ユーティリティとマイナーディール成立
久々の移籍関連のニュースです。現地2020年3月25日、ボストン・レッドソックスはユーティリティープレーヤーのジャイロ・ムニョス(Yairo Muñoz)とマイナー契約を結びました。
現地2020年3月13日にスプリング・トレーニングがシャットアウトとなって以来初めてのディール成立かもしれません。
ジャイロ(ヤイロ)・ムニョスとは
今回のマイナーディール成立に至るまでの経緯の前にジャイロ・ムニョスについて先に記載したいと思います。
表記
まず表記ですが、スペルはYairoなので「ヤイロ」と読みたいところですが、実況やインタビューを聞く限り、「ジャイロ」と発音しています。Baseball Referenceの本人のページも、発音は \JYE-row MOON-yos\ というふうになっていますのでここではジャイロという表記にさせていただきたいと思います。スペルとは違った読みに違和感があるかもしれませんが、ゲームを見た際に、「あれ?」と思わないと思います。
25才ユーティリティー・マン
ジャイロ・ムニョスは1995年1月23日生まれの25才。もともとはアスレチックスの選手で、2012年、17才の時にアマチュアFAとしてサインしました。ドミニカ共和国出身。
ピスコッティーとのトレードでカージナルスへ
2017年12月、アスレチックスがスティーブン・ピスコッティー(Stephen Piscotty)を獲得したトレードで同じ年のマイナーリーガーの内野手、マックス・シュロック(Max Schrock/2015年ナショナルズ13巡目指名)とともにカージナルスへ移籍。
メジャーデビューは2018年3月29日のメッツ戦。
過去2シーズン、メジャーを経験。2018年は108試合、.打率276、OBP .350、SLG.413、HR 8、RBI 42、盗塁5、BB 30、SO 71。2019年は88試合に出場。打率 .267、OBP .298、SLG .355、HR 2、RBI 13、盗塁8、BB7、SO 37。
本職はSS
本職はSSでありながら、過去2年はチーム事情もあり内外野をユーティリティーとして守りました。2018年の経験ポジションはSS、2B、3B、OFすべて。2019年も同様です。
もともと守備がいいだけに、チーム事情やゲームシチュエーションで色々なポジションをこなしてきました。
2018年のスプリングトレーニングで好成績
今回の契約と関連が出てくるのですが、ムニョスは2018年のスプリングトレーニングで23試合、62打数20安打、打率.323、OBP .364、SLG .516、HR3、RBI 10、BB 4の好成績を上げ、開幕戦にも代打で出場。開幕4戦目からレギュラーを掴みかけたのですが、その座をものにするには至らず、チーム事情やゲームシチュエーションで上記の通り、108試合に出場しました。
2019年の起用に不満
2019年はカージナルスは最終的にナ・リーグ中地区を制覇しました。カージナルスの内野はSSにポール・デヨング、3Bには怪我に悩まされましたがマット・カーペンターが、2Bにはコルテン・ウォンがおり、なかなかジャイロ・ムニョスにチャンスが巡ってきませんでした。
シーズン後半にはトミー・エドマンというプロスペクトが起用されるケースも増え、いわばジャイロ・ムニョスの居場所がなくなったということが言えると思います。その少ない起用に不満がたまっていたのか、2019年は非常に苦しみました。BBが2018年の30から7へ激減したのも焦りの裏返しと言っていいかもしれません。
2019スプリングトレーニングでハムストリングス痛
2019年のスプリングトレーニングの成績は6試合、16打数6安打、打率.375と好調だったものの、ハムストリングスを傷めてしまいます。
FLY to ドミニカ共和国
そしてチームドクターの言うことを聞かず、いわば無断でドミニカ共和国へ帰ってしまったという子供のような態度を執ります。これにカージナルス幹部が激怒。ついに3月7日にカージナルスをリリースとなったのでした。
フラストレーションをそのまま態度に出してしまう子供っぽいところがある選手でもあります。良い言い方をすれば素直なのかもしれません。非常に良く言ったとしてです。
ポーケットへ
レッドソックスはそんなジャイロ・ムニョスをマイナー契約で獲得した訳ですが、2018年のムニョスが出現するなら割とお得な契約になるかもしれません。
レッドソックスもカージナルス同様、内野は人材が豊富。3Bのラファエル・デバース、SSのザンダー・ボガーツは決定です。2Bにはマイケル・チャビスが入るとは思いますが、今オフにレッズから獲得したホセ・ペラーザもおり、打撃次第でチャビスかもしれませんが、ペラーザの2Bも捨てがたく、この2人の争いになりそうです。また、スプリングトレーニングでアクティブ・ロスター入りとなった21才のジョナサン・アラウズもおり、ムニョスとすれば下から這い上がってくるしかありませんね。
なお期待のボビー・ダルベックは40manには入っております(現地2020年3月26日時点)。
ジャイロ・ムニョスは2019年のポストシーズンではナショナルズとのNLDSに出場。1打席で三振に終わりましたが、それでもポストシーズンのアクティブ・ロスターにも入っていた選手です。
ゲームでつなぎの役割を担える選手
プレースタイルは守備はうまく、足もあり、しぶとい打撃が持ち味。ゲームに出てこそその魅力が発揮できるタイプ。だから本人は2019年の起用に不満が出たのでしょう。しかもこのタイプはSTATSが出にくいので数字だけを見られては辛い面があります。進塁打などいわばスモールベースボールが出来る選手でもあり、つなぎの役割を発揮できます。使い方によってはとてもよい選手でもあります。
2020シーズンは短縮となり出場機会はさらに少なくなるかもしれませんが、ここがキャリアの別れ目ですね。まだ25才。開花してもらいたいところですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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