MLB “The Pace-of-Play”
現地2019年2月27日、MLB機構側はMLBPA(選手会)に対して、今スプリングトレーニングから導入している投球間隔20秒のピッチクロックのレギュラーシーズンへの導入を少なくとも2022年までは見送ることを発表しました。
ピッチクロックは”The Pace-of-Play”、試合進行の時短策として導入を検討されたものですが、選手からはいろいろな声が上がりました。
特に投手からはクロックには異論
デービッド・プライス
例えば、デービッド・プライスからは「ピッチクロックでは有効な時短策とは言えない。むしろファウルボールの後だよ」といった論点を指摘する声がありました。
確かにファウルボールでの小さな分断は、それまでの20秒を無駄にしかねないほど一呼吸入るケースが多いと思います。
マックス・シャーザー
マックス・シャーザーは”Fundamentally against”、「基本的に、あるいは根本的に(ピッチクロックに)反対の立場を表明しています。
シャーザーが言うには、これを導入することで野球の構造を破壊しかねない、これはプレーヤーとして言えることなんだという趣旨のことを話しています。
ジョン・レスター
もっと面白いのはジョン・レスターで、「導入しても野球は野球で、6-5のゲームなら3時間30分かかるし、2−1のゲームなら2時間50分で終わるよ。」
そのほかにもスプリングトレーニングで「計測される中で」投げた選手の感想なども多数あります。
マインド・ゲームの魅力を破壊しかねない
選手たちの声を聞いていると時計というパラメーターでゲームを容赦なく区切ることで、野球の中の大きな魅力的な要素である「マインド・ゲーム」が破壊されることを危惧する声が多いように思います。
テンポアップしたり、スローダウンしたりすることが本来の野球のリズムで、時計を入れたところで時短にはつながらないという感じのようです。
その他のルールチェンジの導入状況
ピッチクロックの他にMLB側や選手会側から改善の提案がなされた事項の導入具合をまとめてみました。
現地2019年2月27日までの状況です。
現状 | 提案内容 | 2019導入 | 施行/延期 |
クロックなし | 20秒ピッチクロック | NO | 2022まで延期 |
1バッターでも可 | 3バッターミニマム | NO | 2020まで延期 |
現状25人枠 | ロスターを25人から26人へ 投手を13人に | NO | 2020まで延期 |
9回で6度まで 延長は1度/1回 | マウンドビジット制限 5度/9イニングで | YES | 2020は4度に |
ローカル:2:05 全米放送:2:35 | (放送とも関連) イニング間のインターバル 一律1:55に | STで試験 | 未決 |
7/31 | Nonウェーバートレード期限 ASG休み前に | NO | 未決 |
無制限 | 投手、野手、2-wayで登録 野手の登板は9回以降 or 7点差以上なら6回から可 | NO | 未決 |
規定のサイズあり | マウンドを低く | NO | 未決 |
おそらく3バッターミニマムは大きな反発
複数の選手からのピッチクロックの導入が野球を変えてしまうという発想からすれば、対左バッターのスペシャリスト登板を阻む3バッターミニマムの導入は相当反発をくらいそうですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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