アンリーシュ・パワー、いやまだ天井ではない
現地2021年7月9日、エンゼルスはオールスター前最後のシリーズでシアトルに飛んでいます。この3連戦を終えていよいよオールスター・ゲームです。
そのGame1で大谷選手がまたHRを打ちました。しかも、シアトルのT-Mobile Parkでここまで飛ばした選手は数えるほどしかいないというアッパー・デックに届くムーン・ショット。
まさにアンリーシュ・パワー(力の解放)とも言うべき一発ではありましたが、もっと上を見ている大谷選手にとってはおそらく結果の一つに過ぎず、この超特大の一発もこれが天井ということにはならなさそうです。
463フィートのムーン・ショット
大谷選手の33号HRが出たのは、3回の第2打席。
マリナーズ先発はマルコ・ゴンザレス。Mid-70mphの遅く、大きなカーブが特徴。ファストボールはシンカーでだいたい88mph前後。その他、ファストボールよりやや遅いLow-80mphのカットと、同じくらいの速度のチェンジアップがあります。
カーブに泳いだ第1打席
第1打席、大谷選手は「速く見せる」マルコ・ゴンザレスの投球にややタイミングが合わず、泳ぐ形で2Bゴロ。早めに仕掛けてくることが多い大谷選手に対して、カーブから入るというNPBを見るようなリードをしたマリナーズ・バッテリー。よかったですね。その後、速いボールを2球続けて4球目がチェンジアップ。これが効きました。5球目はさらに遅いカーブを使い、見事に仕留めました。
シンカーを読んでいたような第2打席
そして迎えた第2打席。第1打席とは変えてきました。初球のカーブは同じ。ボール球を投げたくなるところですが、これでストライクを取れるので、マルコ・ゴンザレスはメジャーにいるわけです。度胸がありますね。
2球目にシンカーを投じたまでは第1打席と同じ。バッテリーは2球で追い込み、3球目はカーブでボール。そして4球目、バッテリーが選んだのはシンカー。なにかこの配球では次はかなり高い確率でファストボールが来るというのがわかるリードだったと思います。
インコース寄りのシンカーを大谷選手は強振。もう打った瞬間でした。
飛距離は463フィート、141.122メートル。Exit Velocityは 116.5 mphをマーク。とんでもない一発でしたね。
4層スタンドの最上段へ
T-Mobile ParkのRFのブリーチャー(外野席)は4層構造ですが、その最上段のアッパー・デックに飛び込む特大の一発。ちなみに、下から2層目はカフェで、観客席は3層目、4層目です。
実況:アップトン=マコーレ・カルキン・スタイル
このすごい一発に一番いいリアクションを取ったのはエンゼルス・ベンチにいたジャスティン・アップトン。”Unbelievable”というのか聞こえてきそうな感じで帽子を外して両手で頭を抑えて、信じられない!というリアクション。
実況も素晴らしく、「ジャスティン・アップトンを見た?まるでホーム・アローンのマコーレ・カルキン・スタイルだったよ」。
ここ21試合で16HR !
ものすごいペースでHRを打っている大谷選手。直近21試合で16HR。
オールスター前最多HR数は?
オールスター・ブレイク前に33号を放ったのは1998年のサミー・ソーサと、2001年のバリー・ボンズ。
バリー・ボンズは2001年、オールスター・ブレイク前までに39号を放っています。これは当分やぶられないでしょう。
エンゼルス、逆転負け!ハニガーがGS
デービッド・フレッチャーのリードオフHRと、大谷選手の特大33号などで3回を終えて3−0とリードしていたエンゼルス。
しかし、4回裏、2アウトから3Bのルイス・レンヒーフォのエラーをきっかけに傷口を拡げ、シェド・ロング・Jr.にLFへ大きな二塁打を打たれ、2失点。スコアは3−2。
LFのテイラー・ウォードがまたやってしまいました。確かに捕れなかった打球だと思いますが、打球の行方につられて処理がもたついたのが痛かったですね。あれは投手は怒るかもしれません。
その後は双方ともにブルペンが機能。
7回裏、マリナーズはスティーブ・シーシェックからタイ・フランスがタイムリー・シングルを放ち、マリナーズが3−3の同点に追いつきました。
さらにマリナーズは8回裏、ホセ・キンタナからミッチ・ハニガーがグランドスラム(GS)を放ち、勝ち越し。スコアを7-3にしました。
ゲームはこのまま終了。マリナーズが7−3で勝利しまた。
エンゼルスは3位マリナーズとの直接対決ゆえ、ゲーム差を詰めておきたいところでしたが、なかなかうまく行かないですね。
エンゼルスも本来なら売りモードに入る状態なのですが、TDLに向けどういうアクションをするかは現時点では見えてきません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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