以上がソニー・グレイのキャリアの流れとなります。
レッズの2020 ローテーション
2020年、レッズのローテーションはかなり強力です。
順番はソニー・グレイ以外は未定ですが、ご覧の面々。
- ソニー・グレイ:11勝8敗、ERA 2.87 (2019)
- ルイス・カスティーヨ: 15勝8敗、ERA 3.40 (2019)
- トレバー・バウアー:11勝13敗 ERA 4.48 (2019 CLE&CIN)
- ウェイド・マイリー:14勝6敗 ERA 3.98 (2019 HOU)
- アンソニー・デスクラファニー:9勝9敗 ERA 3.89 (2019) LHP
ルイス・カスティーヨかと思っていた!
実は筆者はレッズのオープニング・デー・スターターはルイス・カスティーヨかと思っていました。彼はチェンジアップの鬼ですね。実績、チームの顔と言った面から考えても間違いないと思っていたので意外でした。
ベル監督、ルイス・カスティーヨにも仁義
どうしてソニー・グレイなのか、ベル監督は詳細を明かしてはおりません。これはチームの戦略ですから致し方ないところでもあります。
ただ、ベル監督はルイス・カスティーヨには、開幕投手をソニー・グレイにすることを告げています。そしてルイス・カスティーヨも特に打ちのめされることはなく、受け入れたということです。そこは一安心でもあります。
ルイス・カスティーヨは4戦目、カブスとのGame1か?
おそらく、この指名は日程と関係があるのではないか?と思っています。
レッズのオープニングは7月24日、タイガースとのインターリーグ3連戦から。そして移動日を挟まず、中地区のライバル、カブスとの4連戦がスタートします。
相手打線を考えた際、やはりタイガースよりカブスの方が強力。その点から、ルイス・カスティーヨをカブスとの初戦あるいは2戦目に当ててくるのではないでしょうか。60試合を5人のローテーションでまかなうと、一人12試合。4番め、5番めも今季は回転数にあまり影響を与えないように思います。
8月後半、レッズはカージナルス、ブルワーズ、カブスという中地区で2019年トップ3のクラブとの対戦が目白押しです。ローテーションの順番が遅い方がこれらのライバルとマッチアップ出来るシチュエーションは増えそうです。
そんなことを考えると、やはりルイス・カスティーヨに大きな信頼を寄せていることがよくわかります。説得の際はこの点を伝えたのではないかと思います。
以上、筆者の推察も入っておりますが、レッズの2020年のローテーションについてでした。楽しみですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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