前半戦最後の登板で白星
現地2021年7月6日、大谷選手は今季13度めの登板。エンゼルスの日程は現地7日のレッドソックス戦の後、シアトルでマリナーズとの3連戦を経て、オールスターに突入です。
オールスターの前夜祭である現地12日のHRダービーにも参加予定で、13日の本戦にも2 Wayで出ることが見込まれている大谷選手にとってはオールスター前最後の登板と考えて良さそうです。
その前半戦最後の登板は、2番Pで出場。もう大谷選手の打撃を外せない状況のエンゼルスはDHを解除しても大谷選手を出さざるを得ない状況。しかし、この日は今季最高と言っていい投球内容を見せることとなりました。
ハードなレッドソックス戦(Game2)
その前半戦最後の相手はレッドソックス。ア・リーグ東地区首位を独走し、タレント揃いのクラブを相手にどんなピッチングを見せるのか、非常に楽しみでもありました。筆者はリアルタイムでは見られませんでした、帰宅後にしっかりとVTRチェックさせていただきました。
前回のワースト登板から一転
前回の現地6月30日のヤンキース戦では、0.2イニングで4BB、7ERとワースト登板となった大谷選手でしたが、この日は一転、今季ベストと言っていい内容の投球でした。
初回に危うく大量失点も落ち着いて対応
1回表、先頭のキケ・ヘルナンデスに見事な右打ちを決められた大谷選手。お手本のような打ち方で、ライト線に2塁打となりました。
強烈なレッドソックス打線ですから、先頭を出したことはかなり不利な状況で、2番のアレックス・ベルドゥーゴにも進塁打となる1Bゴロと打たれ、1アウトランナー3塁。
ここで3番のJ.D.マルチネスを迎えます。2ストライク後も4シーム、スライダーで勝負していた大谷選手に対してJ.D.マルチネスはスプリットを頭に入れて対応したと思われます。5球目、そのスプリットにうまく対応したJ.D.マルチネスの当たりは、2ランHRかと思われるような大きなフライ。これをLFのフィル・ゴセリンがフェンスぎりぎりでキャッチ。犠牲フライの1点だけで事なきを得ました。
ネイサン・イオバルディ、初回に3失点
立ち上がりに心配なのは、レッドソックス先発のネイサン・イオバルディもそう。いつもながらボールは走っていたのですが、この日は立ち上がりに捕まりました。
エンゼルスは先頭のデービッド・フレッチャーがらしいバットさばきでまずはRFへグランドルール・ダブル。
つづく大谷選手は、2球目のスプリットを叩き、これがRFへのラインドライブの当たりの2塁打に。エンゼルスが1、2番で1点を奪い、1-1のタイに持ち込みました。
エンゼルスはさらに2アウト後、マックス・スタッシが左中間スタンドに2ランHRを放ち、3点目。エンゼルスが初回に3−1と逆転したのでした。
デバースに98mph
4回表、大谷選手は先頭のアレックス・ベルドゥーゴに二塁打を打たれ、ノーアウト・ランナー2塁のピンチを迎えます。打席は、J.D.マルチネス、ザンダー・ボガーツ、ラファエル・デバースと続くもっとも危ないターン。
ここのところ、肝心な場面でギアをグッと入れる大谷選手。この日はもうここが一つの山と踏んだのでしょう。ラファエル・デバースの時に、MAX 98.5mphをマークしました。その甲斐があってか、このイニングは無失点に抑えました。
6回もあわや3失点
ゲームはこのまま中盤へ。リズムがよかったのは大谷選手の方で、この日は結果的にBBが0だったわけですが、そこが中盤のリズムを作ったと思います。
6回表、そろそろ疲れが出て来る頃でしたが、大谷選手は先頭のコナー・ウォンに二塁打を打たれ、ピンチ迎えます。
キケ・ヘルナンデスとアレックス・ベルドゥーゴを三振に打ち取り、2アウトまでこぎつけましたが、3番J.D.マルチネスに今度はLFにタイムリーを打たれ、2失点目。スコアは2−3でエンゼルスがまだ1点をリード。
さらにザンダー・ボガーツを控えるという恐ろしいターンでした。そのボガーツは、大谷選手のカット・ボールに対応。これが右中間スタンドに入るか?という大きな当たりに。しかし、トラウトに代わってCFを守るフアン・ラガレスが、フェンス際をリーピングキャッチ。見事にHRボールを抑えたのでした。
エンゼル・スタジアムのRFフェンス
エンゼル・スタジアムの外野フェンスですが、よくマイク・トラウトがリーピング・キャッチを披露している左中間は8フィートで約2.4メートル。ここはいいのです。わかりにくいのがRFです。
エンゼル・スタジアムは2018年からグランドルールを変更しており、現在はポール際を除いた外野のフェンスは8フィート(2.4m)の高さで統一され、イエロー・ラインが引いてあります。
つまりRFの壁に、ビジョンが設置されていますが、そのビジョン部分はHRです。それまではビジョンを越さないとHRとはなりませんでした。
改修すればいいのにとも思いますが、外野スタンドの傾斜に関わってきますし、それにかなり古いスタジアムですから、そのような大がかりな改修はちょっと望めないでしょうね。そう言えば、新スタジアムの話はどうなったのか?これもまたアップデートします。コロナ禍で大量のブルペンを放出したほどですから(それで今苦しんでいるのですが)、資金的にもいまはプールする時期なのでしょうね。
New RF Wall @ Angels’ Stadium. pic.twitter.com/tsNIXxoQ4j
— Joe McIntyre (@Bads85jp) April 3, 2018
なお、LFポール際、RFポール際は1.5メートルほどの高さほどしかなく、フェンウェイ・パークと同じで、ポール際は、グランドルール・ダブルのラッキー・ゾーンのようになっています。
6回裏、エンゼルスは2点を追加し、大谷選手を援護。スコアは5-2。
大谷選手は7回を投げきり、降板。被安打5、失点2、奪三振4、BB0で89球。見事な投球を見せたのでした。大谷選手は7回の降板でお役御免。打撃は4打数1安打1打点。
エンゼルスは8回にマイク・マイヤーズが無失点でつなぎ、9回はライセル・イグレシアスが登板。ライセル・イグレシアスはハンター・レンフローにソロHRを打たれましたが、1失点で凌ぎ、5-3で勝利。大谷選手に4勝目がもたらされました。
レッドソックスのBB数
前回登板のヤンキース戦では、数字ほど悪い投球ではなかったと筆者は思っていて、あと4、5球ほどストライクが入っていれば、結果は変わっていたと思います。それに戦略的にヤンキースにじっくりとボールを見られてしまいました。
それに比べると、レッドソックス打線はやはり超積極的で、打って勝つというのがよく表れていたと思います。レッドソックスはチームBB数が244でMLB全体で26位。1位はドジャースで365個。こういったところにも出ていますね。
ただ、早打ちとはまた違うと思います。
9回表にレンフローに一発が出たのは、この日は敗れたとは言え、やはり強いなと思える戦いぶりでもありました。
あと少しでホームランというのが2本もあったのが、惜しいところでした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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