フィリーズ、2017年1巡目のOFをトレード
現地2022年3月29日のこととなりますが、フィラデルフィア・フィリーズがOFのアダム・ヘイズリーをホワイトソックスにトレードすることが決まりました。アダム・ヘイズリーは2017年のフィリーズの1巡目指名の外野手。この逸材をトレードに出したというのが驚きでした。
こちら第一報が出た時は、まだ交換相手が出ていない状況だったのですが、すぐにそれも明らかになりました。まずはトレード概要からです。
トレード概要
ホワイトソックスGet
- アダム・ヘイズリー(Adam Haseley/25)OF/LL
フィリーズGet
- マッキンリー・ムーア(McKinley Moore/23)RHP
フィリーズがヘイズリーを出した理由
フィリーズがアダム・ヘイズリーを放出したのは残念なことなのですが、好選手でありながら、いかんせん色々と怪我も多かった面もありました。ちょっと見て行きます。
期待の星ながら、怪我なども多かった
そもそもはマッカッチェンの怪我の補強でデビュー
アダム・ヘイズリーは言わば、期待される存在で、上述の通り、2017年ドラフトのフィリーズの1巡目指名の外野手。
ちなみにDバックスのペイビン・スミス(2017年Dバックス1巡目指名)とはバージニア大学でチームメイトでした。
アダム・ヘイズリーの名前が有名になったのは、2019年、アンドリュー・マッカッチェンが大怪我でシーズン・エンディングとなった際に、CFとして指名され、マイナーからコールアップされたからでした。
この頃のフィリーズのOFは、今オフにも再契約したオデュベル・ヘレーラがDVで逮捕され、CFを失っていたのです。そこで、LFを守っていたアンドリュー・マッカッチェンがCFに入り、ヘレーラの代わりの左打者としてジェイ・ブルースを獲得。やれやれこれで形になったというところでした。
ところが、今度はアンドリュー・マッカッチェンが1塁ランナーでランダウンプレーで挟まれている時に(2019年6月)、アメフトのランニングバックのような動きをした際に左ヒザのACL(前十字靭帯)を断裂。
言わば、レギュラーのOFを2人も失い、守備的にも重要なCFのポジションを任せたのが、アダム・ヘイズリーでした。
せっかくのデビューも即怪我
他にスコット・キンガリー、ニック・ウィリアムスなど候補がいながら、マイナーからヒーローのように表れたアダム・ヘイズリー。2019年6月5日のデビュー2戦目で初ヒットを放ち、さあこれからという6月7日、左の鼠径部を傷め、10Day ILに入ってしまい、周囲をぞっこけさせたということがありあmした。
しかし、約一ヶ月後に戦列に復帰。7月半ば以降はほぼ全試合に出場。67試合で、222-59、打率.266、OBP .324、SLG .396をマーク。HRは5本、二塁打は14本、RBIも26をマーク。確かに戦力になったのでした。
2020年2月のスプリングトレーニングのゲームでは、ダイビングキャッチを試み、サングラスで額を怪我するアクシデントなどもありました。60試合の短縮シーズンとなったレギュラーシーズンでは40試合に出場。79-22で、打率.278、OBP .348、SLG .342、HR 0、二塁打5、RBI 13をマークしました。8月途中にバッター・ランナーとして1塁手と交錯し、左手首を傷め、ILにも入りつつもなんとかこれだけの数字を残しています。
2021年は個人的な理由で一時離脱
2021年、アダム・ヘイズリーはスプリングトレーニングで打率.316、OBP .381、SLG .526をマーク。かなり順調に仕上げてきたのですが、4月1日の開幕試合でハムストリングス・イシューを発症。しかし、4月4日にはゲームに復帰しました。
ところが、その後は4月6日にマルチヒットを記録したのみで、ぱったりと当たりが止まり、打率は.190に。そして、4月13日のゲームを最後に、出場しなくなりました。
この時、フィリーズはアダム・ヘイズリーをリストリクティッド・リストに入れました。これは野球から離れる際に出す処置なのですが、一時期はどうなることかと心配する事態に。この時にリストリクティッド・リストに入った理由はパーソナル・リーズンということで今でも明かされていません。
心配されたヘイズリーでしたが、6月3日にトリプルAのゲームに復帰。野球に戻って一安心というところだったのですが、7月にはCOVID-19 IL リスト入り。結果的に、2021年はビッグリーグでプレーすることはありませんでした。
2022のスプリングトレーニングは当たりが出ず
2022年のスプリングトレーニングでは、現地2022年3月28日までに、7試合に出場。18-2で、打率.111と苦戦しているところでした。
このような流れがあるんですね。ゲームを活気づける元気なプレーをしつつも、何かが起こってしまうという面も。
フィリーズのOF補強の影響
フィリーズがアダム・ヘイズリーを手放した一番の理由は、これかもしれません。フィリーズは今オフ、カイル・シュワーバーとニック・カステヤーノスを獲得。今季からナ・リーグもDHが採用されることになり、二人のうちのどちらかはDHで起用されることが見込まれますが、RFはハーパーで固定、LFを二人のうちのどちらかを起用するのであれば、CF候補にオデュベル・ヘレイラ、マット・ビアリング、ミッキー・モニアックなど複数おり、ロスター上も誰かを外す必要がありました。
筆者はヘイズリーがトレードされるニュースを聞いた時は、誰かが怪我することもあるのに、何か資産を無駄遣いしているような印象をもったのですが、編成の実務を考えた時、やはり誰かを外さなくてはならず、ヘイズリーに需要があったのなら、これは致し方ないところであると気づいた次第です。
左打者が欲しかったホワイトソックス
その他に、左打者としての需要がホワイトソックスにあった面も。エロイ・ヒメネス、ルイス・ロバート、アダム・エンゲル、アンドリュー・ボーンとホワイトソックスのOFはいい打者が多いものの、いずれも右打者。
左打者が欲しいというホワイトソックスの需要もマッチした面もあります。ちょうどアンドリュー・ボーンがヒップ・インジャリーを起こしたというタイミングなどもあったと思います。
投手が欲しかったフィリーズ
あとは、アーチー・ブラッドリーを$3M程度でエンゼルスにさらわれたのはどうか?と思うのですが、フィリーズはブルペンも強化したかったのは事実です。
豪腕ムーア
ブルペン強化となるかどうか?ですが、フィリーズがホワイトソックスから獲得したマッキンリー・ムーアは、23才の右腕で、2019年のホワイトソックスの14巡目。2021年はクラスAでしか投げていません。ただ、奪三振率は高く、クラスAマイナス、クラスAプラスの両レベルを合わせて、SO9が13.1もあります。
彼がものになればというところですね。荒削りながら、デビューは案外、早いかもしれませんよ!!
アダム・ヘイズリーはホワイトソックスではかなりの競争にさらされますが、得意のハッスルプレーで盛り上げてもらいたいと思う次第です。
追記:トリプルAに
ホワイソックスがOFの左バッターとして獲得したアダム・ヘイズリーでしたが、現地4月1日、マイナー・オプションを使ってトリプルAにアサインされてしまいました。
なお、ホワイトソックスはRFに右バッターのAJ・ポロックをドジャースからトレードで獲得しています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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