ペース・オブ・ザ・ゲームが崩れそう
一連のテクノロジーを使ったサイン・スティーリングに今度はウェアラブル・デバイスの疑惑が出てきました。
現地2020年1月16日、アストロズのサイン・スティーリング・スキャンダルの流れを受け、ホセ・アルトゥーベがALCS勝ち抜きを決めたウォークオフHRでウェアラブル・デバイスを使っていたのではないか?との疑惑が出てきました。
2019 ALCS Game6
疑惑が出たのは現地2019年10月19日に行われたヤンキース@アストロズのALCS Game6。クローザーのアロルディス・チャップマンのアウトコース高めのボールを思い切り踏み込んでウォークオフHRとしたシーンです。チャップマンが抜け気味のボールが多かったのも事実ですが、かなり大胆に踏み込んだのが印象的でした。
アルトゥーベがジャージを破いてはだめだよととばかりにホームインしたシーン。どうしてこのジェスチャーをしたのかが問題となりました。ジャージの下に球種を通知するウェアラブル・デバイスがあったからではないか?という疑惑です。
アルトゥーベがサヨナラHR!アストロズがヤンキースとの死闘を制し、ワールドシリーズへ(ALCS)
燃料投下
この疑惑でバズる中、さらに燃料を投下したのがMLBきっての理知派で、SNSの雄、トレバー・バウアー投手(筆者も大好きな投手です)。
QTというアカウントがアルトゥーベ(とブレグマン)がデバイスを仕込んでいるとツイート。さらにALCSの当該シーンで破いてくれるなというのはそういうことなんだというツイート。これに対して、バウアーは「複数の関係者から聞いている」とのド直球なコメントを放ち、一気に拡散しました。
ボラスが否定
この騒動にホセ・アルトゥーベのエージェントであるスコット・ボラスがコメントを発表。アルトゥーベが即座にコンタクトを取ってきて、決してそんなことはしていないと話したと述べています。
When this came up today, Jose Altuve immediately contacted me and this is his statement: ‘I have never worn an electronic device in my performance as a major league player.’ … [Altuve] has never been involved in any information with the use of an electronic device that is triggered during the course of the game. Fans need to keep in mind that there are a lot of players who are in the spider web, but they are not the black widow just because they are a member of the team or the league.
公式発表ではNO EVIDENCE
MLB側の調査ではウェアラブル・デバイスの使用のエビデンスは取れていませんでした。よって、この件は一旦は収束していますが、騒ぎが大きくなればさらに大スキャンダルに及ぶ可能性があります。
デバイスの本来的使用の好例
ウェアラブル・デバイスがもっとも効果的に使用されている例はラグビー・ワールドカップでもあったような薄型の装置を背中に背負い、GPSを使って選手の位置、運動量を分析し、戦略的な配置を行うのが良い例でしょう。これはサッカーでも利用され、よいデータ取りがなされています。
競技も目的も違いますが、ウェアラブルはこのような使い方であって欲しいものです。
よりペースダウンに
噂ベースではありますが、ウェアラブルデバイスによる通知はかなり多くのクラブで行われているとの情報もあります。
もし本格的な調査が始まりクロと判定された場合、今後打席に入る前に身体検査が必要になるような対策が取られるという笑えない状況にもなりかねません。ペース・オブ・ザ・ゲームで時短など吹っ飛んでしまうかもしれませんね。
これは噂ベースのお話でした。
追記:本人のコメント
現地2020年1月18日、アストロズのアニュアル・ファンフェスタに現れたホセ・アルトゥーベが今回の「ブザー」通知についてコメントしています。もちろん強く否定。
アレックス・ブレグマンももちろん否定です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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