SSを空けるレイズ→いよいよあの選手がデビューか?
現地2021年5月21日(金)、レイズ&ブルワーズ間でかなり衝撃的なトレードが成立しました。そして動く選手を見たとき、MLBファンの皆さまなら、なんのためにレイズがエブリーデーSSを空けたのか?ピンと来たと思います。そう、あのひとのデビューですね。しかし、後述しますが、エリック・ニーアンダーがコールアップしたのは・・・・。
まずはトレード概要を見てみましょう。
トレード概要
今回、成立したトレードで動く選手達です。
ブルワーズGet
- ウィリー・アダムス(Willy Adames/ 25才): SS/ 右投右打
- トレバー・リチャーズ(Trevor Richards/ 28才): RHP
レイズGet
- J.P. ファイヤライゼン(J.P. Feyereisen/ 28才)/ RHP
- ドリュー・ラスムッセン( Drew Rasmussen /25才)/RHP
選手紹介
簡単にこのトレードで動く選手をご紹介させてください。
【MIL】ウィリー・アダムス
ブルワーズがゲットしたウィリー・アダムスは、レイズが誇るSSですね。1995年9月2日生まれの25才。
もともとはDET
ドミニカ共和国出身で、2012年7月にデトロイト・タイガースとサイン。このとき、16才。もともとはタイガースの選手でした。
デービッド・プライスがDETへ動いたトレードで
そして2年後の2014年7月のトレード・デッドラインで、タイガース、レイズ、マリナーズ間で成立した3チームトレードでレイズへ。この時、ドリュー・スマイリーと一緒にレイズに動きました。レイズからマリナーズにはオースティン・ジャクソンが、またレイズからタイガースにはデービッド・プライスが動いています。そう、デービッド・プライスがタイガースに入り、ジャスティン・バーランダー、マックス・シャーザーとともにサイ・ヤング・ローテーションを組むことになったあのトレードですね。
そしてマリナーズからレイズには、ニック・フランクリンが動いています。ニック・フランクリンは2018年を最後にメジャーのゲームから遠ざかっています。現在、30才。マイナーでは2019年にパイレーツのクラスAプラスが最後。例の2020年のマイナーキャンセルの影響を受け、以降はわかりません。
エブリーデーSS
デビューは2018年5月22日で、今からちょうど3年前ですね。このシーズンには85試合に出場。上に上がってからはほぼ毎試合ゲームに出ていた状態で、打率.278、OBP .348、SLG .406、HR 10をマーク。
2019年は152試合に出場し、打率.254、OBP .317、SLG .418、HR 20、二塁打 25、RBI 52をマーク。69RUNを上げていることからチャンスメイクにも一役買った成績でした。ただ三振は153。
2020シーズンも60試合中、54試合に出場し、打率.259、OBP .332、SLG .481、HR 8、RBI 23をマーク。
ビッグリーグ昇格後は、エブリーデーSSとして活躍。2019、2020のポストシーズンにも出場しました。
2021年は打撃で苦戦
ただ、今季は打撃で苦戦。ここまで41試合に出場し、打率.197、OBP .254、SLG .371、HR 5、RBI 15。
守備型の選手と考えればかなり打っているとも言えます。
【MIL】トレバー・リチャーズ
トレバー・リチャーズは1993年5月15日生まれの28才。アメリカ出身ですが、ドラフトではなく、アマチュアFAとしてプロ入り。2016年7月にマイアミ・マーリンズとサインしました。
デビューは2018年。
2019年7月のトレードデッドラインで、ニック・アンダーソンとともにレイズに移籍。レイズからマーリンズにはヘスス・サンチェスとライン・スタネックが動きました。
スターターとブルペンの双方で起用されることが多く、とくに2018年と2019年はスタートの方が多かったです。2021年からはブルペン・オンリーで出場。
It's looking like Trevor Richards is going to get a rotation spot and I love that, I like the improvements he made last year.
— Ben Palmer (@benjpalmer) July 21, 2020
We all know he has an elite changeup, but the FB has been horrible.
Last year? It was a LOT better, with a .338 wOBA and .164 ISO against pic.twitter.com/pCpTRBR3ln
メジャー4シーズンで70試合、10勝21敗、ERA 4.42。4シーム、チェンジアップ、カーブを投げ、チェンジアップが4シームより多いという投手。4シームのアベレージは2021年で92mph。
【TBR】J.P.ファイヤライゼン
レイズが獲得したJ.P. ファイヤライゼンは1993年2月7日生まれの28才。プロフィールの詳細は下記に記しています。
2021年は最高のスタート
今季は最高のスタートを切りました。ERA0.00はなんと5月8日のマーリンズ戦まで継続。17試合も続きましたね。しかし、現地5月16日のブレーブス戦で4失点、19日のロイヤルズ戦で2失点とここに来てやや平準化の動きが見えています。
それでもゲーム終盤のプレ・セットアップでこの成績の継続はすごいというしかありません。よく、ブルワーズが出したな!と思います。
【TBR】ドリュー・ラスムッセン
レイズはまたいいブルペンを手に入れましたね。豪腕のドリュー・ラスムッセンを獲得しました。ドリュー・ラスムッセンは1995年7月27日生まれの25才。
高卒時の2014年にDバックスから34巡目指名を受けましたが、拒否。オレゴン・ステートに入学。そして2017年にレイズから1巡目(全体31位)を受けたものの、これも拒否。結局、2018年にブルワーズから6巡目の指名を受けたところでプロ入りを決断しました。
2020年にデビュー
デビューは2020年。12試合いずれもリリーフで登板しERAは5.87。2021シーズンはここまで15試合で、ERA は4.24。キャリア2年のSO 9が12.8と奪三振の高さが際立っています。ただ、BB9が5.8とコントロールの精度にまだ甘さがあるようです。
剛球が武器
なんと言っても武器は強烈な4シーム。2021年もここまでアベレージが97.1mphを誇り、常時99mph近辺はヒットシている状態。スライダー、チェンジアップ、カーブも投げます。
レイズが招集したのはテイラー・ウォールズ
レイズがエブリーデーSSのウィリー・アダムスを出したのは、もちろんトップ・プロスペクトのワンダー・フランコのコールアップと言いたいところでしたが、現地2021年5月21日、レイズのベースボール・オペレーションの社長(GM)のエリック・二ーアンダーはSSに、テイラー・ウォールズをコールアップしました。
全米がこけた!と言わんばかりの意外さでした。
テイラー・ウォールズとは
しかし、そのテイラー・ウォールズですが、非常にいいSS。スイッチヒッターで、まもなく25才になります。2017年アマチュア・ドラフトのレイズの3巡目指名。
今季はトリプルAダーラムで14試合、打率.327、OBP .468、SLG .490、HR 2、二塁打2と大活躍。レイズは一旦は旬の選手を上げたというところかと。2019年もダブルAで打率.270をマークするなどヒッティングに関してはかなり安定感のある実績を残している選手。
ワンダー・フランコもそのうち
テイラー・ウォールズの場合、2018年にはクラスAで120試合に出場した実績もありますし、レイズとしてはワンダー・フランコにはもう少し経験を積ませたいというところかと思います。5月にスタートしたトリプルAは現地2021年5月21日時点では、まだ14試合しかやっていないわけですから。
そのうちワンダー・フランコも上がってくると思われます。
ブルワーズ、ウリアスも苦戦
ブルワーズはSSにルイス・ウリアスを起用中。守備はいいものの、打撃で苦戦中。打率は.205(現地2021年5月21日時点)。
なぜ、オーランド・アルシアを出したのか?と思いますね。そのオーランド・アルシアは層の厚いブレーブスで今トリプルAに所属。もったいないですね。
SSの補強でレイズとの受給がマッチしたトレードでもあると思います。
ファイヤライゼンを出すか?
確かにブルワーズにはデビン・ウィアムスというすごいセットアップがおりますが、今季はファイヤライゼンの方が数字は良いです。
何故出したのか?と言えば、レイズからのリクエストでしかないとは思います。ウィリー・アダムスを出したのですからね。いつものレイズなら、プロスペクトをというところでしょうが、戦力に穴を空けることから今回は等価値に重きを置いたというところでしょう。
ワンダー・フランコが上がらなくて拍子抜けしましたが、テイラー・ウォールズに注目したいのとこのトレードで動く選手たちが新天地でどういう貢献を見せるのかも見ものですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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