オールドスクールの人材が大人気
現地2022年10月21日、テキサス・レンジャーズが新監督を発表。パドレス、ジャイアンツで計25シーズンにわたり指揮を執った「名将」ブルース・ボーチー(Bruce Bochy)に決まりました。
OFFICIAL: Bruce Bochy has been named the 20th full-time manager in franchise history. pic.twitter.com/L0BohXvAPq
— Texas Rangers (@Rangers) October 21, 2022
ツインズ、カージナルスなど30代の若い監督を起用しているケースもありますが、アストロズのダスティー・ベイカー、 ホワイトソックス前監督のトニー・ラルーサ、メッツのバック・ショーウォルター、そして今回のブルーズ・ボーチーと、いわゆるオールド・スクールと呼ばれる世代の監督の起用が最近目立ちます。
契約は3年
レンジャーズとボーチー監督の契約は2023年から2025年までの3年間。金額などは明らかになっていません。
ブルース・ボーチー監督の年齢は現地2022年10月21日時点で67才。誕生日が1955年4月16日なので、2023シーズンが始まってすぐに68才となります。よって、3年契約ということは2025年で70才になります。
ベテラン監督となると、2022シーズンのホワイトソックスのトニー・ラルーサのように健康問題で契約途中で退任になる事態も心配になりますが、トニー・ラルーサの場合は、今季の開幕時で77才6ヶ月でしたので、ボーチー監督の場合は、ラルーサよりも10才若く、なんとか大丈夫そうです。遠征も多いですし、試合が終わってすぐに次の試合への分析もありますから、寝る時間も少なくて大変だとは思うのですが、頑張ってくれるでしょう。
トミー・ビーズリー暫定監督は正式就任ならず
なお、レンジャーズが今回のボーチー監督の就任を決定する前に、シーズン途中でクリス・ウッドウォード監督を解任した話は下記の記事に記載しております。
残りシーズンは3Bコーチのトミー・ビーズリー(Tony Beasley)がインテリム・マネージャー(暫定監督)として指揮を執っておりました。
今回のレンジャーズの監督探しは、ブルース・ボーチーとトミー・ビーズリーの2択だったようです。
ここのところ、インテリムから正式監督となるケースが多く、やはりプレーオフに進出したチームはそうなっています。代表的なのは、実力も兼ね備えたフィリーズのロブ・トムソン。こんなすごい人材が今まで監督と縁がなかったというのも実に興味深いです。
ボーチーの就任が決まった日にブルージェイズは、ジョン・シュナイダー暫定監督の正式就任を発表しました。そのほかにもプレーオフには出ていないものの更新となったエンゼルスのフィル・ネヴィン監督もいます。
GMクリス・ヤングとの縁
レンジャーズはクリス・ウッドウォード監督解任とほぼ同時期に、GMロールのジョン・ダニエルズの解任も行いました。かつてダルビッシュ投手を獲得したときのGMですが、そのジョン・ダニエルズの後にGMに就任したのが、元投手のクリス・ヤング。
実はクリス・ヤングはブルース・ボーチーがかつてパドレスを指揮を執っていたときに投手としてプレーしていました。2006年のことです。クリス・ヤングはこの年にレンジャーズからパドレスに移籍。2006年までパドレスで指揮を執っていたボーチーと1年だけ重なっていました。
この年のクリス・ヤングの成績は11勝5敗、ERA 3.46。
このような縁もあり、クリス・ヤングがボーチー監督の住んでいるナッシュビルに向かい、インタビューを行い、本日の結果となっています。
ボーチー監督の実績
ブルース・ボーチーは、1995年から2006年までパドレス、2007年から2019年までジャイアンツの監督として現場の指揮を執りました。実に25年の監督キャリアであることは上述の通りです。
パドレスでは1996年、1998年、2005年、2006年と4度の地区優勝を果たし、そのうち1998年にはナ・リーグのペナントを制し、ワールドシリーズに進出。2022年10月21日時点でパドレスがNLCSで頑張っていますが、そのとき以来のワールドシリーズ進出を狙っている状況です。
ボーチー監督は実に経験が豊富で、上記のように地区優勝を果たしたこともあれば、リビルド中で最下位に沈んだこともあります。そしてそこから這い上がってきたことも。
2007年からジャイアンツの監督になってからは、2010年、2012年、2014年と2010年代の偶数年に3度もワールドシリーズのタイトルを獲得。特に2010年のタイトルは1954年以来の久々のチャンプということで大きな話題となりました。
監督としての勝率はパドレス時代が.494、ジャイアンツ時代が.500、25年の通算で.497。乏しい戦力で戦わざるを得なかっったシーズンも多く、それらを加味しても.500に近い勝率を上げているのはやはり力のある証拠だと思います。
ボーチー監督のコメント
就任に際し、ボーチー監督は以下のコメントを出しています。
「テキサス・レンジャーズに参加できることに信じられないほど興奮している。 ここ数日、クリス・ヤングをはじめ、組織内の人たちと幅広く話をし、レイ・デービス(オーナー)とも会う機会があった。 彼らのビジョンや、毎年優勝を争えるようなクラブを作るという姿勢は印象的で、自分もその一員になりたいと確信した。 もし、私が監督に復帰するならば、適切な状況でなければならない。 レンジャーズでは、それが実現すると強く信じています。」
レンジャーズは2017年以降、6年連続の負け越しを継続中。クリス・ヤング、ブルース・ボーチーともに大きなプレッシャーの中で戦うことになります。ただ、朗報もあります。ドラフトでいい選手を獲得していることです。特に2023年はおそらくシーズン途中からジャック・ライターがデビューする見込み。これは非常に楽しみでもあり、投手力の整備がうまく行けば、セミエン、シーガーの大型補強も活きてくることでしょう。
今回のレンジャーズのボーチー監督就任により、現時点で監督が空席となっているのはロイヤルズ、ホワイトソックス、そしてマーリンズです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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