A・フレイジャーはオールスター2B
いよいよというか、もう始まってはいますが、トレードデッドラインが本格的に動き出しました。注目のオールスター2B、アダム・フレイジャー(パイレーツ)を獲得したのはパイレーツでした。
アグレッシブなA.J.プレラーGM。今季もバイヤーとして大きな仕事をしています。
トレード詳細
パイレーツとパドレス間で成立したこのトレードは計4名が動きます。
パドレスGet
- アダム・フレイジャー(Adam Frazier/ 29才)2B&OF/ 右投げ左打ち
- CASH
パイレーツGet
- トゥクピータ・マルカーノ(Tucupita Marcano/ 21才)2B&OF/ 右投げ左打ち
- ジャック・スウィンスキ(Jack Suwinski/ 23才)OF/ 左投げ左打ち
- ミシェル・ミリアーノ(Michell Miliano / 21才)RHP
パイレーツがA・フレイジャーの残額をほとんど支払う
トレードで選手が動くと、その年の契約を引き継ぐのが原則ですが、アダム・フレイジャーを獲得したパドレスは残額もほとんど支払うことがないというトレードとなりました。
アダム・フレイジャーは2021年1月時点でMLSが4.075。調停の2年めです。2022年が調停のファイナル・イヤーで、2023年がFAイヤー。
今季の契約は1年/$4.3M。プロレーティッド(日割り)にすると残額は、約$1,6M強ですが、このうちパイレーツが$1.4Mを支払うということで合意。パドレスは$0.2M強の支払いで足ることに。
なぜパイレーツが支払う?
なぜ出す方のパイレーツが残額も支払うのかというと、MLBではよくあるやり方ですが、アダム・フレイジャーを手放すことで、パイレーツは2022シーズンの彼のサラリー、約5Mから$7M(相場はこれくらいかと)の支払いから解放されます。「それだけ資金が浮きますよね?残り$2Mもないでしょ?全額とは言いませんが、かなりの%でご負担願えませんか?気持ち、うちが払いますから。その代わり、MLBミニマムの$0.56M以下のいいプロスペクトと有望なマイナーリーガーをつけますから・・・・」と、そのような交渉が行われたのではないかと思います。それほど外していないとも思うのですが。
また、そうすることでパドレスは贅沢税の基準額を下回ることもできるわけで、その御礼がプロスペクト達ということに。
パイレーツファンは不在
このドライな交渉には残念ながらパイレーツ・ファンの入る隙間はありません。今季はアダム・フレイジャーの存在が大きく、現時点でナ・リーグ・セントラルの最下位とは言え、前年よりはかなり見せ場もつくってくれています。そのメイン・イベンターが抜けるのですから、ファンとしてはちょっと寂しいですね。
パドレス、オールスターINFが完成
今トレードデッドラインの大きな目玉とも目されていたパイレーツのアダム・フレイジャーですが、パドレスが獲得したのは正直驚きました。2Bには今季大活躍のジェイク・クロネンワースがいますし、三遊間は、マニー・マチャード、フェルナンド・タティス・Jr.、1Bにはエリック・ホズマー、仮にOFだとしても、CFにはトレント・グリシャム、RFにはウィル・マイヤーズ、LFにはトミー・ファムと野手はもう決まっているからです。
サブにはジュリクソン・プロファーもいます。どうするの?という素朴な疑問が。
エリック・ホズマーがベンチ!?
そうなると、1Bのエリック・ホズマーをベンチに下げて、1Bにジェイク・クロネンワースもしくはアダム・フレイジャーをという布陣しかありません。そうなると、内野が全員オールスター出場選手というすごいことに!
しかし、エリック・ホズマーをベンチに下げるとは。確かに層は厚すぎるほど厚いですが、もったいなすぎるというのが正直なところでもあります。
ちなみにエリック・ホズマーは特に怪我などなく、今季はここまで92試合に出場し、打率.266、OBP .330、SLG .381、HR 8、RBI 48。例年とさほど変わらないペースです。そして現契約は8年/$144M (2018-2025)です。
ピッチャーを獲得した方がよかったのではないか?などとも思いますが、噂ではパドレスはこれから投手も取りに行きます。
選手紹介
背景などは上記のような状況です。ではかんたんに選手のプロフィールを。
【パドレス】アダム・フレイジャー
アダム・フレイジャーは1991年12月14日生まれの29才。2013年アマチュア・ドラフトのパイレーツの6巡目指名。
MLBデビューは2016年6月24日。今季は6シーズン目。今季、大ブレークした訳ですが、もともとコンタクトは非常に良い選手で、2016年から2020年までの5シーズンで打率.273、OBP .336、SLG .413、HR 35、二塁打91をマーク。
2021年は打率がNL 2位
抜群に良い今季は、現地2021年7月26日時点で、98試合、打率.324、OBP .388、SLG .448、HR 4、二塁打28、RBI 32。
打率.324は、MLB全体で4位。ナ・リーグでは2位。1位のニック・カステヤーノスが.329なので、そろそろ1位に躍り出ようかという数字です。
【パイレーツ】トゥクピータ・マルカーノ
トゥクピータ・マルカーノ(Tucupita Marcano)は1999年9月16日生まれの21才。ベネズエラ出身で、2Bで右投げ左打ち。
That first big league hit feeling 🇻🇪 #HungryForMore
— Bally Sports San Diego (@BallySportsSD) April 7, 2021
Last night, 21-year-old Tucupita Marcano recorded his first hit in The Show… and received a standing O from his teammates & the Friar Faithful @PetcoPark 👏 pic.twitter.com/DyKi6dJMVi
2021年4月1日、今季の開幕戦がデビューです。デビュー以来、25試合に出場してほぼゲーム途中での出場。コンプリート・ゲームは5試合しかありません。現時点はマイナーですが、40manロスターに入っています。
センスを感じさせる初々しいルーキーです。
【パイレーツ】ジャック・スウィンスキ
ジャック・スウィンスキ(Jack Suwinski)は1998年7月28日生まれの22才。まもなく23才になる左投げ左打ちのOF。ドラフトは2016年の15巡目。
2021年はダブルAに所属。216打席で打率が.269、HR 15。SLGは.551で長打力が期待される選手。
Jack Suwinski, one of three @Pirates returns for Frazier. His slashing .269/.398/.551. wOBA of .416 and a wRC+ of 154 👀👀 pic.twitter.com/9QWHjrrv3A
— Pirates Unrestricted (@P_Unrestricted) July 25, 2021
【パイレーツ】ミシェル・ミリアーノ
ミシェル_ミリアーノ(Michell Miliano )はドミニカ共和国出身の21才の右腕。2021年はシングルAで18試合に登板。全てリリーフ。25.2 IPでERAは3.16。今季のSO9は18.9と、嘘のような数字を出しています。ちなににBB9は7.4。果たしてこの暴れ馬のような投手をパイレーツがどこまで洗練させられるのか?なかなか楽しみでもあります。
以上です。
パドレスGMのA.J.プレラー、まだ行きますよ!ちなみにパドレスの贅沢税上のサラリーは、$205.5M。今季は基準額の$210Mを超えても良いらしいです。オーナーから許可ももらっています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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