オールスターまでの試練の2週間
6月を20勝6敗で快進撃を続けたレッドソックス。
思えば4月は打てない、リードを守りきれないと厳しい戦いを強いられて9勝13敗と負け越し。しかし、5月半ばに入り、新戦力のトレバー・ストーリーにエンジンがかかったことで、打線に厚みが出て、チームに弾みがついてきました。もともと打って投手を援護するという方式で勝つ編成なだけに、4月のように打線が湿れば、やはり苦戦してしまいます。
ただ、苦しい時期にちょうど阪神のように先発、ブルペンで適正を見極わめてきたアレックス・コーラの度胸のある采配でかなり形を整えてきましたね。
そしてレッドソックスは現地2022年7月4日の独立記念日からオールスターまで試練の2週間に突入しました。ご覧のスケジュールです。レイズ、ヤンキースとの14連戦です。
【レッドソックスのスケジュール】
- 7/4-7/6 vs レイズ (3)
- 7/7-7/10 vs ヤンキース(4)
- 7/11-7/14 @レイズ (4)
- 7/15-7/17 @ ヤンキース(3)
- 7/18: OFF
- 7/19: ALL STAR
- 7/20-7/21: OFF
ロブレスをDFAに
そんな中、レッドソックスは現地2022年7月5日、リリーバー右腕のハンセル・ロブレスに1つの決断を下しました。DFAです。こちらは5日時点では公式情報とはなっていませんが、決定事項で間違いないようです。
ロブレス、今季ERAは5.84
ハンセル・ロブレスは今季、レッドソックスとマイナー契約でサイン。メジャーに上がれば、 $2.25Mとなる契約でした。
開幕では見事にメジャー契約を勝ち取ったロブレスは、4月は9試合に登板してERAは0.93。9.2イニングで自責点はたった1と素晴らしいスタートを切りました。
ところが5月に入り、状況は一変。7.1イニングで自責点4と苦戦の影が見えてきました。
そして6月。チームの勢いが増すのと反比例して、ロブレスは安定感のない投球が続き、8試合、6.0イニングで自責点は7。6月のERAは10.50と苦戦が明確になりました。
7月に入って2試合に登板するも、いずれも失点。リリーバーとして信頼感を欠く投球となっていたのです。
ベイヨーのコールアップ
そして決定的となったのは、ルーキー、ブライアン・ベイヨー(Brayan Bello※)のメジャー初昇格。結局、ベイヨーにスペースを空ける形でロブレスはDFAとなったのです。
※BAY-ohというのが本来の読み方のようです。
レッドソックスはロブレスをDFAとしなくとも、40manロスターは39名でしたので、1枠は空いておりました。ただ、カッター・クロフォード、ジョシュ・ウィンコウスキ、コナー・シーボルトなどの若手ローテーションも台頭したことで、40manの枠は広い方が柔軟性は広がります。
ブライアン・ベイヨーとは
#RedSox fans who have been bellowing for Brayan Bello are about to get their wish:
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) July 5, 2022
The club's top pitching prospect is expected to start for Boston on Wednesday: https://t.co/ERkHIsHjn6 pic.twitter.com/iU9OdeziEz
ブライアン・ベイヨーはドミニカ共和国出身の23才の右腕。6フィート1インチ、185cmとメジャーの投手としては標準的。ちなみにそのフォームや出身国が同じことから、ペドロ・マルチネスを彷彿とさせるものがあるのですが、ペドロは5フィート11インチで180cmでした。
2017年にアマチュアFAとしてレッドソックスとサイン。もしも2020年のマイナー・シャットダウン(コロナ禍)がなければ、少なくとも2021年にはデビューしていたでしょう。
今季はダブルAスタートでトリプルAに昇格。両レベルを併せて15試合、14スタートで10勝4敗、ERA 2.33。85.0IPで奪三振は114 ! SO9は12.1。BB9は3.5。
デビュー戦
そしてブライアン・ベイヨーは現地2022年7月6日(水)のレイズ戦でメジャー・デビューします!
ロブレスの今後
ロブレスのサラリーは残りはちょうど半分ですから、$1.125M。DFA後の手続きとしてトレードの可能性をさぐること、そしてウェーバー公示というのがありますが、おそらくここはスルーされるでしょう。
そして、ウェーバーをクリアーした後(クレームオフ=獲得がない)は、リリースかマイナーへアウトライトということになりますが、2022年1月の時点でMLSが6.119だったロブレスは、10-5ルールに則って、マイナーへのアサインを拒否できます。おそらくそうするでしょう。となれば、もうリリースとなってFAとなります。
FAとなれば、レッドソックスは残債を払うことにはなるもの、獲得したクラブはメジャー最低年俸(今季は$0.7M)の日割りというサラリーの支払いでよくなるので、おそらくそこで手が上がると思われます。
2019年に23セーブを上げたエンゼルスに戻るでしょうか!?注目です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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