アストロズにシャットアウト勝利
現地2022年10月3日、フィラデルフィア・フィリーズが、今季の最終シリーズに組まれていた強敵、ヒューストン・アストロズに3-0のシャットアウト勝利を納め、2011年以来のポストシーズン進出を決めました。
おめでとうございます!
シャンパンファイトで嬉しさを爆発させる選手たちを見ると、本当にギリギリの戦いを制して手に入れた特別な権利なのだと改めて思った次第です。
【YOUTUBE】Phillies clinch their first postseason berth since 2011!
良いところ満載のゲーム
この日のゲームは良いところが満載でしたね。まず、そこから見て行きたいと思います。
【1】アーロン・ノラ、7回2アウトまでパーフェクト
何より、このゲームを作った主役は先発のアーロン・ノラでした。6回2アウトまでパーフェクト投球を披露。ノラ特有のクロスファイヤー気味に右打者のアウトコースにビタンと決まるファストボールが良かったですね。粘りつくような球質が回転率の高さを物語っていたと思います。
初安打を放ったのはヨルダン・アルバレス。RF前にラインドライブのシングルを放ちました。続けざま、デービッド・ヘンスリーにもシングルを浴び、スコアリング・ポジションにランナーを進められたところで交代。
アーロン・ノラは6.2イニングで88球、被安打2、スコアレス、0BB、9SOでまさにエースの風格漂う素晴らしい投球を見せました。
【2】ホセ・アルバラードが復活!
そして投手でもう一人、取り上げたいのがホセ・アルバラード(José Alvarado)。ノラの後を継いでマウンドに上がったのですが、ファストボールが生き返りましたね!レイズ時代よりも良くなっているのではないかと思います。
レイズ時代の2018年は70試合登板して、ERAは 2.39をマーク。出てくれば相手ベンチに諦めムードが漂ってしまうほどの豪腕ぶりでした。しかし、その後は怪我に泣かされ、そのせいで信頼度の低い投球が続き、2021シーズンも64試合に登板したのは良かったのですが、ERAは4.20。リリーバーでこの数字はさすがに本人も参ったのではないかと思います。
2022シーズンも前半はピリッとせず。5月の最終登板の時点でシーズン通算のERAは7.62。ここがワーストのピークでもありました。6月に入り、徐々に復調。6月は7イニングのみでしたが、月間のERAは2.57をマーク。
8月以降はERA 0.43 !
完全復活となったのは8月以降。この日の登板まで2ヶ月で22試合を投げ、イニング数は21.0。被安打がたったの8で、ERはなんと1です。8月以降10月3日までの期間のERAはなんと0.43!
それもそのはずですよね。レイズ時代のあの100mphシンカーが戻ってきたのですから。
それだけではありません。右打者へのカットボールもかなり精度が上がっており、ここ2シーズン苦しんだ間にきちんと進化を果たしておりました。
この日は1.1イニングを投げたのですが、19球を投じた内、100mph超えが9球。そのうち101mph以上が5球を数えるほど、異次元の投球を見せました。
体調(肩、肘)が良いのでしょうね。フィリーズはポストシーズン前に素晴らしい武器を手にした感じですね。
【3】シュワーバーが45号、46号
攻撃の方ですが、カイル・シュワーバーが2本のHRを放ちました。1本目は初回、この日リードオフに入っていたので、リードオフHRです。これはLFへ技ありと言ったようなHR。
2本目は8回表、これはモンスター・ショットでした。
ジャッジもすごいですが、カイル・シュワーバーもなかなか素晴らしいです。46HRはナ・リーグのHRランキングのトップ。このままキングに確定しそうです。
【4】伏兵、ストットもHR
1回表にカイル・シュワーバーの一発で1点を奪ったきりのフィリーズ。ノラの好投に助けてもらったようなものですが、待望の追加点は8回表にもたらされました。
9番SSのブライソン・ストットがインコースの難しいボールをRFへ弾丸ライナーのHR。ストットのHRはこれで今季10号。あまり期待していなかった選手からプレゼントのようにもたらされた追加点はナインを勇気づけたでしょうね。その直後にカイル・シュワーバーの2発目が出たのでした。
スコアは3-0となり、最終回はザック・エフリンがパーフェクトで決め、フィリーズが3-0で勝利し、ポストシーズン進出を決めたというゲームでした。
ドンブロウスキ、またもPSへ導く
8月にはポストシーズンは余裕と思われていたフィリーズでしたが、9月に入り、エンスト状態で前に進まなくなりました。
その間にトレードデッドラインでジョシュ・ヘイダーを放出し、大崩れしていたたブルワーズが息を吹き返し、もう背中に手をかけられている状態にまで追い込まれました。
ただ、そこからブルワーズはマイアミに3連敗。その間にフィリーズが3連勝。なんとか首の皮一枚をワイルドカード枠から外れることはありませんでした。
この日の勝利でフィリーズは87勝73敗。一方のブルワーズは85勝75敗。フィリーズが残り2試合に連敗し、ブルワーズが残り2試合に連勝すれば、87勝75敗同士でタイになるのですが、直接対決ではフィリーズが4勝3敗で勝ち越しているので、この勝利でフィリーズのポストシーズンが確定したのでした。
フィリーズは2020年の短縮シーズンの後に、デーブ・ドンブロウスキを招聘。プレジデント・オブ・ベースボール・オペレーションズの地位に就任させました。
1年目の2021年は82勝80敗で、NLイーストの2位にはなったものの、ポストシーズンにはほど遠い成績でもありました。しかし、その1年後、こうやってポストシーズン進出を現実化させた事実は彼の評価をまた上げることにもなりそうです。ボストンのときのようにじゃぶじゃぶとお金を使っていませんからね。
思えば5月に10勝18敗と大きく負け越し、ジョー・ジラルディの解任が決まりました。選手起用に問題があったからです。その後は重しが取れたように連勝し、6月は19勝8敗です。
ハーパーの2度の離脱
クラブが苦しんだのはブライス・ハーパーの2度の離脱。1度目は肘のPRP治療。2度目はデッドボールによる骨折です。
その間、ニック・カステヤーノスがRFをこなしつつも主砲の役割も担いました。カイル・シュワーバーはスロースターターなので、余計にカステヤーノスの負担が大きかったですね。
ジラルディの解雇もいわば、ドンブロウスキの総合的な判断。
補強ではやはりカイル・シュワーバーを獲得したのが大きかったですね。エンゼルスからノア・シンダーガードとブランドン・マーシュを獲得したのも奏功したと思います。
ドンブロウスキはまたしても出しましたね!
シード内での争いあり
残り2ゲームですが、フィリーズはワイルドカード枠は決まったものの、このワイルドカード枠内の順位がまだ決まっておりません。1位のナ・リーグ東地区2位は、抜けているので置いておきます。
2位のパドレスとの間で順位変動があるかもしれません。
【現地2022年10月3日時点のWC順位】
- 2位:パドレス 88-72
- 3位:フィリーズ 87-73
お読みいただき、ありがとうございました。
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