ローテーションの補強へ
現地2020年12月18日、タンパベイ・レイズはメッツからFAとなっていたマイケル・ワカ(Michael Wacha / 29才)を獲得。1年$3Mで合意しました。
Michael Wacha's only 29 years old, but he's got a pretty impressive resumé…
— Locked On MLB Podcasts (@LockedOnMLBPods) December 18, 2020
Tune into @LockedOnRays for the details on their newest arm! pic.twitter.com/M9CbxN4zCZ
特殊だった2020シーズンの成績をある程度差し引いて見るならという前提ですが、マイケル・ワカは年齢とサラリーの点でマーケットでは人気の選手でした。
すかさず獲得に至ったレイズはさすがですね。
契約詳細
現地2020年12月18日時点では、オプション、パフォーマンスボーナスなどの詳細は入っていません。もしもオプションがあるならサラリーがわかった時点で報道されていると思いますので、なさそうです。また、パフォーマンスボーナスも同様。おそらく2020シーズンの成績が悪かったゆえ、ついていないのではと思います。
もしもそれらが出てきた場合は追記します。
サラリーは2020年と同じ
マイケル・ワカのメッツとの契約は以下の内容でした。
- サラリー 1年/$3M(2020)
【インセンティブ】
特殊なポイント制
- 3イニング以上(先発/リリーフ問わず)でボーナスに向けた1ポイントを獲得。
- ポイント10、 14、 18、 20、 21、 22、 23、 24、 25、26、 27、 28、 29、 30 pointsまでの追加ポイントごとにそれぞれ$ $0.5Mをゲット。
- ポイントが14段階設定されており、Maxで$7M
以下は普通のボーナスです。
- サイヤング賞: 1位 $0.5M/ 2位 0.25M/ 3位$0.1M
- ワールドシリーズMVP : $ 0.1M
- NLCS MVP/ ASG/ GG/ SS: $0.05M/ Award
2021年は前年と同額だったということですね。
ちなみにマイケル・ワカのエージェントはCAA。こちらは前GMのブロディ・バン・ワゲネンが所属していたエージェント。ワゲネンはCAAの選手を引き抜きすぎだと批判を浴びていました。その一人がマイケル・ワカだったのですね。メッツはそういうのがなくなりましたので、良かったのではないかと思います。
ちなみにマイケル・ワカの2019年(カージナルス)のサラリーは1年$6.35Mでした。2020年のサラリーに最高で$7Mのパフォーマンスボーナスがついていたのは、せめてその穴埋めにという意図もあったようです。
2020年のマイケル・ワカ
特殊だった2020シーズン、マイケル・ワカは苦しみました。8試合中、7試合に先発。1勝4敗、ERA 6.62。BB 9は1.9、SO 9は9.8とともにキャリアを通じて最高の数字にもなったのですが、HR 9は2.4でキャリアワースト、何より34.0イニングで被安打46を喫し、12.2のH9が示すようにとにかく打たれました。
2020年は地区ごとの対戦が組まれ、アグレッシブな東地区での登板というのもあったかもしれませんが、とにかく悪かったです。
なお、3イニングごとに1ポイントとなるパフォーマンスボーナスですが、ワカは8度の登板のすべてにおいて3イニング以上を投げています。すくなくとも8ポイントはもらえたようです。もしイニング数を3で割った考えでもよければ、34.0イニングを投げましたので、11ポイントを達成したことになります。
ベロシティーはやや復活するも
2013年のデビューイヤーが衝撃的だったマイケル・ワカ。この年は9スタートで4勝1敗。キャリアハイは2015年で17勝7敗、ERA 3.38を記録。この3シーズンは特別に素晴らしかったです。
ただ、マイケル・ワカはもともとベロシティーが特別にすごいワケではありませんでした。投げる角度が良いので、数字以上の威力を見せるタイプ。
マイケル・ワカのベロシティーはざっと93mph(4シームのアベレージ)というところ。2019年は93.0mphだったのが、2020年は93.6mphに上がりました。
ちなみにカージナルス時代の2017年がもっとも速かったのですが、この時の4シームのアベレージが95.1mph。
上記のリンクにも書いていますが、2016シーズン以降は受難続き。2016年は右肩の違和感で8月から9月半ばまで戦線を離脱。2018年は腹斜筋を痛め、6月後半からシーズンエンド。2019年は膝を痛め、4月半ばから約半月ほどIL入り。
とにかく怪我で思うようなパフォーマンスを発揮できていなかったのが直近のマイケル・ワカです。
2020年は上記のようにラフ・スタートが多く、復活とはなりませんでした。
レイズのローテーション
とは言え、ヘルシーであればマイケル・ワカは心強い存在です。キャリア8シーズンで60勝43敗でERA 4.01。まだ29才。シーズン途中の7月の誕生日で30才になる若さ。レイズでなんとか復活を果たしてもらいたいです。
チャーリー・モートンが抜けたレイズはモートンの$15Mのオプションを拒否。モートンはFAとなりブレーブスとサインしました。
直近の成績を見れば、マイケル・ワカをチャーリー・モートンの抜けた穴にというのはいささか気が重い感じがします。
ワカがローテーションの一人に加わることで、相乗効果も含めてレイズのローテーションが厚くなるかもというのがその効果かと思います。とにかく、ヘルシーであってほしいところです。
レイズはブレイク・スネルをトレードで出すかどうか。最悪を想定してブレイク・スネルを抜いて考えるなら、以下のメンバーが現時点でのローテーション候補。
- タイラー・グラスノー
- ライアン・ヤーブロー(L)
- ジョシュ・フレミング(L)
- マイケル・ワカ
- トレバー・リチャーズ
- シェーン・マクラナハン(L)
故障者の多いレイズ・ピッチング
リリーバーも含めてですが、レイズはご覧のような状況。2020年はよくワールドシリーズまでたどり着いたなと驚くばかりです。
- ヨニー・チリノス(トミージョン手術)
- ジャレン・ビークス(トミージョン手術)
- ブレンダン・マッケイ(左肩手術)
- コリン・ポシェ(トミージョン手術)
- ブレント・ハニーウェル・ジュニア(トミージョン手術後に再手術。リハビリ中)
ちなみに信じられないくらい大きなカーブを投げるチャズ・ローは肘痛でILに入っていましたが、10月末にマイナーへアウトライト。そのままFAとなっています。
マイケル・ワカの復活を心待ちにしたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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