課題のブルペン強化の柱に
現地2021年12月22日、この日もMLBはロックアウト中で動きがありませんので、ロックアウトに駆け込みで決まったディールで書ききれなかったものをあらためて記載しておきたいと思います。本日はフィリーズのディールです。
現地2021年11月30日、フィリーズはドジャースからFAとなっていた右腕のコーリー・クネイブル(Corey Knebel )とサインしました。
フィリーズとクネイブルの契約内容
契約内容は非常にシンプル。以下の内容となっています。
- 1年/$10M(2022)
- パフォーマンス・ボーナス
- GF(Game Finished)が45、50、55、60試合となるごとに$50Kが加算
- パフォーマンス・ボーナス
コーリー・クネイブルの2021年のサラリーは$5.25M。これは調停を避けてドジャースがサインした金額です。今回は単年とは言え、倍増ということになりました。
ドンブロウスキーとは旧知
コーリー・クネイブルは1991年11月26日生まれの30才。ドラフトは2013年のタイガースの1巡目指名(全体39位)。
タイガース黄金時代の指名です。ということは、フィリーズの現ベースボール・オペレーション社長を務めるデーブ・ドンブロウスキー氏がタイガースのGM職を担っていた時(2002-2015)に獲得した投手。よって、デーブ・ドンブロウスキー氏はコーリー・クネイブルのことをよく知っているのです。
タイガースではドラフト翌年の2014年にメジャー・デビュー。この年はリリーフで8試合、ERAは6.23。
ルーキー時、トレードの切り札にされてしまう
2013年のドラフト1巡目が翌年の2014年にデビューし、タイガースにとっていいプロスペクトの誕生となったのですが、2014年のタイガースはマックス・シャーザー、ジャスティン・バーランダー、デービッド・プライス、リック・ポーセロ、アニバル・サンチェスという超がつくほどの豪華ローテーションを組んでいたシーズン。
ところが、タイガースはクローザーにジョー・ネイサンがいて、35セーブを上げたものの、ERAが4.81とちょっと弱かったのです。
ブルペン強化の意味も含め、同年のトレード・デッドラインでレンジャーズからホアキム・ソリアを獲得。その交換要員となったのがコリー・クネイブルだったのです。デビューしたばかりだったのに。
ちなみに、2014年のトレード・デッドラインでタイガースはデービッド・プライスも獲得。サイ・ヤング賞が3人もいるローテーションとなったのでした。また、ドリュー・スマイリーもこの時のトレード・デッドラインで獲得しています。
コーリー・クネイブルは2014年の残りシーズンでレンジャーズでの登板はありませんでした。
そして、2015年1月、またしてもトレードの切り札として使われます。レンジャーズが右腕のヨバニ・ガヤードを獲得したトレードで、ブルワーズに移籍。
しかし、ここからがコーリー・クネイブルが飛躍していきます。
デビュー2シーズン目となった2015年、ブルワーズのブルペンを担ったコーリー・クネイブルは48試合に登板し、ERAは3.22をマーク。
輝いたブルワーズ時代
2017年
そして輝いたのは2017シーズンです。ブルペンとしてフルで機能したこのシーズンは、76試合、76.0イニングに登板し、ERAはなんと1.78 ! まさに鉄壁のリリーフを見せたのでした。
このシーズンのSO9は14.9をマーク。BB9は4.7と高めでしたが、HR9は0.7で球威で圧倒していたシーズンでもありました。このシーズンのブルワーズは86勝76敗で、ナ・リーグ中地区2位。惜しくもワイルドカードの進出は逃しました。
2017年に手応えを掴んだブルワーズは2018年以降、4年連続でポストシーズン進出を果たすことになるのです。
2018年はポストシーズンでも好投
2018年、コーリー・クネイブルは57試合に登板。ERAは3.58。SO9は14.3をマーク。ブルワーズの地区優勝に貢献しました。このシーズンはカブスとのタイブレーカーで優勝しました。
2018年のポストシーズンでは、ブルワーズはNLDSでロッキーズと対戦。3勝0敗とロッキーズをスイープ。コーリー・クネイブルは3試合全てに登板し、被安打0、与四球1のみでERAは0.00をマーク。
さらにドジャースとの死闘となったNLCSでは6試合、7.0イニングに登板し、被安打2、失点1、奪三振10、ERA1.29とバツグンの投球を披露したのでした。
- 10/12 LAD 5-6@MIL
- 10/13 LAD 4-3 @MIL
- 10/15 MIL 4-0 @LAD
- 10/16 MIL 1-2 @LAD
- 10/17 MIL 2-5 @LAD
- 10/19 LAD 2-7 @MIL
- 10/20 LAD 5-1 @MIL
トミー・ジョン手術へ
2017年、2018年と素晴らしい投球を見せたコーリー・クネイブルでしたが、その疲れが肘痛となり、襲ってきました。
2019年開幕前にUCLの損傷が発覚。結局、同年3月後半にトミー・ジョン手術を受けることに。
2019年は全休。
2020年は開幕がずれたこともあり、術後1年4ヶ月となる7月24日のオープニングからマウンドに立ちました。ただ、このシーズンは15試合、13.1イニングの登板に終わり、ERAは6.08と本調子ではありませんでした。
2021年1月にトレードでドジャースに移籍。
2021年は開幕からマウンドに立つも、肘の影響からか、広背筋を傷めてしまい、4月後半から8月初旬まで離脱。復帰後はブルペンとして結果を残し、27試合で、ERAは2.45と本来の姿に戻しつつあります。
ブルペンの要に
フィリーズはアーチー・ブラッドリーがFA、ヘクター・ネリスもFAでしたがすでにアストロズ入りが決まりました。
アーチー・ブラッドリーを戻せるかどうかというところですが、まずはコーリー・クネイブルをブルペンの要所に使うことになりそうです。
ロック・アウト明けにブルペン獲得にどれだけアグレッシブに行くのか?
フィリーズはカイル・シュワーバー獲得にも熱心でしたが、ロックアウト前には決まりませんでした。ロックアウト直後の噂ではクリス・ブライアントの名も出ています。もし、クリス・ブライアントを獲るなら、カイル・シュワーバーは諦めるのではないか?と見られています。
まずはブルペンを整えてもらいたいと思いますが、ブライアントとどこまで話をつけるのか、それがブルペンの整備にも影響しそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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